24/01/07 柚木麻子 王妃の帰還 | ptureのブログ

クラスで地味だけどとても仲のよい4人のグループ。そこにクラスで元人気ナンバーワンの女の子が加わる。でもその子は自分はここにいるべきじゃない、自分はクラスで一番なのよ!みたいなプライドの高い子。そして仲良しグループはどんどん壊れていく。こういう話が一番苦手。嫌な感じでドキドキして落ち着かなくなる。あー、とんでもねえ本を読み始めちゃったな。クラスの中のヒエラルキーか。やだやだ。実際離してみれば相手の今まで見えなかったところが見えてきて、そしていつのまにやら友達になってというのが小学生や中学生、高校生まであるんじゃないのかな。でもグループから出ることなく、他のグループにいる子とほぼ会話もない閉ざされた環境。ちょっと恐ろしい。でも途中から、それぞれのグループに亀裂が入って、あっちにひっつき、こっちに引き込まれ。うん、政治の世界もこうなのかも知れない。ただ子供らしいのはそれがめまぐるしく動き、みんな、悩みながら自分の感情をぶつけ、それを聞いた相手は時に心動かされ、新しい感情を発見していく。いいじゃないか。こうでなくちゃ。相手をただ環境から軽蔑する。これは親の影響が極めて大きいよな。大人も全然子供な人がいるわけだ。差別なんてのは、元はここから始まってるんじゃないかと思っちゃうよ。でも、この本の中の女の子達はみんなそれを乗り越えたんじゃないかな。最後、迷惑を被りまくったお姫様と、4人組の仲良しグループが笑って仲良くなる。いいじゃないか。素敵なラストだったよ。楽しみました。