レトロショップ成穂堂ケンの苦悩と爆笑の日々 -229ページ目

迷うな!

随分、ご無沙汰してしまったが、バタバタと元気に過ごしている。

しか~し、鉄扉で激打した鼻は触るとまだズキンとする。

一昔前なら数週間で治っていただろうに、その治癒の遅さがもの悲しい。

こんなつまらない不注意を起こすのも

何かに追い掛けられるように日々を過ごしているかならのだろう。




ふと、自分は何をやっているのか?と思う。

願わくば、不労所得というやつで、のほほんと暮らしたてみたい。

そんな事を受注メールを眺めつつ、真剣に考える。

暗闇の向こうで、目だけがキラキラ光る何者かが言う。

「そんなに都合よくはいきませんぜ。

大概の人間は、いつかどこかで覚悟を決めて、

立ち向かわなければいけない事があるもんです。

ダンナ、ダンナはまだまだあまい」




ふと、師匠の言葉を思い出す。

「これで大丈夫やなんてものはない。

だけどな、何や手応えのあるものを掴む事はできる。

それは特別なものやのうて、考えて考えて、やり直してやり直して。

そんな事を繰り返している内に、遥か遠くにあったものが、はっきり見えるものになる」

確かに。それは、クラブに明け暮れていていた時に、感じた事がある。


人はどこかで、限界かと思うほど体を動かし、考え、努力しないと

乗り越えられないものがあるような気がする。

仕事とて同じだ。

いつまでもパッキンのゆるんだ蛇口のように、

だらしなく水漏れをするような仕事をしていちゃいけない。


「何をすべきか?分かっているのだろ。何を言い訳ばかりしている」

闇の中から鋭い眼がそう言う。



僕は、汗に滲んだ拳を見つめ「迷うな、突き進め」と呟く。