8/24 阿蘇③ (天草) | 【プー太郎旅日記】~ シンクロニシティと神様と、陰謀とアセンションと、、 ~

【プー太郎旅日記】~ シンクロニシティと神様と、陰謀とアセンションと、、 ~

東京出身40代の独身男が、震災をきっかけに、それなりに給料の良かったSE職を辞めて世界の陰謀論にのめり込み、神社巡りの旅に出掛けたら、次から次に不思議な偶然に出会ってしまうというドキュメンタリー。それらはただの偶然か、それともすべて必然か!?

8月24日

今日は天草へ行く。
コガネさんがインスピレーションを感じたのが教会だということで、天草の西の奥まった場所にある二つの教会が候補だ。
往復7時間ほどのドライブ。
コガネさんは今晩8時頃の最終便の飛行機で帰京する。

朝ご飯を食べた後、コガネさんにRickyさんがどんな人だったのか聞いてみた。
コガネさんが最初に彼と出会ったのは瞑想のセッションで、参加者が次から次に倒れていったと言う。すごかったのは倒れたすべての参加者をRickyさんが対応して元に戻したことだったという。
「倒れる人というのは憑依されている人なんですが、一人一人に対応して、見事に浄霊してたのを見て、この人は本物だと思ったんです。」
Rickyさんのミキシーページがまだ残っているというので、お願いして見せてもらった。
「最後は空港で亡くなったんです。地震を止めに行ったときに。死因はエコノミー症候群だったみたい。本も出されていて、確か、ワンちゃんが持ってると思います。お願いしたら見せてもらえるんじゃないですかね。」
ちょうどそのとき、ワンちゃんが到着した。手に本を持っている。
「Rickyさんの本です。プー太郎さんに渡せって。これ差し上げます。」
何やら、神様は僕に優しい。

今回、僕は飛び入りのゲスト参加だが、普段神社参拝している人達が教会に祈りに行くというのは何か意味があるのだろう。
「今日のテーマは世界平和ということみたいです。」神様からワンちゃんに連絡があったらしい。

道中、ワンちゃんとは昨日同様いろいろなことを話した。
まず昨日の夜のスピリチュアルな男女のことを聞いた。
「あの人達は今日阿蘇に自分たちで作ったストーンサークルで何か儀式をするって言ってました。でも、そんなことをしても意味がないんです。本当にやらなければならないのは、周りの人達、一人一人を輝かせること。
昨日彼らの話を聞いていて違和感を感じていました。昼間に丁度スピリチュアルの危うさの話をしていたから、目の前に実例を出されたんでしょうね。
今の時代、スピリチュアルな目覚めも進んでいるけれども、一方で、ああいったスピリチュアルの闇も拡大しています。
ああいう人達が場のエネルギーを乱していることもあって、そう言った場の浄化も必要になります。」ヘェ~、である。

僕の子供の頃の話もした。
中学も高校も運動部に入っていたが、どちらかというと地味で静かな性格だった。昔流行った言葉でいうと「ネクラ」な感じの人間だったと思う。
その頃は、自分のそういう性格が好きではなかったが、ある時から考え方を変えた。自分のこういう暗さも個性だと。
世の中には太陽のように明るくて、その人が居るだけで場が賑やかになるような性格の持ち主が居る。でも、静かな月の光のように世界の一隅を照らす人がいてもいいし、そういう人でなければ照らせないものもあるのではないかと思うようになった。
僕は僕のままでいい。そう思い出してから、性格は暗くとも、ものの見方はポジティブになった。
「深いネガティブを見なければ到達することのできない大きなポジティブもあります。」とワンちゃん。「ポジティブさと同じぐらいのネガティブさ、同じだけの振り幅が要るんだと思います。」
僕はいわゆる「ポジティブシンキング」というのに抵抗がある。物事をポジティブに見るのは大切なことだと思うが、これは、物事の本質を捻じ曲げて自分に都合のいいように解釈していいという、自分への言い訳にもなる。ネガティブな出来事を引き起こす原因が自分の中にあった場合、しっかりとネガティブな原因と対峙しなければ何も解決することはできない。無視すれば、また別の形、別の人になって同じような現象が起こる。
より大きな幸せのためには、「勇気を持って」ネガティブに入ることは避けて通れない道だと思っている。

