レトロショップ成穂堂ケンの苦悩と爆笑の日々 -384ページ目

正しさと思いやり

子供たちの散髪は基本的に僕がするのだが、

今日は自分の散髪のついでに三男を散髪屋に連れて行った。

仕事を早めに切り上げ、散髪屋へ向かう途中、三男と合流の約束をした。

すでに日は落ち、町を貫く幹線道路を一歩脇道に入ると、

思いがけないほど暗い。

行き違わないように、電灯の下で三男を待っていた。

少し先に、そろばん教室に向かう子供たちの姿がある。

未だにそろばん教室というのは多くの生徒を抱えているようだ。

がやがや言いながら、はしゃぎながら子供たちが門の向こうに消えていく。

或いは、自転車に乗った子供たちが急ぎ自転車置き場に駆けていく。

こうした懐かしい光景が今でもあるんだと、気持ちがほっこりする。

そんな事を思っていると、

暗い道路を渡ろうとした小さな影と黒い影が接触しそうになった。

後ろから「危ない」という母親らしき声で小さな影は立ち止まり、

黒い影も止まった。

影は小学生の女の子と自転車に乗った女性だった。

女性は「気をつけてください!」とキッとした声で言った。

そして、僕の横をツンとして行き過ぎようとした時、僕は言ってしまった。

「お宅さんは無灯火で走ってるんや、偉そうに言えんのちゃいますか」

女性は僕の声が聞こえなかったかのように走り去った。

勿論、無灯火である。

この手の人間は、大概何を言った所で通じる相手ではない。

そもそも物事の考え方、捉え方が違うのだ。

苦笑いして見ておけばいいものを、僕は一言多い。

僕の愚かな所である。




それから暫くして三男がご機嫌で走ってきた。

散髪屋に入ると、'70年代のフォークが流れている。

そこでは外界と切り離されたように、全く違った時間が流れている。

僕は、ここに散髪をしに行くというより、雑談をしに行くという感が強い。

殆どは、本の話だ。

小さな町なので、共通の知人もいる。

誰それが、○○という本を見つけたらしいとか、

作家○○はかなり面白いとか、○○という本が手に入ったら知らせて欲しいとか、

兎に角、楽しいひと時だ。


今夜は三男は暇を持て余した様子でちと可哀想だったが・・・


やはり町には本好きが気さくに集えるサロン的空間が必要なのだろう。

成穂堂内に喫茶コーナーでもつくるか。


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