好んで日本中を飛び回り講演をしている私は、地方のホテルをよく利用しています。
都会のホテルでは当たり前のことかもしれませんが、最近は地方のホテルでも、外国人宿泊者を頻繁に見かけるようになりました。
しかも「話す言葉を聞いても、どこの国の方か分からない」といった事も多々あります。
数年前までは見られなかった光景です。
我が国では、急速にグローバリズムが進んでいます。
未来から過去を見たとき、この数年間は日本が国際化に転じたターニングポイントと言われるような気がしています。
メディポリス国際陽子線治療センターでも、海外の患者さんを積極的に受け入れています。
当センターは2013年10月、JCIの認証を得ました。
それらを通して医療の安全・質について学んできました。
詳しくは過去のこばなしをご覧ください。
第115回 JCIに認証されました
http://ameblo.jp/ptrc/entry-11629836593.html
JCIは永久認証ではないため、3年に1度、厳しい再評価を受けなければなりません。
継続して認証されるため、我々は今尚、高品質で安全な医療を追求し続けています。
結果として、それらが米国を中心とした患者さんに評価され、世界的なセンターへと成長できると信じています。
一方 中国からの患者さんは、目に見えて増加しています。
昨年度は10名を超え、今年度もそれ以上の患者数を見込んでいます。
国内では、鹿児島から最も離れた都道府県である北海道からの患者さんが増えています。
日本の医療は医師会を中心に素晴らしい地域医療を作りあげてきました。
地域医療の特徴は「どこにいても公平で質の高い医療が受けられること」です。
即ち、どんな病気になったとしても、その患者さんが住んでいる地域で、高水準の医療を受けることができるのです。
しかし、この地域医療だけに頼るのは、いささか時代遅れではないでしょうか。
グローバリゼーション時代は、国や地域をまたいで医療を受けに行くのが当たり前だと思える時代です。
医療も時代の変化に合わせて、変化しなければなりません。
当センターは九州・鹿児島の医療に貢献しながら、国内外の患者さんに対しても新たな価値の元、世界水準で最良の陽子線治療を提供してゆきます。
先日、遠方からセンターにいらしたご夫妻とお話ししました。
ご主人は、ものすごく元気な80歳。
耳が遠い以外、とても80歳とは思えぬ若さです。
以前から健康管理にはとても気を使っているそうで、
数年前から、東京にある有名病院の人間ドックを定期的に受けているとのこと。
ある日の検査で、臓器にのう胞が見つかりましたが、
担当医から「心配ない」と説明を受けており、安心して過ごされていました。
それから少し経って、有名な病院と言えど高齢者にとってはあまりにも遠方であったため、地元の病院で定期的に見てもらうことを勧められ、素直にそのようにされました。
地元の病院で検査を受けた時も、のう胞に大きな変化はありませんでしたが…
担当医がのう胞の説明をする際、ご主人を安心させようと
「大きくなったら手術すれば良いだけだからね」と伝えたことから、
悪性のもの(がん)だと考えるようになり、食事がのどを通らなくなったそうです。
その結果、体重が激減し、生きる希望も失ってしまいました。
そんな折、友人がセンターで治療を受けていることを知り、逢いに来たそうです。
そのご友人(センターの患者さん)を通じて、ご主人ののう胞の資料を見せていただいたので、
「心配しないでも良いが慎重に様子を見ることが大切」とアドバイスしました。
地方の患者さんにとって、白衣を着た医師は神様みたいなものです。
このご主人も、自分の思い込みをなかなか担当医に伝えることが出来なかったようです。
若い医師へのアドバイス。
患者さんは弱い立場であることを常に念頭においてください。
高齢者の患者さんには、誤解をされないよう、慎重に言葉を選んでお話ししましょう。
医療の質を高めるためには、患者さんと医療者のコミュニケーションが大切です。
コミュニケーションを取りながら、恊働作業で治療を成功に導きたいですね。
ご主人は、ものすごく元気な80歳。
耳が遠い以外、とても80歳とは思えぬ若さです。
以前から健康管理にはとても気を使っているそうで、
数年前から、東京にある有名病院の人間ドックを定期的に受けているとのこと。
ある日の検査で、臓器にのう胞が見つかりましたが、
