レトロショップ成穂堂ケンの苦悩と爆笑の日々 -467ページ目

1月17日、空を見上げて

もう書くまいと思っていたが、やはり頭を過る。

18年前の1/17早朝、僕は寒空を見上げていた。

至るところから煙りがあがり、ガスの臭いがし、

道路に亀裂が入り、水道水が噴出していた。

サイレンは止むことなく鳴っていた。

自宅も店も巨人が悪戯に建物ごと持ち上げて、

無神経に揺さぶったような有様だった。

突如、阪神淡路を襲った大地震は、

僕の住む町をも一瞬にして、混乱のどん底に突き落とした。

それでも中心部よりは、随分ましで復旧も早かった。

兎も角、僕達は助かり、生活拠点を変え今日こうしてここにいる。

ニュースでは一様に「この日の事を忘れることなく・・・」と言っていたが、

忘れられるのなら忘れてしまった方が楽な事だってある。

僕は震災に遭い、底知れない悲しさと同時に人の温かさを知った。

僕は弱い人間だ。何度涙を流したか分からない。

そうしながらでも、人は人の真心に触れ、

拳を握り締め、唇をくいしばり明日へと向かう。

心の支えも必要だろうし、経済的な支えも必要だ。

必要なのはそういった生きていく糧だ。

いつまで?どこまで? 僕には分からない。

例えば、僕の店にも大きな被害があったであろう東北の方から注文を頂く。

その度に、この代金は受け取っても大丈夫なのか?と心配をする。

今、どの地域がどのようになっているのかという情報は入って来ない。

「この日を忘れることなく・・・」と本気で言うのであれば、

情報力、影響力の大きなマスコミこそ「この日を忘れることなく」

今どこで何が必要なのか、どうすればいいのかといったヒントを発信し続けてほしい。