2nd「ポセイドンのめざめ」が発表された5月から、3rd「リザード」のリハーサルが開始された。8月にはアルバムの構想をまとめあげ、レコーディングに入った。10月3日には録音を終了し、12月11日に発売となった。
ゲストに迎えられたジョン・アンダーソン。この年の3月にYESギタリスト探しの際、フリップにコンタクトを持って以来の友人関係で「リザード」のレコーディングに招待された。10月にはYES最新アルバムを新ギタリスト、スティーヴ・ハウとともにレコーディングに入る事になっていた。
「リザード」でクリムゾンは新たな発展の形態を示した。ゲストにキース・ティペットグループの4人を招待し、ジャズ・ミュージシャンのもつ。個々として自立したエネルギーを取り入れた。A面に登場するフリージャズ風のニュアンスがそれである。そしてB面すべてを使った組曲「リザード」。詩学的には新フィールドの最高傑作であり、幻想的な名曲である。
フリップは語っていた。
「私はギタリストであるよりも、音楽家でありたい。キング・クリムゾンにおいて、ギター演奏というのはバンドのほんの一部に過ぎない。私の役割は状況のオーガナイザー的なものだ。」
「私はギタリストであるよりも、音楽家でありたい。キング・クリムゾンにおいて、ギター演奏というのはバンドのほんの一部に過ぎない。私の役割は状況のオーガナイザー的なものだ。」
9月に「リザード」レコーディングの合い間をぬって、フリップはピーター・ハミルのグループ、ヴァン・ダー・グラフ・ジェネレーターの3rdアルバムレコーディングに参加している。その中の1曲でフリップはギターを弾いている。2人の友人関係は以後も続き、ピーター・ハミルのソロ・アルバムに参加したり、フリップのソロ・アルバムにハミルが参加している。フリップのソロ・アルバムにはピーター・ガブリエルとダリル・ホールも参加した。GENESISはこの年(1970年)、クリムゾンから中古のメロトロンを譲り受けている。イギリスのプログレシーンでは、水面下で色々な接触が起きていた。
そして「リザード」の製作と並行して行われた50人編成のジャズ・オーケストラ「センティピート」。プロデュースがフリップ、キース・ティペット作曲のジャズ組曲演奏のためだった。フリップはセンティピートでギターは弾いていない。11月15日ロンドンで初演が行われ、その年は計8回の公演を行った。年明け1月からは、イアン・マクドナルドとボズ・バレルが参加した。50人の中にソフト・マシーンのドラマー、ロバート・ワイアットがいた。彼はセンティピートに刺激され小規模のシンビオシスを結成し、ソフト・マシーンと並行して公演する事になった。
リザード発表前の11月2日、ボーカリストのゴードン・ハスケルが脱退した。再びソロ活動に戻るという理由だが、そのためにクリムゾンはボーカリスト探しのオーディションをする事になった。ゴードン・ハスケルのソロ活動、クリムゾンに参加する前に発売されたアルバムは、クリムゾンに共通する部分がない、ほのぼのとしたポピュラーアルバムだった。クリムゾン脱退後のソロ活動は結局挫折し、イングランドの名作「Gardenshed」をプロデュースした、という記録は残るが、結局はディスコ・シンガーやスタジオ・ミュージシャンとして働く事になる。
歌えるベーシストを探すオーディションが始まった。その中には後日ロキシー・ミュージックとして活躍する事になるブライアン・フェリーもいた。
12月中旬、イアン・ウォレスがオーディションにやってきた。ヴォーカリストのオーディションには失格したのだが、話を聞いているうちにドラムを叩いていた事がわかった。叩かせてみると、現ドラマーであるアンドリュー・マックロックやマイケル・ジャイルズよりもさらに荒々しく豪放なスティックさばきを見せ、リズム感も抜群だった。かくしてイアンのドラマー加入が決まり、現ドラマーであるアンドリュー・マックロックは突然解雇された。マックロックはその後グループを転々とするが、あまり恵まれた音楽活動は行っていない。
クリスマスを迎えてしまったクリムゾンに、後日バッド・カンパニーのベーシストとなるボズ・バレルがオーディションにやってきた。ボズのヴォーカルはフリップを狂喜させた。声域の幅広さ、シャウトの鋭さ、しっとりとした叙情性など、どれをとってもクリムゾンにとっては理想的だった。ベーシストに決まりかけた人もいたがこれをキャンセルし、ボズがベース兼任となった。しかしボズは生まれて一度もベースを手にした事がなかった。ボズにベースを教えたのはフリップだった。
フリップはキース・ティペットグループのクリムゾン参加を申し入れたが、ティペットは断った。次作「アイランド」もゲスト参加という形でクレジットされている。
ボズ・バレル、イアン・ウォレスという新メンバー、ティペットはクリムゾンにふさわしくないメンバーだと言った。その通り、この2人はトラブルの元となった。悪夢の2回目のアメリカ公演は1年後の事だった。
メンバー(リザード発表時)
Robert Fripp : Guitars, Mellotron, Devices
Mel Collins : Saxes, Flute
Andy McCulloch : Drums
Gorden Haskell : Bass, Vocals
Peter Sinfield : Words, Pictures
Robert Fripp : Guitars, Mellotron, Devices
Mel Collins : Saxes, Flute
Andy McCulloch : Drums
Gorden Haskell : Bass, Vocals
Peter Sinfield : Words, Pictures
Robin Miller : Oboe, Cor Anglais
Mark Charig : Cornet
Nick Evans : Trombone
Keith Tippett : Piano
Jon Anderson : Vocals
Mark Charig : Cornet
Nick Evans : Trombone
Keith Tippett : Piano
Jon Anderson : Vocals
