今日のテーマは胸水。
胸水って結構よく聞く言葉ですが、改めて復習してみました。
まず、胸水ってなぜ溜まるのでしょうか?
胸水貯留
とかってかっこよく言いますよね?
胸水ってのはそもそも誰にでも存在するもので、一日に5-10Lとかなりの量の胸水が作られては吸収されています。
この生産が過剰になったり、吸収が間に合わなくなったりと調整メカニズムの破たんが原因で胸水は溜まります。
臨床でよく見かけるのはたぶん心不全とか低アルブミンとかじゃないかと思います。
私がそうなだけで実際は違うかもしれませんが…
肺炎の合併というのはそこまで多くない印象です。あくまでも私の施設での経験ですので統計的データではありません、あしからず。
では、今日はその中でも心不全での胸水貯留について突っ込んでみましょう。
基本的には右心不全の症状として説明されることが多いと思います。
肝腫大なんかと一緒に書かれていますよね。
でも、なんで右心不全になると胸水が溜まるのでしょうか?
胸水って胸腔っていう胸膜の間にある空間に存在します。
胸膜は肋骨側にある壁側胸膜と肺の方にある臓側胸膜があります、これらは一つの袋のような構造をしているからその間には空間があって、そこを胸腔といいます。
ここに胸水が常時存在することによって摩擦の軽減とか癒着の予防ができる。
で、胸水は壁側の胸膜で作られて臓側胸膜で吸収されるらしいです。
臓側胸膜はリンパ管やら肺静脈なんかとつながっていて、そこから胸水を吸収するメカニズムになっているらしい。
胸水も細かく言うと滲出性と漏出性に分けられるけど、そこは割愛します。
じゃあ心不全になると何がおかしくなるのか?
心不全になると、とにかく心臓は水分でアップアップになります。
全ての心不全がそうなるとは言えなくて、実は最近はvolume over loadを伴わない急性心不全が多いんだってのが分かってきてクリニカルシナリオなんかもできてだいぶ普及してきています。
ただ、ここでは説明がややこしくならないようにうっ血性の心不全を想定します。
心臓がアップアップだと肺から心臓への流れが悪くなる。
そうなると、胸水の吸収が制限されてしまうわけ。
つまり、生産に対して吸収が追い付かなくなるので胸水が溜まります。
これが心不全の基本的な胸水貯留メカニズムといっていいと思います。
もちろん、すべてがこれだけではないですよ。先ほど述べたような低アルブミン血症を伴っていればそちらの影響がより強いかもしれないし、胸膜に炎症を起こす何かしらの疾患が別にあるかもしれません。
リンパの流れも大事になるから、そちらにも注意を払いましょう。
あくまでも、心不全の患者さんで心不全が原因で胸水が溜まっているっていう想定です。
じゃあ臨床で胸水が溜まってきたらわかるかっていうと、割とすぐにわかると思います。
もちろん胸部レントゲンを撮ればある程度胸水があれば一目瞭然です。
CPアングルの鈍化
ってやつですね。
肋骨と横隔膜との間の角が丸みを帯びてくるのでこれはわかりやすい。
でも、そもそも毎日リハビリしていればレントゲンで発覚する前に症状で気付きたいところでしょう。そこがセラピストの見せ所^^
胸水が溜まるとそれだけ肺が圧迫されるわけだから呼吸状態に影響します。
だいたいは呼吸数が上がることが多いと思います。
もちろん、それに伴い脈拍の上昇やSPO2の低下などもあり得ます。
あと、体位による呼吸苦の変化。
背臥位になった瞬間に息切れがでるとか、不整脈が出るとかってのはちょっと要注意かも。
これはあくまでも私の経験から言うことで、これも教科書的かどうかはわかりませんのであしからず。でも実際の経験から言ってるので間違いではないと思う。
ただ、これらの症状があるから即イコールで胸水貯留かっていうとまた違う。
心不全だから、みなさんそもそも運動負荷をかけるときはいろいろな症状に目を向けていると思います。
心不全が少し悪くなると上記のような症状を認めることが普通にあります。
だから、いずれにしてもなんかいつもと違うな?って気づくことがとっても大事‼‼
ということで今日はここまで。
胸水と肺水腫はまた別物だし、心不全だったら肺うっ血とかの症状もあるし。
ややこしいかもしれないけど頑張ってついてきてね。
P.S
今年はもうしないけど、来年は複数回また講師として皆さんの前でお話する機会が頂けそうです。
今までの経験を活かし、実技を多く入れて実際の症例も含めてより実感しやすい講義をしたいと思います。
また、みなさんとお会いできることを楽しみにしています^^