レトロショップ成穂堂ケンの苦悩と爆笑の日々 -807ページ目

課外授業の移動中に

今日は、小学校の課外授業らしい。


見た所、3~4年生くらい。


なぜか信号付近でちびっ子達が立ち止まっている。


で、一グループごとに、少しずつ移動している。


一体どこに向かっているのか?



僕は右折レーンにいたからそんなに気にも止めなかったけど、


ちびっ子達は信号で止まっている車に向かっては、手を振って何か言っている。


僕は、窓を少し開けてみた。


よく聞くと「お早うございま~す」と言っている。


僕の隣で止っている車の方が手を振り返している。


助手席のご夫人からは笑みが浮かんでいる。


その後ろの営業車の方も、ニコニコしながら手を振っている。


牧歌的といえば牧歌的。


でも、ちょっと気が散って危なくない?



一つのグループが僕のほうに手を振り出した。


お~い、ちょっとやめておくれ。おかしな事をするな。


思いっ切り「お早うございま~す」と言っている。


今日は、何の課外授業なんだ。


速やかに、目的地に向かって移動せよ。



直進レーンの車が進みだした。


僕は完璧にちびっ子達と目が合ってしまっている。


ある意味、蛇に睨まれたカエル君状態である。


手を振らないと、飲み込まれそうだ。


このままではいけない。


右折レーンの車よ、早く進め!と心を込めて念じる僕。


でも車は進まない。

こんな交通量の少ない道路なのに、今日に限って進まない。


げっ、信号が変わった。あり得ない。



「お早うございま~す」の声にまじって


「あっ、おっちゃ~ん。どこ行くの~!今日、お店にいくからね~」


という声がはっきりと聞こえてくる。


その声に気づいて何人かの子どもが


「あ~、ぱふ(地元では僕の店は、ぱふと呼ばれている)のおっちゃんや!お~い」


(「お~い!」って、僕を呼んだところでしょうがないやろが。やめてくれ!

早く、目的地に向かって移動しなさいって言うの)




僕は、ちびっ子達から視線をはずし、


全然気がつきません、という姿勢をとることにした。


しかし、僕は長年、武道をしていた。多分、その影響で、変に視野が広い。


特に動くものに対しては敏感に反応する。


八方目というやつだ。


先生が笑いながら、危ないから早く行きなさい、といった仕草をしているのが、目に入る。


もっと、びしっと「事故につながったら危ないから、おふざけはやめなさい」と言ってよ。



ところで、右折レーンを曲がった瞬間、


車はまたもやふん詰まり状態だった。


道路工事だった。


しかし、工事中でもこんな田舎町で、渋滞はあり得ない。


僕は取って返し、ちびっ子達を追い抜かし、抜け道へと向かった。


ちびっ子達は、もう車には目もくれずに歩いていた。