謎のチラシ
かつてほどではないにしても、ここにきて本の買取依頼がじわじわと増えている。
この町で古本を扱っている店は、うちともう一軒だけ。
大手が撤退した今となっては、他に持ち込む店がないのだろう。
本ではないが、先週、家内の親友が実家の片付けだと言って、年代物の器を持ってきてくれた。
親友の実家というのは、数百年続く旧家のようで、興味深いものがゴロゴロありそうだ。
ところで、この器達、幾度か整理されたようで、器を包んでいる古紙を開いてみると、面白いチラシだった。
他にも、流れるように書かれた墨字の和紙がある。
年代は分からないけど、祝いを述べる手紙の一片のようだ。
器用に折られた熨斗包みもある。今は、文具店などで熨斗袋を購入するが、かつては自分で折ったのだな。
チラシには「女学生用袴地」や「洋反物各種」なんて書いてある。
時代を感じる電話番号なども書かれている。
ついついこのチラシの作られた年代は?なんて、考えてしまう。


調べてみると、女学生袴というのは、明治期〜昭和初期位まで着用されたようだ。
電話が一般商店などにも普及し出したのは、1950年代。
どうも年代が合わない。卒業式用の袴を仕立てるという事なのか?
違うよな、きっと。
チラシは「引き札」といって、すでに江戸期からあった。
これはもう美術品的価値があるほど、美しい。
まあ、それはそれとして、
電話番号を載せるという事は、それだけ電話が普及していたという事ではないのか?
電話が普及していて、女学生が袴を着用している時代?
いや、電話は普及しておらず、ある階層に向けてのアピールか?
電話番号の桁数から、年代が特定出来ないか?
などなど、ついつい無駄な時間を過ごしてしまう。
しかし、面白い。
それよりも譲り受けた器類の正体を掴まなくちゃ。