二期校の合格発表~岐路の風景
さて、入試が終わって、発表までの1週間私は一体どこで何をやっていたのだろうか今となっては何も思い出すことができない同じ大学を受けた同級生がいて彼と一緒に発表を見に行くことになったのだからどこかのタイミングで,その約束をしたのだと思う2人で横須賀線に揺られながら、お互いの状況を伝え合う彼はまだどこにも受かっていなかった今日の発表で浪人か否かが確定する彼は、教育学部の体育科を受けていたので、数学科を受けた私と競合することはなかったこういう人生の岐路では,不安になるのが当然だが,あえて一人で行動した方がよいものであるそのことを嫌というほど味わうことになるのだった大学のメインストリートから階段を上るとピロティーのような場所があり、そこにある掲示板の前に、人だかりができている発表が始まっているだ我々は、お互いに人をかき分けかき分け、その先頭に出るまるで、生垣から頭が飛び出す感じで、左側に私、少し離れて、右側に彼の頭が出る見ると、ご丁寧にも、受験番号と姓名が、縦書きの筆で書かれてあった探すまでもなかった私の番号と名前が,目の前にあったのである!「受かっちゃった……」それが正直な感想であった 複雑である私の困惑の原因は,右手にあった彼はまだ名前を探しているようだった私はすぐには喜ぶわけにもいかず、しばし掲示板を凝視していたが、やがて、彼が「あったかい?」と聞くので「……うん」と短く答えると「そっか、俺のはないみたいだ」「じゃあ」と言うと、彼は階段を静かに降りていった私は、入学の手続きのために、階段を上って行く……それ以来、彼には会っていないまさに人生の岐路である二人とも同じ結果ならどんなによかったかでも,とにかく今はよろこぶべきである気を取り直しつつ,私は背中の羽根を広げていった天に登るような気分とはこのことである地面から2,3センチ浮いた感じで階段を上る事務棟で入学の手続きの書類を受け取るとまさに飛ぶようにして帰宅するのであったところで,東京R大の入学金35万円は?……もちろん捨てた当時の国立大学の入学金は60,000円授業料は年間96,000円だった交通費は定期代で120,000円かかったが教科書代を入れても年間250,000円国立大学はそういう場所だったのであると、ここまではハッピーエンドであるしかし,このあと大きな落とし穴にはまることに,この段階では気づきようもなかったのである