久しぶりの作家。相変わらずの情景の描き方がなんと秀逸なことよ。特別な言葉や文体なんてなく、きわめて普通の言葉を並べてるだけなのに、清らかで、草木が香りたってきて、どこか怖い。春夏秋冬どれもが待ち遠したくなるんだよな。内容は美奥という、山奥の美しい村というか集落の今昔の出来事が描かれる。そこで死ぬと別の生き物に生まれ変わる。究極の毒薬を飲むと生まれ変わる。幻の世界に作り出した街。究極の毒をつくりだし、復讐に使う。神様として集落の人たちの役にたつ。話のバラエティが多彩だよなあ。時代もちょっとづつ違うし。やっぱ、こういう世界観はなぜか安心するんだよ。ファンタジーであり現実ではありえないからって、肌で理解しちゃってるんだろうなあ、俺。時々、でてくる広々とした荒涼とした原野は、白いキャンバスみたいなもんだな、この作家にとって。おもしろかった。