23/05/29 灰谷健次郎 兎の眼 | ptureのブログ

知ってるけど、初めて読んだ。素晴らしい話だった。今の基準とは全く合わないのがもどかしい。時代はきっと1970年代初頭なんだろな。その頃の小学校の話。俺だって微妙にリンクするあたりだ。思い出した。この頃は差別って普通にあった。そして熱い先生もいた。いまだってそういう先生は当然いると思うけれど、先生の自由度があったんだよな。公平性とかよりも、まだこっちにテコ入れしますみたいな。それは今でも正しいと思う。小学一年生をみんな平等に、成長してほしいと思ったらこうなると思う。蔑まれた環境の中で生きる教え子たちに特に眼を向けてもいいじゃないか。茉美先生のやり方に全く異論はないよ。びっくりしたのは、それぞれのキャラの意外な能力かな。メインキャラ鉄三のじいちゃん。料理は天下一品で、自分たちのポジションの的確な把握。ああ、日本人だなっておもってしまう。彼らを助けてくれる廃品回収のじいさんのなんと能力の高いこと。よくこんなキャラ思いつくな。っていうか当時はそういう人いたのかな。まだ、戦争から帰ってきた人たちがいた時代だよ。記憶にある。懐かしくも、当時のみんなの、新しい時代に生きようとして、それでいてまるで下町のような人を思いやる暖かさ。紆余曲折もあるけれど、ささやかなハッピーエンド。あ、もしかしてこういう小説が日本文学全集とかに入るんだろうなって思った。そうそう、ヤクザ先生大好きです。今もこういう先生いるといいなあ。もちろん、茉美先生も大好きだ。ああ、すごかった。おもしろかった!