レトロショップ成穂堂ケンの苦悩と爆笑の日々 -408ページ目

商売とは禅問答か?

ネット受注を見ながら昼弁当を頬張っていた。

「もう一つ受注が伸びないよな。いや、もう二つか」なんて言いながら、

何気なく緑色の一塊を口に放り込み、無造作に咀嚼した。

一瞬間があり、口の中にビリビリと電気が走った。

もう、涙が出そうなほど辛い。

そう、食したのは獅子唐なのだが、大当たり。

僕は、炒めた獅子唐に岩塩を振り掛けたものがなんとも好きである。

出来れば、アツアツのご飯に、アツアツの獅子唐というのが良い。

仕事場で炒める訳にはいかないかと家内に言った事があったが、

「あなたが獅子唐のようにピリッとしたら考えるわ」と言われた。


しかし、辛い獅子唐とそうでない獅子唐があるのはなぜなのだろう?

ひょっとして、家内がニヒルな笑みと共に辛い品種を混入させているのか。

そもそも獅子唐は辛いものを品種改良で、辛みを飛ばしているのだろうか。

元々、色々な品種があるのだろうか。

とてもつまらないことだが気になるよなあ。



んん~と考え込んでいる所に「生きてるかえ~」と。

紛れもなく師匠の声だ。

「師匠、お久しぶりです。どないしてましたん?」

「ちょっと、よその国に行ってたねん」

「よその国?あらぬ国ではないのですね」

「アホ言いな。毎年行く常夏の国やがな。ほい、お土産」と言って、

師匠がスーパーのポリ袋にこぼれんばかりに入れたチョコレートを差し出した。

僕が、しげしげと見ていると

「旅のお土産やない。息子の会社のあまりものや。

それと軽トラに本が乗せてあるから運び込んで」と。

軽トラにはそこそこ面白そうな本たちが箱詰めされていた。

どこから調達して来るのか、時折こうして本を持ってきて下さる。

本を運び込んで、一息ついた所で

「本の売れ行きはどうや」と、師匠。

「もう一つですわ」

「ところで、なんやおかしなものが、増えとるな」

「奥にあるリサイクル品の事ですか」

「そうそう、引き上げ品かいな」

「うちが引き上げたんじゃないんですが、ちょっと頼まれましてん」



成穂堂には、こんなものが売っていたりする~フィットネスジョーバ~
疾走する古本屋!成穂堂〔なるほどう〕店主の苦悩と爆笑の日々-ジョーバ



「面白いがな」

「そうですかね」

「労せずに集まる訳やろ。それはそれで扱ったらええねん」

「そんなもんですかね」

「そんなもんや。商売は拘りながらこだわるといかん・・・また、来るわ」

そう言い残して、師匠は帰っていった。

別に手間暇も何もかからない。それはそれでいいか・・・

商売というのは、いつどこから風が吹いて来るか分からない。

波に乗るというのはそういうものかも知れない。

・・・拘りながらこだわらない。

禅問答のようで、僕にはそれがまだうまく飲み込めない。