散髪屋(もしくは美容院)に「A」という人物が行くとする
席に座る
そして店員に尋ねられる
「今日の髪型はどうします?」
例えば、そこが行きつけの店だとしよう
店員とも仲がいい
「いつも通りで」と答えるとする
この場合、Aが思ってる「いつも通り」の髪型は、あくまでも「いつも通り」であって、正確に、ここをこう切って…とかいう注文はないわけである
そして相手も、「わかった いつも通りやな」と言う。
これでちゃんと意思疎通が出来ているはずである
後は身を任せるだけ
チョキチョキチョキ…
床に髪が落ちていく
店員と楽しく談笑しながら、時間が過ぎていく
Aの中では、「『いつも通りの髪型』に切ってくれている」と思い込んでいるので、
ろくに鏡も見ずに、店員との話に夢中となる
そしてカットが終わった頃、
店員が「これでいけるか?」と聞いてくる
「いつも通り」の髪型が鏡に映っているはずである
「………」
ここで後悔するわけである
ちゃんと説明するべきやった……(-_-;)
店員はA以外にもたくさんの人の髪型を切っているわけやから、
Aが思ってる「いつも通りの髪型」と、店員が思ってる「Aのいつもの髪型」には多少のズレが生じる
だから、安易に「いつも通りの髪型で」と注文すると、
鏡に映ってるのは、Aが思ってる「いつもの髪型」ではないわけである
しかし、もう切り終わった後だ
なんも言えねぇ(←なつかしい)
店員も、「いつも通りの髪型にしたやろ?文句あんの?」的な顔で見てくる
Aは、「あ、ありがとうございました」と言ってカウンターに行き、料金を払うしかないわけだ
そして思う。
「次はちゃんと説明しよ」
しかしこれが毎回のAのパターンである
もはや「いつも通り」が分からなくなってきた
という少年Aのお話。