担当医から「心配ない」と説明を受けており、安心して過ごされていました。
それから少し経って、有名な病院と言えど高齢者にとってはあまりにも遠方であったため、地元の病院で定期的に見てもらうことを勧められ、素直にそのようにされました。
地元の病院で検査を受けた時も、のう胞に大きな変化はありませんでしたが…
担当医がのう胞の説明をする際、ご主人を安心させようと
「大きくなったら手術すれば良いだけだからね」と伝えたことから、
悪性のもの(がん)だと考えるようになり、食事がのどを通らなくなったそうです。
その結果、体重が激減し、生きる希望も失ってしまいました。
そんな折、友人がセンターで治療を受けていることを知り、逢いに来たそうです。
そのご友人(センターの患者さん)を通じて、ご主人ののう胞の資料を見せていただいたので、
「心配しないでも良いが慎重に様子を見ることが大切」とアドバイスしました。
地方の患者さんにとって、白衣を着た医師は神様みたいなものです。
このご主人も、自分の思い込みをなかなか担当医に伝えることが出来なかったようです。
若い医師へのアドバイス。
患者さんは弱い立場であることを常に念頭においてください。
高齢者の患者さんには、誤解をされないよう、慎重に言葉を選んでお話ししましょう。
医療の質を高めるためには、患者さんと医療者のコミュニケーションが大切です。
コミュニケーションを取りながら、恊働作業で治療を成功に導きたいですね。
『「セカンドオピニオンを受けたいので紹介して欲しい」
そう主治医に伝えたところ、
「標準的な治療でない医療には紹介できない」
と言われ、私(本人)も家族も困っています。どうしたら良いですか。』
陽子線治療に携わっているからか、そのような相談を本当によく受けます。
以前にも書いた通り、「患者さんの権利」は、リスボン宣言で守られています。
第43回 患者さんの権利
http://ameblo.jp/ptrc/entry-11256400179.html
兵庫県立粒子線医療センターの院長をしていた時代にも、
「粒子線治療の相談に行きたい」と主治医にお願いしたところ、
「そんな標準ではない治療を受けなくても、ここで治してあげるから...」
と断言した主治医を信じて治療を受け続けた結果、結局治らず亡くなってしまった不幸な患者さんがいました。
その御子息は「相談に行っていれば、粒子線治療を受けていれば治ったかもしれない」と後悔し、裁判を起こしました。
裁判の争点は、患者の権利(紹介して欲しい)を聞き入れなかった点です。
結局2年近くかかり、和解することで合意されました。
この間、主治医やその病院は大変だったことでしょう。
「患者さんの権利」を尊重していれば、無駄な時間や神経を使う必要はなかったのです。
時代は変わり、色々な治療法を選択できる時代となりました。
「他の治療法のセカンドオピニオンを受けたい」と患者さんから相談された医師は、「患者さんの権利」を尊重して下さい。
幸せな医療も、患者さんの権利を尊重することから始まります。
そう主治医に伝えたところ、
「標準的な治療でない医療には紹介できない」
と言われ、私(本人)も家族も困っています。どうしたら良いですか。』
陽子線治療に携わっているからか、そのような相談を本当によく受けます。
以前にも書いた通り、「患者さんの権利」は、リスボン宣言で守られています。
第43回 患者さんの権利
http://ameblo.jp/ptrc/entry-11256400179.html
兵庫県立粒子線医療センターの院長をしていた時代にも、
「粒子線治療の相談に行きたい」と主治医にお願いしたところ、
「そんな標準ではない治療を受けなくても、ここで治してあげるから...」
と断言した主治医を信じて治療を受け続けた結果、結局治らず亡くなってしまった不幸な患者さんがいました。
その御子息は「相談に行っていれば、粒子線治療を受けていれば治ったかもしれない」と後悔し、裁判を起こしました。
裁判の争点は、患者の権利(紹介して欲しい)を聞き入れなかった点です。
結局2年近くかかり、和解することで合意されました。
この間、主治医やその病院は大変だったことでしょう。
「患者さんの権利」を尊重していれば、無駄な時間や神経を使う必要はなかったのです。
時代は変わり、色々な治療法を選択できる時代となりました。
「他の治療法のセカンドオピニオンを受けたい」と患者さんから相談された医師は、「患者さんの権利」を尊重して下さい。
