レトロショップ成穂堂ケンの苦悩と爆笑の日々 -490ページ目

波に抗うか波に乗るか?

ちょっとばかり、まじめで長い内容である。

お時間のない方はスルーしてくだされ。

町から本屋が、消えてゆく。

それは、すでに20年以上前に言われていた事だ。

勿論、その内容は今に合わない。

世にテレビゲームが現れ、

子供たちの関心はゲームに移り読者離れが進むであろうと

言った内容だったように思う。

僕が子どもだった頃は、

一家に一台のテレビの主導権は父が持ち、

往々にして観たくもない番組が流れていた。

そんな子供にとって、もて余した時間を潰すのに、

本というものは大きな娯楽でもあった。

時は流れ、書店の運営規模が変わり、

パソコンの普及により、購買方法も変わった。

兎も角、現在、全国の新刊書店数は約15,000店舗らしい。

僕が新刊屋で機嫌よくやっていた時代は、25,000軒と言われていた。

総床面積と軒数は比例しないだろうが、

町から本屋が姿を消して行っているのは確かだ。

その速度は、日に一軒の割らしい。


先日、久しぶりに学習塾をしている大先輩とお会いする機会があった。

無類の本好きで、一時、塾の空き時間を利用して

古本屋を営んでいた事もある。

先輩が、苦々しい顔で言った。

「私の知人の町には本屋がないのですよ。

ネットがあるから困らないというのは、

ありゃね、パソコン操作に慣れている若者の理屈ですよ。

ネット社会といわれる蚊帳の外にいる人たちは

どうしているか分かる?

例えば私の知人は、ご近所のご老人たちに頼まれて、

本を購入してあげていますねん。

これが、住みよい社会かね?」

僕は、そんな事思いもしなかった。

近くの商店の御用聞きがお宅に伺ったり、

配達かごを乗せた単車や自転車が、町を走っている頃のほうが

よっぽど便利だったのかも知れない。

町ですれ違う配達中のゲンさんに

「ちょっと、いつものお米持ってきておくれな」

みたいな社会は、もう来ないのだろう。

店の奥の番台のようなカウンターから

眼鏡越しに客を睨むような店主のいる本屋も今はない。

ちょっと、話が逸れていきそうになった。


現実の大きな流れを否定していても

何が変わるという訳ではない。

巨大な店舗やサイトも便利だろうが、

自分が住まう町に、お気に入りの本屋があると少しほっこりしないか?

小さくても自分の感性に合うような、ネットショップをみつけると、

ちょっとした楽しみを与えてくれそうな気がしないか?

古本を扱いたいといった町の本屋さんや古本屋をしたいと

本気でお考えの方を応援したいと思っている。

だけど、簡単に出来ますよ!やりましょう!とは言えない。

コストを抑えられるネットショップや大手サイトへの出品など

副業から始めてみますか、という手助けならできるかも知れない。

それがゆくゆくは、町の片隅でもいいから

何か、カタチを持ってくれれば、そこに人が集うようになる。

いずれにしてもお気軽にという気構えでは出来ない。


僕の記事を読んで頂いた所で、

古本屋さんて大変だなあと思う程度で、何の役にも立たない。

具体的な支援ツールが要るんだよね。それと情報・・・



家内に「おいら、こうしてブログを書いている場合かね?」と、呟くと

「それはそれ。古本屋開業を目指している人の為のHPやブログをつくれば?

夜遅くまで打ち合わせをしているのはお遊びじゃないでしょ」と。

そうだよな。支援ツールを考え始めて1年以上になるよな。

知人であるシステム屋には、無理難題と修正の繰り返しを

数え切れないほどお願いしてきた。

これは、知人の本に対する理解があってこそのものだ。

本には著者をはじめ、それをつくった人々の思いがこもっている。

新刊屋にしろ古本屋にしろ、町から本屋が消えるというのは

こういった思いの下、世に出た本たちが、

然るべき人の手に届くことなく消えていくという事でもある。

もっと気軽に本を手に取る事が出来るように。

もっと願いを込めたネットショップが増えるように。

大手通販サイトも、うまく利用させてもらえばいいだろうと、思う。

僕は大きな波に抗える存在ではないが、

波を利用しながら進む存在にはなりたい。

近い将来、古本屋開業支援ツールも出来上がるだろうし、

今は、思い半ばに休眠状態になってしまっているが、

ゆくゆくは本好きの人たちが作るショップの為のサイトを動かしたい。


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