当センターには、【ゲストサービス科】と呼ばれる部署があります。
これは、他の医療機関にはなかなかない部署ではないでしょうか。
患者さんは治療を受ける立場上、医師やコメディカル(看護師、放射線技師などの医療スタッフ)に対して「下から目線」になってしまうことがほとんどです。
このことを、大学病院、県立病院での勤務経験の中でいつも感じていました。
以前から書いている通り、私は「がん治療は医師と患者の協働作業が大切である」と考えています。
その為、患者さんが医師や医療スタッフを過大に崇め、遠慮して言いたいことが言えないような関係を好ましく思っていませんでした。
第158回 セカンドオピニオンのこだわり
http://ameblo.jp/ptrc/entry-11903892305.html
指宿のセンター長になってからも、何とかこういった関係が解消できないかと考え続け、約2年前から、医療秘書や事務職員にできるだけ患者さんと話をしてもらうようにしました。
その結果、患者さんが医師やコメディカルには遠慮して話さないようなことも、彼女たちに対しては話しをしてくれることがわかりました。
私たちのセンターでは、患者さんやそのご家族のことを「ゲスト」と呼ぶことがあります。
彼女たちの仕事を本格的に組織化し、今年の4月から【ゲストサービス科】と名付けて始動させました。その仕事は実に多様です。以下に列挙します。
(1) 患者さんから医師やコメディカルに伝えきれない悩み(疑問、不安など)を聞いたら、医師をはじめ、適切な部門のスタッフに伝える。
(2) 患者さんから受けたリクエストがあれば、関係者に働きかけ、迅速に問題解決をはかる。
(3)付き添い来院するご家族に声をかけ、ご家族の思いを理解する。必要があれば、患者さんへの対応と同じように、医師やコメディカルに伝えて、ご家族の問題解決をはかる。
(4)指宿市内、鹿児島県内などの観光情報を紹介し、滞在生活がより充実するようサポートする。
(5) 患者さん同士の和が育つよう陰ながらサポートする。おすすめのお店など口コミ情報の共有、趣味や特技を生かしたミニ講座の開催支援など。
(6) 治療終了後の患者さんに、センターの近況など情報提供を行う。また、近況報告を受けた場合、医師や経過観察のスタッフと情報共有する。
(7) 患者さん目線での気付き、患者さんからのメッセージを全スタッフと共有する。(「ゲストサービス通信」という社内メールを定期配信しています)
当センターは、リゾート滞在型医療という新しいがん治療のスタイルを提唱しています。
それゆえ、治療のために指宿に長期滞在する患者さんも少なくありません。
また今の季節、夏休みの小さなお子さん、お孫さんまでご家族一緒に滞在するという方もいらっしゃいます。
付き添いの子供たちが待ち時間を持て余さないよう、カブトムシの塗り絵など遊び道具を揃える家庭的な細やかな対応は、医療スタッフにはなかなか思いつかないことだと感心させられました。
最近では、医療コンシェルジュという役割のスタッフを置く医療機関が増えてきましたが、ゲストサービス科のスタッフは、「そんなおしゃれな呼び名は似合わないので、『隣のうちの娘さん』と思ってもらいたい」そうです。
多くの患者さんが、彼女たちには友人や家族に近い感情を持っているように見受けられます。
今のところは「娘さん」ばかりですが、そのうちに「隣のうちのお兄ちゃん」も現れるかもしれません。
「幸せな医療の提供」を目指すセンターにとって、ゲストサービス科は大変重要な役割を担っています。
対外的、責任者としてセンターの表の顔が私であれば、患者さんの心を包み込む彼女たちは裏の顔。
どんな患者さんにも明るく対応してくれている彼女たちは、センターの誇りです。
いつもありがとう!
