今日は慢性腎臓病(CKD)と心血管イベントのお話をみつけたのでお話します。
まず、CKDとは以下のいずれかの状態が3ヶ月以上持続した症候群と定義されています。
1.腎障害の存在が明らか
蛋白尿や病理所見など
2.糸球体濾過量(eGFR)が60未満
これは血清クレアチニンが1.5mg/dl以上に相当します。
アルブミン尿が心血管以前とのリスクファクターであるという報告もあります。
イギリスの報告ですが、微量アルブミン尿を呈する患者のうち、1年間のうちに顕性尿蛋白へ進行したのが2.8%、1年間に死亡するものは3%であったと報告しています。
つまり、微量アルブミン尿があると腎機能障害が進行するよりも心血管イベントで死亡する患者の方が多いんですね。
これはビックリ…ただ事ではありません。
では、そもそもなぜCKDだと心血管イベントが起こりやすいのでしょうか?
私はなんとなく分かっていたようで実は分かっていなかったので、なるほどなぁと思いました。
明確に分かっているわけではないですが、熊谷先生という方の考えが分かりやすかったのでご紹介します。
原因としては、asymmetric dimethylarginine(ADMA)増加、酸化ストレス、交感神経活動亢進の3つの要素が絡み合っているとされています。
ADMAにとは、一酸化窒素(NO)をの産生を抑制する物質です。
NOは血管拡張作用があることは前回お話しましたよね?
してなかったらすみません。笑
また、NOは腎交感神経活動を抑制することが示されています。
つまり、ADMAはNO産生を抑制することで
①血管の拡張作用を抑制し冠動脈内皮機能を障害する(慶応大学の内科の先生が証明しています)
②交感神経活動が亢進する
この2つの作用によって心血管イベントを増加させていると考えられています。
次に、酸化ストレスです。活性酸素ですね。
酸化ストレスは血管内皮機能を障害し動脈硬化を進めるだけでなく、交感神経活動も亢進させるとされています。
その結果、心血管イベントが増えるわけですね。
最後に交感神経活動の亢進です。
これは今までの2つの作用でもありましたが、それ以外にも腎虚血によるRAA系の亢進も関与しているとされます。
RAA系とはレニン-アンジオテンシン-アルドステロン系ですよ?
アルドステロンはそれ自身が血圧上昇因子であり、交感神経活動も亢進させる強い昇圧作用をもっています。
つまり、どれも行き着く先は交感神経の亢進なんですね。
事実、オランダのKleinさんという方がCKD患者と健常者の下腿の筋肉を支配する交感神経活動を比較し、CKD患者のほうが亢進していることを示しています。
もう1つアルブミン尿と心血管イベントのお話もなかなか興味深いので紹介しようと思ったのですが、話が長くなったので1回きります。
DMの患者さんも交感神経の活動が注目されていたりします。
自律神経系の関与はとっても大事なんですね。
改めて思わされました^^;