幸せな医療も、患者さんの権利を尊重することから始まります。
ある大学病院で診断を受けた患者さんのセカンドオピニオンの話です。
この患者さんは、主治医の先生から
「この大学での治療(化学療法 + 放射線治療)を受けないで、陽子線治療を受けるのであれば、治療後こちらでは診ません」
と言われ、困っているとのことでした。
大学から紹介があった場合、時々このような相談を患者さんからされる事があります。
一方、あるがんセンターから紹介された患者さんは、異なる施設で陽子線治療を受けた後の患者さんでも、治療を行った患者さんと同じように丁寧に見てくれます。
これらの違いを考え続けてきましたが、自分の中で結論が出ました。
以前からも指摘していた、「研究者と臨床家の違い」です。
私が若い頃は、放射線治療以外の手術や化学療法をされている患者さんを診るのが好きでした。
色々な治療の違いを自分の患者さんを通して知ることは、臨床家として最も勉強になったからです。
このことを踏まえて考えると、他の治療を受けた患者さんを診ない理由は、「臨床より研究を大切にしているのだろう」と推測されました。
【化学療法 + 放射線治療】による臨床研究をしている研究者(医師)からすると、陽子線治療を受ける患者さんは、その研究外だからです。
大学病院に代表されれる、医学研究を併設施設で行う病院は、医学の進歩には欠かすことのできない大切な存在です。
しかし、自分(主治医)が診てきた患者さんを「臨床研究の対象ではない」という理由で放り出してしまうのは、医師としてあるべき姿・倫理観に疑問を持ちます。
臨床研究に参加できない患者さんでも、丁寧に、大切に診て下さる先生は数多くいます。
全てがこのような医師ではありませんので、勘違いしないでください。
「主治医の先生が提案してきた治療とは異なる治療を受けたい」
「セカンドオピニオンを受けたい」
このように主治医の先生に伝えた時、先生の表情や態度は変化しますか?
こういった部分にその病院の方針や、医師の倫理観が垣間見えるかもしれません。
医師や病院が患者さんに選ばれる時代が来ています。
医療はサービス業ではありませんが、立場にとらわれず優しくありたいですね。
以下、関連のあるこばなしです。興味があれば併せてご覧ください。
第191回 医療はアート
http://ameblo.jp/ptrc/entry-12002697583.html
第105回 優しさ
http://ameblo.jp/ptrc/entry-11582118344.html
この患者さんは、主治医の先生から
「この大学での治療(化学療法 + 放射線治療)を受けないで、陽子線治療を受けるのであれば、治療後こちらでは診ません」
と言われ、困っているとのことでした。
大学から紹介があった場合、時々このような相談を患者さんからされる事があります。
一方、あるがんセンターから紹介された患者さんは、異なる施設で陽子線治療を受けた後の患者さんでも、治療を行った患者さんと同じように丁寧に見てくれます。
これらの違いを考え続けてきましたが、自分の中で結論が出ました。
以前からも指摘していた、「研究者と臨床家の違い」です。
私が若い頃は、放射線治療以外の手術や化学療法をされている患者さんを診るのが好きでした。
色々な治療の違いを自分の患者さんを通して知ることは、臨床家として最も勉強になったからです。
このことを踏まえて考えると、他の治療を受けた患者さんを診ない理由は、「臨床より研究を大切にしているのだろう」と推測されました。
【化学療法 + 放射線治療】による臨床研究をしている研究者(医師)からすると、陽子線治療を受ける患者さんは、その研究外だからです。
大学病院に代表されれる、医学研究を併設施設で行う病院は、医学の進歩には欠かすことのできない大切な存在です。
しかし、自分(主治医)が診てきた患者さんを「臨床研究の対象ではない」という理由で放り出してしまうのは、医師としてあるべき姿・倫理観に疑問を持ちます。
臨床研究に参加できない患者さんでも、丁寧に、大切に診て下さる先生は数多くいます。
全てがこのような医師ではありませんので、勘違いしないでください。
「主治医の先生が提案してきた治療とは異なる治療を受けたい」
「セカンドオピニオンを受けたい」
このように主治医の先生に伝えた時、先生の表情や態度は変化しますか?
