24/06/16 西加奈子 地下の鳩 | ptureのブログ

大阪のキャバレーで呼び込みをしている、40才の主人公。位というよりも影があるように見えて、それが場末の女性たちに人気。そんな自分を歳はとったけど、まだまだ他の奴らとはちがう、俺はいうなればいい男なんだと思ってる。女性は右と左の目の大きさが違う、短大出の、素人っぽい若いチーママ。この二人が出会い、男は彼女を好きになり、でも大きくは踏み込まず、まるで彼女が告白してくるのを待ってるような、二人の内心を描いていくストーリー。男は彼女の部屋にあがり、仕事にいかなくなる。彼女のひものような存在。彼女は男が好きかどうかもわからないという大変はっきりしない物語だけど、なんか読むのをやめられなかった。二人は最後に香港に旅行にいく。ありったけ飲み食いでお金をつかってそれでおしまいにすることにする。彼女は食べたら吐く。美味しいものをずっと食べたいがために吐く。でも、これ違うんだろうなあ。よくわからんけど。もうひとつ入ってる話のほうが好き。前の話にもでてくるオカマバーのミミィさんが主人公。こっちはすげえ。人の心を読む。それは自分の中にずっと秘めてた部分があったから、人の心に敏感になってしまったから。バーの従業員たちとのお店、なんとも楽しそうだったな。もちろん、それで終わらない。いじめとつながってミミィさん、店を閉めちゃうんだけど。この話が読めるから、前作があるって考えると俺的にはちょうどよかった。(特に2話目が)おもしろかったなあ。