23/05/30 つるみ犬丸 おにぎり処のごちそう三角 家族を結ぶ思い出の食卓 | ptureのブログ

最愛の奥さんとの死別がいきなりオープニング。タイトルは優しそうなのに、結構タフな小説だった。ガックリときた主人公が店を処分してとある地方のアパートの一室に居を構えたらそこにおにぎりやさんがある。でも、客は全然入ってない。そりゃそうだ、おにぎりがうまくないんだもの、ってところから話が始まって。料理人の主人公がおにぎり職人として店を手伝う話。こう書くといつもの料理小説みたくなるけど、話はもうちょっとシリアスだった。血が繋がっていないけど、本当の家族ってなんだろうってのが主題。その話はそれで感動はしたよ。でも一方でおにぎり談義が気になる。おにぎりにそこまでスキルを要求するのかい?握り加減でそんなに客の入りがかわるもんかなあって。俺も昔は散々おにぎりを握ったけどあれ、うまかったのかなって改めて考えちゃった。要はこの小説にやられちゃったってことかもしれない。おにぎりには過去の記憶があるわけで。しかもそれを食べてくれた相手の記憶があるわけで。その辺をうまく拾ってたな、そして、見事にストーリーにもっていったなって感じ。いやー、マジうまそうだった。そして、みんなこれでハッピーエンドなんだよなって。おもしろかった。