あれから、顔を合わせるけど、何も話は進展しないまま。
でも私は、思い出したことがなぜか確信としか思えない。
彼女との出会いはここに引っ越して4年目。
下の子の幼稚園の役員を引き受けた後の顔合わせでした。
とても怯えていて、緊張している印象の彼女とは、少し言葉を交わしただけ。
翌年、私が始めたパンサークルに、友達と来てくれるようになり、すこしずつ話すようになった。
その頃、始めようかと思った子どものソフトボールのチームに、入部してきた彼女の息子と、彼女。
その関係で子ども会の役員を一緒にやることになった。
そこから急激に仲良くなっていった。
土日はもちろん、家も近所だったので行き来するようになり、子どもの悩みや、いろんなことを話した。
彼女は初めの印象とぜんぜん違って、いろんなことを笑い飛ばす力を持った子だった。
私は彼女から、
そんなにまじめに考えなくてもいい。
いらっとしたっていい。
良い子で居続けるのは絶対ではない。
黙って自分を押し殺すことはよくないことだ。
と気付かせてもらった。
私は、
人に好かれたい。
奉仕をしなければ認めてもらえない。
幸せになるには、自分が犠牲になってでも引き受けていい顔をしなければならない。
そんな風に無意識で思っていた。
そのことに対して疑問を持ったことはなかったなぁ。
そんなことを指摘してくれる子だった。
私の人生を笑い飛ばしてくれて、悩んでたこともちっぽけなことにしてくれた。
そんな子だった。
彼女は愛に飢えていた。
親の愛情をもらった記憶があまりないと。
そのことでいつも悩んでいた。
でも、彼女は愛情を分け与えることができる人だった。
彼女の満たされない気持ちを私は何とかしてあげたいと思っていた。
でも何にもできないことに歯がゆく思っていた。
そんな友だ。
つづく