現実逃避行

 ランニングにすててこを履きさらして、

縁側で蝉の断末魔の叫びを聞きながら西瓜をかじる

口の中で残った種は、ぷっぷっと庭に飛ばし散らす。

憧れの夏オヤジ・・になる筈だったのに・・・

完璧なまでに空調の効いているリビングで

うだるような外の暑さを忘れながら、ふと想った。

 「すててこ」も「ももひき」も着用しないが

履いてる人に言わせると、「一度身に付けたら癖になる」

そうである。

最近の女性は、何のためか全く理解できないが

夏にタイツを履いている。レギンスともいうらしいが・・

色気のかけらも無いではないか

そんなに冷え性なのか?股ずれがひどいのか?

日焼け防止なのか?すね毛の手入れが面倒臭いのか?

おばあちゃん子だから婆臭いのが好きなのか?

いずれの理由があてはまる訳がないが

そういう眼で見ている助平オヤジは他にもいるだろう。

是非やめて頂きたい

ジーンズやパンツの方がまだ良いのでは。


 家の中でパンツ一丁で、革のソファーに座ってたら

物凄い勢いで怒られた。

この革だって生きてる時は汗かいてたのに・・




現実逃避行
 車の運転は、自分で上手いと思った事はないが

人の車に乗せて貰った時は、不安で仕方がない。

運転手を信用していれば、気にもしないのだろうが

根っから気が小さいのかもしれない。

 電車に乗っても時々思う時がある。

公共交通だから当たり前のように乗車しているが

駅に進入してからの、急激なブレーキ

明らかに、目測誤ったかのような停車位置

よっぽど運転席に顔を見に行きたくなるような運転

やたら警笛を踏みつける運転手

何を喋っているのか解らない車掌

時々不安です。

事故を起こした、アルプスの山間を走る電車の運転再開ニュース

これには驚いた。

しかもほぼ満席の乗客。

不安はないのだろうか?

これ以上大きな事故が起こらない事を祈ります。



現実逃避行
 このくそ暑い中、京浜東北線の車内はオアシスであります。

UVカットガラスの窓、空気清浄器、液晶モニターに流れるどうでもいい情報、

そして快適な空調。

気持ちよく寝てしまう通勤時間

家で寝てる時より、深い眠りに落ちていきます。

夢うつつの中で、まだ少年だった自分が出てきた。

 コールタールを塗った板張りの床、くるくると首を回し続ける天井扇

ポールダンスは出来なさそうな通路にそびえる鉄の棒。

体操選手気取りで、吊り輪とたわむれ必死の懸垂。

前に座ってる、ふくよかなお姉さんの豊かな胸の谷間に、女を感じてしまい自己嫌悪。

床で煙草を踏み消すサラリーマンの、読んでる新聞を覗き見して新鮮な情報をかじり読む。

見出しに踊る「灰色の疑惑」深いところまでは解らないが、黒白つかない所の比喩表現なのは見て取れる。

人生約半分終わって、「灰色」も時には大事な事も判って来た。

あの頃のように純粋に生きる事なんて出来やしない

新聞をたたんで顔を上げたサラリーマンは、父親だった。

はっと驚いて目を覚ましたオイラの口から、ヨダレが流れてる。

我に返って、きょろきょろと挙動不審

いびきも掻いてたのか?

下車した後も、不安と恥ずかしさが残る。

 会社に着いてPCを立ち上げる

「あっ!網棚に寝そべる夢、見忘れた・・」

あのハンモックのような網棚に悪友と登って寝た事がある。

そんな夏の日よ