7月の中頃、1週間で4カ所の地方都市講演を行いました。
今回の講演旅行、1カ所目は松江でした。
講演前日に飛行機での移動を予定していましたが、その日に台風がくる予報となっていたので、前々日に新幹線と在来線を利用して移動しました。
翌日、飛行機欠航のニュースを目にしたので、前々日の移動は大正解でした。
前日の松江は穏やかそのものでしたので、
神社やお寺にお参りするのが大好きな私は、空いた時間で出雲大社に行きました。

「参拝」と言うと、「お願いをする」イメージが強いかもしれませんが、私はいつも挨拶だけで終わるようにしています。
神様や仏様は、世界中の困っている人を助ける為に忙しくしているはずなので、お願いをしないようにしているのです。

今回の松江では、学生時代の同級生のお家にも訪問しました。
40年以上ぶりに再会する同級生のお母さんは97歳。とても元気でした。
ボケないようにと、80歳になってからピアノを始めたようです。
私の尊敬する日野原先生に相通ずる部分です。
いくつになっても「挑戦する気持ち」を持つことは、長寿の秘訣ですね。
友人のお母さんは、高校の先輩でもあります。
初めて会った学生時代に
「この高校、昔は女学校で大阪でも1、2を争う優秀な学校だった。
戦後に高校が合併し、共学となり、一般的な高校になってしまった。
もっとしっかりしなさい!」
と檄を飛ばされたことを思い出しました。
それから40年以上経ち、お互い元気な姿で再会ができ感激しました。
学生時代よりは、少ししっかりした姿を見せられたのではないかと思います。
玄関先でのご挨拶のみとなりましたが、「最後にパワーを下さい」と握手をしてもらいました。
台風のおかげで色々なことができた、楽しい講演旅行となりました。
講演旅行で得たパワーを、「幸せな医療」として還元し、多くの人に提供していきたいと思っています。
今回の講演旅行、1カ所目は松江でした。
講演前日に飛行機での移動を予定していましたが、その日に台風がくる予報となっていたので、前々日に新幹線と在来線を利用して移動しました。
翌日、飛行機欠航のニュースを目にしたので、前々日の移動は大正解でした。
前日の松江は穏やかそのものでしたので、
神社やお寺にお参りするのが大好きな私は、空いた時間で出雲大社に行きました。

「参拝」と言うと、「お願いをする」イメージが強いかもしれませんが、私はいつも挨拶だけで終わるようにしています。
神様や仏様は、世界中の困っている人を助ける為に忙しくしているはずなので、お願いをしないようにしているのです。

今回の松江では、学生時代の同級生のお家にも訪問しました。
40年以上ぶりに再会する同級生のお母さんは97歳。とても元気でした。
ボケないようにと、80歳になってからピアノを始めたようです。
私の尊敬する日野原先生に相通ずる部分です。
いくつになっても「挑戦する気持ち」を持つことは、長寿の秘訣ですね。
友人のお母さんは、高校の先輩でもあります。
初めて会った学生時代に
「この高校、昔は女学校で大阪でも1、2を争う優秀な学校だった。
戦後に高校が合併し、共学となり、一般的な高校になってしまった。
もっとしっかりしなさい!」
と檄を飛ばされたことを思い出しました。
それから40年以上経ち、お互い元気な姿で再会ができ感激しました。
学生時代よりは、少ししっかりした姿を見せられたのではないかと思います。
玄関先でのご挨拶のみとなりましたが、「最後にパワーを下さい」と握手をしてもらいました。
台風のおかげで色々なことができた、楽しい講演旅行となりました。
講演旅行で得たパワーを、「幸せな医療」として還元し、多くの人に提供していきたいと思っています。
「がん治療では、医師と患者さんの協働作業が大切だ」と、いつも言っていますが、
セカンドオピニオンを行う際も、そのことを考えながら対応しています。
第156回に書いた、セカンドオピニオンのルールに引き続き、
私のこだわりを以下にまとめるので、参考にしていただけたら幸いです。
1) 医師は、患者さんの話をよく聞くことが大前提です。
端的に病気のことだけを話す人もいれば、だらだらと関係のない色々な話をする人もいますが、とにかく相手の目を見て、真剣に最後まで話を聞きます。
2)患者さんの方から、セカンドオピニオンを受けにきた理由を話していない場合は、こちらから質問をして、その理由を聞き出します。
3)こちらから理由を聞いた際、その回答の多くは「粒子線治療を受けたいから」というものです。治療が可能であれば、この時に粒子線治療のメリット・デメリット、他の治療方法についても言及して詳しくお話しするようにしています。
4)適応にならない場合は、その理由を理解できるまで詳細にお話しします。
他の治療が可能な場合、それらの紹介をします。ただし専門ではないので、専門病院のセカンドオピニオンを同時に勧めます。
