24/04/17 福島太郎 銀山町 妖精綺譚 | ptureのブログ

この作家もファンタジーかくのかと読んだら、いっつもの役場物語だった。な~んにもなくて、交通の便も悪い中、「妖精の住むふるさと」で町興しをしようとする役場の新人や、プロジェクトを任される青年さんたちの物語。もちろん、結果としてはうまくいっちゃうんだけど。妖精ミュージアムもできたんですけど。青年さんたちはそれぞれ一癖二癖ありそうだったけど、結局は素朴でいい人たち。まあ、なんだ、この作家は悪い人は書けねえよな。でも、さすがに妖精ミュージアムの展示物として、大学の准教授さんを訪ねたときはちとどきどきした。先生はその昔、この町でいじめにあってて、この町が嫌いだったから。それでも貸してくれる。無償で。この先生よかったな。今回の舞台は銀山町。でも、Google Mapでは出てこない。創造の町かと思ったけど、どうやら妖精美術館は実在するらしい。そこからたどったら、金山町だった。なんで、名前を変えるのか、ちょっと面白い。まあ、ドキュメンタリーではないってことなんだろな。あいも変わらずの中編なので、展開もスピードがあって、逆にゆっくり読まなきゃと思っちゃうほど。おもしろかった。