24/01/06 内藤了 呪街 警視庁異能処理班 ミカヅチ | ptureのブログ

2作目。この作家はいつも1作目から2作目読む間があいてて登場人物とか読み進めてもなかなか思い出せないのが常なんだけど、今回は結構いけた。そんだけインパクトがあるからだな。主人公の怜が一番インパクトないかも。首の切れてる上司で幽霊。そうだそうだ。死人の目玉入れて過去が見えるやつ。虫使いのかわいらしいセンパイ女性。そして三婆ズ。エピソードがふたつ。1本目は麹町にある、ビルに囲まれたおんぼろと言う言葉ではいいつくせないくらいのひどいアパート。暗く、臭く、得体の知れないなにかが多数うごめく場所。住人が一人首つり自殺。過去にも数え切れないほどの自殺者がある。一等地になぜそんなところが。忌み嫌われる場所であることが誰がいってもわかるから。いいねえ。この気持ち悪さ。その場所に住めるのは人に嫉妬し、呪い、すべてを人のせいにし、腐るだけの人間のみ。前向きさがかけらもない、生きたまま亡霊のような連中。悪霊がでるわけでもない、ただそういう吹きだまりなのだからしょうがない。だれも手を出せない。広い東京、どこかにここみたいな場所がビルの谷間に、あるいはビルに守られてまだ存在するんじゃないかなという想像が恐くも楽しい。あのあたりはその昔地獄谷と呼ばれていたそうな。次の話は女性をまわそうとホテルにつれこんだ芸能界の大物と売り出し中若手俳優、ディレクターの3人が舌を抜かれてラブホで死ぬ。それは怪異によるもので、そんなことは世間に感づかれるわけにはいかないからイカヅチで隠蔽する手はずを整える。そうだった、それがこのチームの仕事だっけ。でもそこで終わらなかった。この怪異が怜に謎かけをしてくる。不正解なら舌を抜く。翌晩伺いますと言い残して消える。みんなで謎解き。このあたりのチームワークがうれしいねえ。三婆はどっちの話でも年の功って感じで一番キャラが立ってるな。おどろおどろしく、怪異もなんとも得体がしれない。うん、やっぱりこのあたり、大好物だな。おもしろかった。