5) セカンドオピニオンは、がんの治療前に受けるものです。
色々な意見を聞き、考えることが大切なので、1人の先生で納得できなければ、第2、第3の先生に相談することをアドバイスしています。
最近のセカンドオピニオンでは、以前とは異なり、前向きにがん治療を受けようとしている患者さんやご家族と出逢うことが多くなりました。
「医師と患者さんとの協働作業」と言う考え方が、少しずつ認知されて来ているようです。
幸せな医療の第一歩は、協働作業からはじまります。
セカンドオピニオンを行う際も、そのことを考えながら対応しています。
第156回に書いた、セカンドオピニオンのルールに引き続き、
私のこだわりを以下にまとめるので、参考にしていただけたら幸いです。
1) 医師は、患者さんの話をよく聞くことが大前提です。
端的に病気のことだけを話す人もいれば、だらだらと関係のない色々な話をする人もいますが、とにかく相手の目を見て、真剣に最後まで話を聞きます。
2)患者さんの方から、セカンドオピニオンを受けにきた理由を話していない場合は、こちらから質問をして、その理由を聞き出します。
3)こちらから理由を聞いた際、その回答の多くは「粒子線治療を受けたいから」というものです。治療が可能であれば、この時に粒子線治療のメリット・デメリット、他の治療方法についても言及して詳しくお話しするようにしています。
4)適応にならない場合は、その理由を理解できるまで詳細にお話しします。
他の治療が可能な場合、それらの紹介をします。ただし専門ではないので、専門病院のセカンドオピニオンを同時に勧めます。
5) セカンドオピニオンは、がんの治療前に受けるものです。
色々な意見を聞き、考えることが大切なので、1人の先生で納得できなければ、第2、第3の先生に相談することをアドバイスしています。
最近のセカンドオピニオンでは、以前とは異なり、前向きにがん治療を受けようとしている患者さんやご家族と出逢うことが多くなりました。
「医師と患者さんとの協働作業」と言う考え方が、少しずつ認知されて来ているようです。
幸せな医療の第一歩は、協働作業からはじまります。
当センターには【経過観察室】という部屋があります。
数名の看護師と事務でチームを組んでおり、治療後の患者さんの経過を細かく観察しています。
原則として治療後の診察・経過観察は紹介元の病院でしていただいていますが、
センターでも、3か月ごとの検査データなどを患者さん本人から送っていただき管理しています。
残念なことに、がんという病気は丁寧に治療をしても再発や転移をする場合があります。
そのようなことが起こった際、経過観察室からのアドバイスでセンターに来ていただき、医師と共に今後の方針を検討することもあります。
再度の粒子線治療が可能な場合は、説明をした上で多くの場合センターでの再治療となります。
一方、粒子線治療に向いていない場合は、紹介元の病院(経過観察していただいている病院)や他の専門病院で、手術や抗がん剤などの治療となります。
中には、「再発」という事実を受け入れることが出来ない方もいらっしゃいます。
そのような方への対応は、経過観察室の看護師にとって大変難しいものとなりますが、よく話を聞き、少しでも気持ちが落ち着くように対応してくれています。
経過観察室のように、当センターを陰から献身的に支えてくれているスタッフ、部門は数多く存在します。彼らには感謝の気持ちでいっぱいです。
これからも、スタッフ一丸となって、幸せな医療を提供し続けます。
数名の看護師と事務でチームを組んでおり、治療後の患者さんの経過を細かく観察しています。
原則として治療後の診察・経過観察は紹介元の病院でしていただいていますが、
センターでも、3か月ごとの検査データなどを患者さん本人から送っていただき管理しています。
残念なことに、がんという病気は丁寧に治療をしても再発や転移をする場合があります。
そのようなことが起こった際、経過観察室からのアドバイスでセンターに来ていただき、医師と共に今後の方針を検討することもあります。
再度の粒子線治療が可能な場合は、説明をした上で多くの場合センターでの再治療となります。
一方、粒子線治療に向いていない場合は、紹介元の病院(経過観察していただいている病院)や他の専門病院で、手術や抗がん剤などの治療となります。
中には、「再発」という事実を受け入れることが出来ない方もいらっしゃいます。
そのような方への対応は、経過観察室の看護師にとって大変難しいものとなりますが、よく話を聞き、少しでも気持ちが落ち着くように対応してくれています。
経過観察室のように、当センターを陰から献身的に支えてくれているスタッフ、部門は数多く存在します。彼らには感謝の気持ちでいっぱいです。
これからも、スタッフ一丸となって、幸せな医療を提供し続けます。
