レトロショップ成穂堂ケンの苦悩と爆笑の日々 -506ページ目

聖なるもの、その名はジョセフィーヌ

僕の背中で風になびくものがある。

数十年、微少に伸び続けている背毛である。

当時は4cm足らずだったが、

久しぶりに家内に計ってもらったら、

8cmほどにも成長していた。

名前をジョセフィーヌと言う。

命名は有栖川夫人。

時々、云々問わずブログにお出まし頂く、有栖川有栖氏の奥方だ。

遠い昔の話なのに、

有難き名前を賜った時の事は、

昨日の事のように鮮やかに覚えている。


ご夫妻が自宅に遊びに来ている時の事だった。

ひょんな事から、僕の背中には妙に長い毛が

1本生えているという話になった。

家内も「私も腕にそういうのを飼っているよ」と、腕を差し出した。

有栖川夫人が嬉しそうに「私も首に1本そういう毛がある」と、言った。

夫人は続けて

「そういうのは縁起がいいので、大切にしなくてはいけないんですよ」

と。

隣にいた有栖さんが

「うちでは、ジョセフィーヌちゃんといって、大切にしているのです」

と、もうげらげら笑っている。

「KENさんも大切に育てなきゃいけませんよ。

名前はうちと同じで、ジョセフィーヌとしましょう」

と、夫人もつられて笑い出した。




余談の上にさらに余談を重ねるが、

有栖川ご夫妻とお会いした時、

我々は、兎に角よく笑いよく食べる。

餃子なんてしようものなら、両家族で200個はたいらげてしまう。



そんなこんなで、今でも僕の背中には

ジョセフィーヌがなびいている。



その後、背毛の事、それを大切にしている事を人に話すと

大概は、「自分もです~」とか「分かります~」と言う返事が、帰ってくる。

通常考えにくい程りっぱに育ったものは、

やはり神聖化してしまうものなのだろうか?


子ども達が、面白がって僕の背毛に触ろうとするのだが、

「さわっちゃだめだ。手を合わせて拝みなさい。願いは叶うであろう」

と、崇めさせたりなんかする。

人というのはつくづくおかしなものだ。


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