レトロショップ成穂堂ケンの苦悩と爆笑の日々 -337ページ目

古人、高野などに参りたまへることもやと

店の近くを西高野街道が通っている。

どうにかこうにか小型車同士がすれ違う事が出来る程度の幅員だ。

古の人々は路地を少し広くしたようなその街道を、

聖地高野山を目指し往来したのだ。

今はこの街道の近くを国道が通り、

人々はもっぱらそちらを利用している。

僕は時々、西高野街道を通るが、

石畳があったりして、何とも風情がある。

西高野街道ではないが、それと並行して走る旧道がある。

旧道は小山を幾つか越え、急斜面をうねりながら下り、

泉北地区開発時に作られた道路にぶつかる。

その旧道を通る時、なんとも牧歌的な空気が

しばし世間の喧騒を忘れさせてくれる。

小山を登り切ると、見渡す限りの田畑が広がっている。



夕まづめの風景~自宅から車で、僅か10分強。しばし、ぼぅ~と眺めてしまう。
田んぼ



なぜそんな小山のてっぺんに平坦な土地が

広がっているのか不思議だ。

その昔は木々に覆われていたであろうに

どのようにして道を通したのだろう?

或いはだだっ広い草原だったのだろうか?

それ以前になぜそんな小山のてっぺんを

開墾しようと思ったのだろうか?


いらぬ興味は飛び火し、

日本中を縦横無尽に走る道路の始まりとは

どのようなものだったのだろうかと思った。

果たしてそんな誰も興味を持ちそうもない事を研究し

本の体裁にしたものがあるのだろうか?とも思う。

どうのこうの言っても、うちは古本屋だ。

それもどちらかと言うと、あまり一般向きしない本を集めている。

取り敢えず、我が店の在庫をあたってみた。

在庫データを検索してみたが、行き当たらない。

次に通販への未登録在庫を探してみた。

やはりない。

今度、図書館に行ってみるかと思いながら、

何だか分からない本を詰め込んでいる棚をふと見ると、

んっ?という書名が目には入った。

『古代日本の交通路』1、2巻。大明堂1978年発行。



こんな本を書く人がいるなんて。なんと人の好奇心とは旺盛なものなのか
古代交通




いつ入手したのか覚えがない。

こんな本、誰が読むねんなと思い、

棚に押し込んだままになっていたのだろう。

パラパラと目を通すと、実に面白い。

西高野街道の事も和泉国の中に書かれている。

古代人もただ闇雲に獣道を拓いていたのではなく、

かなり計算して道を通していたようだ。

きっと我々が思う以上に、古代の科学は発達していたのだろう。

この本、全5巻揃えのようだ。

何だか揃えたくなってきた。

昨日まで全く興味のなかった本が、一瞬にして輝きを放ちだす。

本とは不思議なものだ。

一生、本からは離れられないと改めて思う。

仕事としても本に携わりながらだから、

剣道具もリユース品も扱ってみようという気になる。

やはり、成穂堂はくさっても古書店なのだ。

いやいや、くさっちゃいけない。


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