先日、遠方からご家族だけでセカンドオピニオンにいらっしゃいました。
本人はいたって元気とのことですが、「もし私から予後についての話があったら、本人がショックを受けるかもしれない」との配慮で、連れてこなかったそうです。
今回は、このご家族の実例を交えて、私のセカンドオピニオンのルールをご紹介します。
【1】予後について
予後を聞かれた場合、私は「わからないと」答えます。
そこに、「ただし…明日までは大丈夫だと思います」と付け加えます。
一般的な医師は、患者さんやご家族に予後を伝えます。
医師も人であって神ではありませんので、予後のお話は過去の経験や確率に基づいた予測にすぎません。
しかし「専門家が言うのだから、そうなってしまうのだろう」と考え、強く思い込んでしまう患者さんも少なくありません。
そうなると、マイナスのイメージトレーニング状態です。
医師が話した予後のように、自らを導いてしまっているのかもしれません。
人の寿命は誰にも分からないのが本当のところです。
【2】医師との協働作業
この患者さんの場合、化学療法と陽子線治療を併用治療するのが良いと判断したので、現在かかっている病院で化学療法を先行して行うようにお話ししました。
すると「主治医と気が合わないので、どこか違う病院で治療を受けることはできませんか?」と質問されました。
「好きな人を探してもすぐには出逢えませんよ。好きな人探しをしている間にがんは大きくなります」と説明し、最優先事項を再確認していただきました。
そして、我慢することもあるかもしれませんが、今の先生と協働して化学療法を行うように勧めました。
【3】生活習慣について
ご本人は、がんになる前にかなりの数のタバコを吸っていたそうです。
さらに がんと分かってからも、数を減らしながらも吸い続けているとのこと。
これについては、「きっぱりやめるように言ってください」と伝えました。
私は、がんになる前の生活習慣を続けることが治療に悪影響を及ぼすのではないかと考えています。
過去のこばなしも参考にして下さい。
第4回 生活習慣
http://ameblo.jp/ptrc/entry-10991969179.html
第53回 生活習慣病
http://ameblo.jp/ptrc/entry-11315466952.html
セカンドオピニオンでの出逢いは一期一会です。
これからも、出逢いを大切にしながら、セカンドオピニオンを通して希望を配り続けたいと思っています。
本人はいたって元気とのことですが、「もし私から予後についての話があったら、本人がショックを受けるかもしれない」との配慮で、連れてこなかったそうです。
今回は、このご家族の実例を交えて、私のセカンドオピニオンのルールをご紹介します。
【1】予後について
予後を聞かれた場合、私は「わからないと」答えます。
そこに、「ただし…明日までは大丈夫だと思います」と付け加えます。
一般的な医師は、患者さんやご家族に予後を伝えます。
医師も人であって神ではありませんので、予後のお話は過去の経験や確率に基づいた予測にすぎません。
しかし「専門家が言うのだから、そうなってしまうのだろう」と考え、強く思い込んでしまう患者さんも少なくありません。
そうなると、マイナスのイメージトレーニング状態です。
医師が話した予後のように、自らを導いてしまっているのかもしれません。
人の寿命は誰にも分からないのが本当のところです。
【2】医師との協働作業
この患者さんの場合、化学療法と陽子線治療を併用治療するのが良いと判断したので、現在かかっている病院で化学療法を先行して行うようにお話ししました。
すると「主治医と気が合わないので、どこか違う病院で治療を受けることはできませんか?」と質問されました。
「好きな人を探してもすぐには出逢えませんよ。好きな人探しをしている間にがんは大きくなります」と説明し、最優先事項を再確認していただきました。
そして、我慢することもあるかもしれませんが、今の先生と協働して化学療法を行うように勧めました。
【3】生活習慣について
ご本人は、がんになる前にかなりの数のタバコを吸っていたそうです。
さらに がんと分かってからも、数を減らしながらも吸い続けているとのこと。
これについては、「きっぱりやめるように言ってください」と伝えました。
私は、がんになる前の生活習慣を続けることが治療に悪影響を及ぼすのではないかと考えています。
過去のこばなしも参考にして下さい。
第4回 生活習慣
http://ameblo.jp/ptrc/entry-10991969179.html
第53回 生活習慣病
http://ameblo.jp/ptrc/entry-11315466952.html
セカンドオピニオンでの出逢いは一期一会です。
これからも、出逢いを大切にしながら、セカンドオピニオンを通して希望を配り続けたいと思っています。