24/06/27 葉真中顕 W県警の悲劇 | ptureのブログ

軽いノリなのかと思ったら結構おもいぞ。W県の警察が舞台。和歌山県かな。なんでわざわざアルファベットにする?地名やら人やらをアルファベットにするの、なんか好きじゃないんですけど。でもなるほど。女性のWか。そしてエラリー・クイーンも絡んで。一話目はとても立派な刑事だった父親を亡くした若い女性刑事の話。組織隠蔽すると読んでのトリックかあ。2話目は死んだ少女を殺したのは誰か。手がかりは交換日記。これはちょっとやり過ぎなんじゃないか。トリックが。読者を騙すために必死すぎ。ストーリーとの絡みが今ひとつで、強引だけが心に残っちゃった。かつ半分不倫っぽい。3話目は好き。落ち着いた女性鑑識課員かと思いきや実は。あー、いい。こういうのがいいんだよ。4話目は痴漢を取り調べる女性刑事の話。女子生徒は本当にされたのか、あるいは示談金目的の虚実なのか、どっちだ?ラストはあーって感じ。そうくるのか。うまいな。5話目は父親を殺したと通報してきた神父と、彼をよく知る、再就職した女刑事さんの話。神父の殺人はプロローグで誰かを庇い、自分が罪をかぶったことがわかってる。では誰が犯人?これも盲点つかれたな。最後はこの本のもう一人の主役ともいうべき、県警初の女性警視正の話。あんな言い訳が通用すると思っているのか、やっぱ人は狂うんだなあ。という感じで、読み応えあるじゃないか。感動とかはないけど、おもしろかった。