ある大学病院で診断を受けた患者さんのセカンドオピニオンの話です。
この患者さんは、主治医の先生から
「この大学での治療(化学療法 + 放射線治療)を受けないで、陽子線治療を受けるのであれば、治療後こちらでは診ません」
と言われ、困っているとのことでした。
大学から紹介があった場合、時々このような相談を患者さんからされる事があります。
一方、あるがんセンターから紹介された患者さんは、異なる施設で陽子線治療を受けた後の患者さんでも、治療を行った患者さんと同じように丁寧に見てくれます。
これらの違いを考え続けてきましたが、自分の中で結論が出ました。
以前からも指摘していた、「研究者と臨床家の違い」です。
私が若い頃は、放射線治療以外の手術や化学療法をされている患者さんを診るのが好きでした。
色々な治療の違いを自分の患者さんを通して知ることは、臨床家として最も勉強になったからです。
このことを踏まえて考えると、他の治療を受けた患者さんを診ない理由は、「臨床より研究を大切にしているのだろう」と推測されました。
【化学療法 + 放射線治療】による臨床研究をしている研究者(医師)からすると、陽子線治療を受ける患者さんは、その研究外だからです。
大学病院に代表されれる、医学研究を併設施設で行う病院は、医学の進歩には欠かすことのできない大切な存在です。
しかし、自分(主治医)が診てきた患者さんを「臨床研究の対象ではない」という理由で放り出してしまうのは、医師としてあるべき姿・倫理観に疑問を持ちます。
臨床研究に参加できない患者さんでも、丁寧に、大切に診て下さる先生は数多くいます。
全てがこのような医師ではありませんので、勘違いしないでください。
「主治医の先生が提案してきた治療とは異なる治療を受けたい」
「セカンドオピニオンを受けたい」
このように主治医の先生に伝えた時、先生の表情や態度は変化しますか?
こういった部分にその病院の方針や、医師の倫理観が垣間見えるかもしれません。
医師や病院が患者さんに選ばれる時代が来ています。
医療はサービス業ではありませんが、立場にとらわれず優しくありたいですね。
以下、関連のあるこばなしです。興味があれば併せてご覧ください。
第191回 医療はアート
http://ameblo.jp/ptrc/entry-12002697583.html
第105回 優しさ
http://ameblo.jp/ptrc/entry-11582118344.html