さてさて、そんな話をしているうちに最初の教会、崎津天主堂に到着。と思ったら、最寄りにある駐車場は神社の近くだった。
ならば、ということで、先ずは神社参拝。神社は小高い山の上にある。なかなかの急勾配。登り出すと、朝は落ち着いていた腰のコワバリくんが、昨日に引き続き痛み出した。頭痛は今のところない。

麓の拝殿には「敬神生活の綱領」と題目がついた覚え書きが額にいれて飾ってあった。神道のあるべき姿が簡潔にまとめてある。その中に「一、大御心をいただきてむつび和らぎ、国の隆昌と世界の共存共栄とを祈ること。」とあった。
「やっぱり今日のテーマは世界平和ですね。僕にとっては、原点に戻れというメッセージでもあります。」ワンちゃんが言った。

なかなか長くて急な階段を登って山の頂上まで行くと、金比羅さんが祀られている。そばには見晴らしのいい野外集会所のような施設がある。コンサートでも開けそうな感じの広々とした空間の正面には木を組み合わせて作られた巨大は十字架がそびえる。しかし、その十字架の周りは紐で囲われており、近くには近寄れない。老朽化で崩壊の危険性ありとの表示が見える。
ワンちゃんは時代の変わり目で古い信仰が壊れる象徴だと言った。

山を下り教会に向かう。夏場のちょっとしたハイキングをこなし、体は汗だらけ。腰痛もつらい。
教会には畳が敷いてあり、その上に椅子が並べられていた。
キリスト教式の祈り方はよく知らなかったが、大事なのは祈る気持だろうと勝手に納得し、畳に正座、顔が畳に付く位上半身を前に倒して両手をその先につき、世界平和を祈った。
そうすると、ちょっとしたストレッチのような体勢になり、腰が伸び少し楽になった。祈りは腰に効く??

それからもう少し西にある大江天主堂に車移動。
この教会は小高い丘の上に立っていたので、またしても軽い山散歩だ。着く頃にはまたしても汗びっしょり。
神社にしても山の上にあるものが多いが、運動の疲労で思考が少し遠のいた状態の方が祈りや瞑想に入りやすいようだ。祈りの間は快感だった。が、それまで祈りが快感だなんて、そんな風に感じたことはない。
祈りの場のロケーションの妙。これも神の仕業?

復路は2時間ちょっとぐらいかかったか。
天草を午後3時ぐらいに出発。途中、閉店前ぎりぎりの食堂で絶品の海鮮丼を食う。滑り込みセーフの遅い昼食。
祈る人には神様はご褒美をくれる?

食後阿蘇に戻ると、飛行機にはまだもう少し時間があるということで、阿蘇のとある水源に向かう。水源での瞑想というのがコガネさんの当初の希望だった。
夕闇の中、立ったまま、豊かに流れ出る水の音を聞きながら目をつぶる。お金を出さなくとも、ひたすらに湧き出る水があるというのは豊かで美しいと感じた。自然の恵み。
こんなこと、数日前なら絶対思ってない!

そして、空港へ。
コガネさんとはここでお別れである。思えば、昨日の朝彼女と野わけのダイニングで会わなければ、僕のこの36時間はない。
ありがとうございましたっ!ご縁に感謝。

ワンちゃんに宿まで送ってもらう。明日も個人タクシー?をお願いして別れた。
今日は夜飯は要らない。何やら得体のしれないエネルギーに満たされている感じでさほど腹が空かない。

となりの温泉でひと風呂浴びて帰ってくると、野わけのダイニングでは、その日の泊まり客の皆さんが宴会を始めていた。
宿のお父さんに部屋の鍵をもらおうとダイニングに入ると、入り口近くにいた宿泊客のおじさんが「まあ、飲んで行きなさい。」なかなかの出来上がり具合だ。
ちょっとだけお付き合いすることにして焼酎を頂く。
話をすると、その方は、僕の実家に近い東京の板橋区にお住まいだったという。今は奥さんの実家のある佐賀にお住まいとのこと。そして、なんとクリスチャン。今日の締めにはぴったりなんでないの?
さらに、かつては通産省にお務めだったとか。僕の最後の職場は霞が関ビルで、元の職場も近かった。
おお、これはすごい偶然ということで、住所交換しようと言われた。ここまで5分ほど。早い展開だ。この人、そんなに俺の住所が欲しいのか?

そんなこんなで、しばらくお酒と会話を楽しみ、宴は終了。結局最後までいてしまった。。
部屋に戻ると、少しお酒が入っていたせいか、昨日よりは眠りやすかった。横になりながら、頭頂が開いているような感覚をかすかだが感じていた。