レトロショップ成穂堂ケンの苦悩と爆笑の日々 -365ページ目

二男、高校受験前夜

明日は二男の高校受験日。

もう兎に角、体調を崩さないように願うのみ。


「入試、みんな親に車で送ってもらうねんて」

と、二男がにじり寄るように言う。

「昨日も聞いた。ご苦労なことで」

「ねえ、おとーさん。ちょっと聞いてくれる」

「なに?」

「入試の成績が上位10%以内なら、入学金が半分になるらしいで」

「ほぅ」

「僕、その10%以内を狙ってるねんな」

「えっ、そら無理やろ」

「そんなん言う親がどこにおんねんな」

「ここ」

「いやいや、おかしいやろ。

もし、試験時間に遅れたらどうする?

一生、後悔するで。入学金半分作戦もおじゃんやで」

「そんなに自信あるんかいな」

「あるから、言うてんねん。

悪いこと言わへん。車で送っとき。

後悔あとに立たずって言うやろ」

「それ言うんやったら、先に立たずや。

It is no use crying over spilt milk ちゅうやつや」

「そうとも言うわな。なあ、送って損はないで。

まあ、考えといて」

二男は、そう言い残して部屋に消えて行った。

もう寝るそうだ。


んん~、おいらより商売上手だ。


二男には言っていないが、

仕事を休む段取りはしてある。

殆ど電車に乗った事がない二男は、

受験よりそちらの方が不安で仕方ないようだ。

都合上、僕が同行する事になるのだろう。

この辺りの受験生は、

受験校まで親御さんが車で送る事も珍しくない。

かと言って、万一事故にでも遭えば大変だと思うと、

迂闊に車で送るとは言えない。

しかし、堺という土地は中心部から少し離れると、

交通の便が至極悪い。

下手に公共機関を使うより、自転車の方が早かったりする。

流石、刃物と自転車の町だ。

まあ、それはいい。

受験校まで車だと、20分程で行ける。渋滞もない。

電車だと、大きくV字を描きながら行く事になるので、40分程掛かる。

縁起がよいから電車で行きなさいと言うのだが、

今一つ説得力に欠ける。


「ん~、こまったな」と思う僕がいる。

まあ、明朝の様子で考えるか。


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