7thアルバム「オーディオ・ビジョン」。カンサスのアルバムの中で、一番聴き易い内容となっている。アメリカン・ハード・プログレッシヴ・ロックとして1974年にデビューしたカンサス。メンバーを集めたのは、4ヶ月のイギリス行脚でイエスやクリムゾンに影響を受けて帰国したドラマーのフィル・イハートだったが、
カンサスの中心人物は、ヴォーカルのスティーブ・ウォルシュと、ギターのケリー・リブグレンである。
74年デビュー以来このアルバムまで、不動の6人メンバーで演奏してきた。歌に比重を置いたサウンド、70年代初期のイギリス・プログレに強い影響を受け、それをアメリカのストレートなロックと融合しようとしたカンサス。
デビュー・アルバムは、アメリカで174位。とても華やかなデビューとはいかなかった。2nd「ソング・フォー・アメリカ」で評価を得、3rd「仮面劇」から日本発売となった。しかし「仮面劇」は多少難解で、あまり評価を得られず、思い切ってコマーシャルな音作りにスタイルチェインジした4th「永遠の序曲」で初のプラチナ・ディスクに輝き、シングルカットされた「伝承」も最高位11位を記録した。5th「暗黒への曳航」では元のスタイルに戻したものの、カンサス最大のヒット曲「すべては風の中に」が生まれた。
「偉大なる聴衆」ライブを挟んで、古代インカ帝国に登場するモノリスをテーマにしたコンセプト・アルバム「モノリスの謎」を発表した。よりドラマチックなアルバム作りとなったが、2曲目にはアメリカ人受けしそうな「まぼろしの風」を挟んでいた。そして、スティーブ・ウォルシュとケリー・リブグレンは、それぞれソロアルバムを発売し、その後7th「オーディオ・ヴィジョンズ」の発売となった。
2ヵ月後、スティーブ・ウォルシュはグループを脱退し、ジョン・エレファンテが参加。2枚のアルバムを発表しカンサスは解散。再結成はケリー・リブグレンなしでスティーブ・ウォルッシュが参加して「POWER」が発売された。その後は流動的なメンバーで活動しているらしいが、自分は音も聴いていない。
スティーブ・ウォルシュとケリー・リブグレンが揃って、初めて「カンサス」だと思っています。だから自分の中では7th「オーディオ・ヴィジョンズ」でカンサスは終わり。ジョン・エレファンテもスティーブ・ウォルッシュと同等の声量を出し、きれいに伸びていると思うけど高音域の迫力が違う。ジャーニーのスティーヴ・ペリーと比較される事が多いけど、自分はスティーブ・ウォルシュのボーカルが好きだ。
ランキングでは5th「暗黒への曳航」が上になったが、BESTアルバムは、やっぱり4th「永遠の序曲」だと思う。それに勝るとも劣らないと思っているのが、この7th「オーディオ・ヴィジョンズ」。最もコマーシャルなアルバム作りだと思うけど、ポップでシンプル、それでいて重い音作り、そしてスティーヴのボーカルが一番輝いているアルバムだと思う。スティーブの脱退はもったいない、なぜもっとこの路線で続けないのか、残念だった。
先ず1曲目のハード・ロック・ナンバー「リレントレス」でノック・アウトされる。曲は殆どスティーブ・ウォルシュとケリー・リブグレン、共作は7曲目だけで、1曲目のケリー作から始まって、ほぼ交合に曲が登場する。それでいて全く違和感ないアルバム作り。アコースティックな曲は1つもなく、全編にわたってハード・ロック・ナンバーが続く。唯一従来のKANSASを残しているのは5曲目だけか。自分はこのアルバムでケリーが大分譲歩しているのではないか、と思った。前作の「オン・ジ・アザー・サイド」など、ドラマチックな曲は、殆どケリーが作っているのだから。
カンサス最大のヒット曲「すべては風の中に」、この曲ではスティーブのシャウトする高音域がない。だから自分はあまり好きな曲ではない。1stアルバムの「栄光への旅路」、2ndアルバムの「ランプライト・シンフォニー」などは好きな曲ではあるけど、アルバム全体で考えると、4th「永遠の序曲」と7th「オーディオ・ヴィジョンズ」が素晴らしい出来、カンサスに合っていると思う。
自分がプログレというジャンルに踏み込んだきっかけ、それがこのカンサスとキング・クリムゾンだった。だからカンサスへの思い入れは強いです。
メンバー(1st~7th)
Phil Ehart : Drums, Percussion, Vocals
Dave Hope : Bass, Vocals
Kerry Livgren : Guitars, Keyboards, Percussion, Vocals
Robbie Steinhardt : Violin, Violas, Lead Vocals
Steve Walsh : Keyboards, Vibes, Percussion, Lead Vocals
Rich Williams : Guitars, Percussion, Vocals
Phil Ehart : Drums, Percussion, Vocals
Dave Hope : Bass, Vocals
Kerry Livgren : Guitars, Keyboards, Percussion, Vocals
Robbie Steinhardt : Violin, Violas, Lead Vocals
Steve Walsh : Keyboards, Vibes, Percussion, Lead Vocals
Rich Williams : Guitars, Percussion, Vocals
