
席につき流れてくる音楽にまず感じたのは「宇宙遊泳してる感じの曲だなぁ」と思っていました。そこへ主人公の平凡な男の日常が繰り広げられる、何もかも自暴自棄になっている彼のもとに1人の少女が現れて不思議な世界観が広がっていく。現実の彼はどうしようもないままだらだらと過ぎていく、そして彼は少女が現れてくれることを心待ちにしながら女の子との交流に癒されていく。少女はやがて姿を見せなくなり女の子が現実の世界で亡くなったことをを知る。主人公は代わり映えしない毎日をそれでも前へと現実を生きていく姿が描かれている。
主人公、藤原さん。ぐだぐだのだらしない男くさい男を演じておられました。上手いなぁ。観ててやっぱり目を引く。カッコいいけれどどうしようもない加減はあるある過ぎて、私もぐだぐだなんだよな結構わかる。動きたくても動けないでもそんな自分に凄く焦って何かしなくてはと思う焦燥感。でも最後の前をむく目には清々しい力強さが宿っていたような。
長江さん、主人公の目指す。なりたくてもなれないものなのでは。「理想」の役割なのではないのかな。誰しも自身を信じ、笑顔で前向きに進む姿に憧れる。満面の笑顔にそして立ち姿にやられました。そこの作品に出てくる役者さん藤原さん以外は様々な役所がある為に目まぐるしく多数の役も演じておられました。
野田さん、今回強く印象の残った役者さん。彼が現しているのは「現実」でしょうか。大家さんを演じておられる時の声と表情の自然さに笑わせて頂きましたし、凄いなぁと思いながら観てました。彼は物語の進行役でもあるし様々な役を声、間の取り方と表情で見事に演じておられました。なかでも主人公が憤りをぶつけて「怒れよ」と迫るシーン自分の中の苛立ちをぶつけてみても「現実」は本人が動かないためにどうしようもなくただ笑みを浮かべかわすしかない。そのやり取りが印象的でした。最近彼の演技の面白さにとてもひかれます。
藤田さん、彼女はどうしようもかない自分を写し出す「過去」でしょうか。なんともならないですからね過ぎた時間は。改めて見たくもないモノなのでしょうか。とにかくエロかったな。人間の「さが」も彼女は現しているのかな。
川上さん、彼女は「光」「希望」なのかな。孤独な主人公にさす一筋の光明なのかな。難しいな。彼女のあどけなさとかわいさにやられました。何が始まったのかまったくわからず、「??」の連続でした。最後に野田さんが現実を突きつけてようやく理解出来ました。まさしく不思議な存在感。見事に演じておられました。
様々な場面が目まぐるしいく繰り広げられ、主人公を含め観客すらも混乱させる不思議な空間が広がってました。独特の重々しい感じ、でも最後はスッパンとした切り口で切なさはあるけれどどことなく清々しさも感じました。会場を後にジリジリとする夏をぬけると空が高いなと思う時節がやってくるんだなあと思いながら空を見上げました。悔やまれるのはもう一度観たかったな。二度と観た所でどこまであの不思議な世界観を理解出来るのかわからないけれど観たかったと思わせる作品でした。皆様お疲れ様でした。長々失礼しました。