こういった部分にその病院の方針や、医師の倫理観が垣間見えるかもしれません。
医師や病院が患者さんに選ばれる時代が来ています。
医療はサービス業ではありませんが、立場にとらわれず優しくありたいですね。
以下、関連のあるこばなしです。興味があれば併せてご覧ください。
第191回 医療はアート
http://ameblo.jp/ptrc/entry-12002697583.html
第105回 優しさ
http://ameblo.jp/ptrc/entry-11582118344.html
先日、共に医師であるご夫婦が、遠方からセカンドオピニオンにいらっしゃいました。
奥様が数日後にがんの手術を予定されているとのことで、とにかく落ち込んでいる様子です。
他の科に従事している医師でも、学生時代にはがんについての勉強をします。
その為、一般の方よりがんに対して強く向き合えると思われがちですが、そんなことはありません。
この女性にとって、がんと宣告されたトラウマは、一般の方以上に強いようでした。
まず病状の理解度や、これから受ける治療法について聞きました。
そして、その治療法について「医師として」どう考ているのか、どのようにしてもらいたいのかを深く聞きました。
その話の中から、抗がん剤治療を受けたくない気持ちが感じとられました。
病気の性格や治療法についても様々な角度からお話しをして、中でも以下に挙げることについては特に強調しました。
(1)治る気
これから受ける手術は、最も妥当なものです。
嫌々受けるのではなく、治る気で受けてください。
(2)抗がん剤治療について
手術後の病理検査で転移しやすいタイプであれば、抗がん剤治療を受けてください。
血管の中にがんがあれば退治できます。抗がん剤治療も嫌々ではいけません。
(3)生活習慣
生活習慣に問題があれば、見直して改善してください。
それに加え、生き方や働き方も見つめ直しましょう。
(4)治療後
治療が終わったら旅行など楽しいことをしましょう。
このような話をしていくうちに、彼女の表情が明るくなりました。
この出逢いから少し経ってから、偶然この女性の親戚の方とお逢いしました。
私の話を聞いてから、女性は積極的に手術を受け、前向きにがん治療を受けているようです。
このようなお話を聞くたびに、出逢うことができて良かったなと心から感じます。
引き続き、このような形でも幸せな医療を提供していきたいと思っています。
セカンドオピニオンについては以前のこばなしでも触れていますので、興味がある方は併せてご覧ください。
第156回 私のセカンドオピニオンのルール
http://ameblo.jp/ptrc/entry-11896972029.html
第158回 セカンドオピニオンのこだわり
http://ameblo.jp/ptrc/entry-11903892305.html
奥様が数日後にがんの手術を予定されているとのことで、とにかく落ち込んでいる様子です。
他の科に従事している医師でも、学生時代にはがんについての勉強をします。
その為、一般の方よりがんに対して強く向き合えると思われがちですが、そんなことはありません。
この女性にとって、がんと宣告されたトラウマは、一般の方以上に強いようでした。
まず病状の理解度や、これから受ける治療法について聞きました。
そして、その治療法について「医師として」どう考ているのか、どのようにしてもらいたいのかを深く聞きました。
その話の中から、抗がん剤治療を受けたくない気持ちが感じとられました。
病気の性格や治療法についても様々な角度からお話しをして、中でも以下に挙げることについては特に強調しました。
(1)治る気
これから受ける手術は、最も妥当なものです。
嫌々受けるのではなく、治る気で受けてください。
(2)抗がん剤治療について
手術後の病理検査で転移しやすいタイプであれば、抗がん剤治療を受けてください。
血管の中にがんがあれば退治できます。抗がん剤治療も嫌々ではいけません。
(3)生活習慣
生活習慣に問題があれば、見直して改善してください。
それに加え、生き方や働き方も見つめ直しましょう。
(4)治療後
治療が終わったら旅行など楽しいことをしましょう。
このような話をしていくうちに、彼女の表情が明るくなりました。
この出逢いから少し経ってから、偶然この女性の親戚の方とお逢いしました。
私の話を聞いてから、女性は積極的に手術を受け、前向きにがん治療を受けているようです。
このようなお話を聞くたびに、出逢うことができて良かったなと心から感じます。
引き続き、このような形でも幸せな医療を提供していきたいと思っています。
セカンドオピニオンについては以前のこばなしでも触れていますので、興味がある方は併せてご覧ください。
第156回 私のセカンドオピニオンのルール
http://ameblo.jp/ptrc/entry-11896972029.html
第158回 セカンドオピニオンのこだわり
http://ameblo.jp/ptrc/entry-11903892305.html