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[粒子線治療][陽子線治療][菱川良夫] 名誉センター長のこばなし ~がんから学ぶこと~

一般社団法人 メディポリス医学研究所
メディポリス国際陽子線治療センター 名誉センター長
菱川良夫による講演からの小話。

11月初旬、釜山へ2泊3日の講演の旅をしました。

九州は韓国との間で経済交流を続けています。
今回、釜山で行われた交流会では、「介護や医療連携」がテーマの1つになっており、移動初日は、そこで講演させていただきました。

韓国と日本から1人ずつ基調講演を行い、続いて2名ずつが介護や医療について講演を行いました。

参加する多くの方が経済人であったため、私の話が新鮮に感じられたのでしょうか。
講演終了後、多くの方々と名刺交換を行い、交流させていただきました。


2日目は、有名な寺院を見学し、港の市場を見学させていただきました。
たくさんの観光客がいましたが、中でも中国人が目立っており、韓国でも大国・中国のエネルギーを痛感させられました。

3日目の早朝、釜山の空港(金海国際空港)を発ち、10分ほどで対馬の上空を通過しました。日本と韓国の距離は地図で見る以上に近いことを体感しました。


交流が好きな私は、以前より様々な医療関係者と交流を行ってきました。

それに加え、ここ数年、九州の経済に関する委員を受け持つこととなり、そこで出会う医療関係者ではない方々と交流をさせていただいています。

彼らは、全く違う視点、新しい価値観、豊かな感性で、私を刺激してくれます。
交わることのなかった違う領域の人たちと交流することで、私も成長を実感しています。

これからも様々な人との交流を楽しみ、幸せな医療を追求し続けたいと思っています。
最近、保険会社で先進医療に関する保険を販売している方の治療が続きました。

保険の販売にかかわる方は、がん治療における最前線の情報をよく勉強しています。
また、治療法や治療を受ける施設の選択が重要であること、がんの治療は1回目の治療が大切なことを知っています。

今回、当センターに治療を受けに来られた方々は、過去に私の講演を聞いて下さっており、自分の治療を受けるために、【陽子線治療】と【メディポリス国際陽子線治療センター】を選択して下さいました。
知識を豊富に持つ方々に認められたことに感謝し、精一杯治療に当たらせていただきました。


治療後、その方の在籍する保険会社にたまたま顔を出したところ『「治療を受けた社員の雰囲気が以前より明るくなった」と上司が感心していた』というエピソードを耳にしました。

当センターでは、「リゾート滞在型医療を提供する」と常々口にしてきました。
今回の場合も、陽子線での治療に加え、指宿独自の大地のパワーで心身ともにリセットされたのではないかと感じています。


少子高齢化の時代では、患者さんが病院やクリニックを選ぶ時代です。
治療施設が選ばれることによって、質の悪い治療施設が淘汰され、より良い治療を受けられるようになります。

また、「海外から」といったイメージが強いメディカルツーリズムは、国内でも見られるようになってきました。そして近い将来、国内でのメディカルツーリズムが当たり前になる時代が必ずやってきます。

遠方であっても、自分の治療に適していると思えば、セカンドオピニオンを受け、治療を受けに行く時代がやって来るということです。


日本は交通インフラが整っており、どんなに遠く離れた場所であっても半日かければ行くことができます。
国土の大きさ、国民の豊かさ、社会の成り立ちからも、メディカルツーリズムに向いている国と言っても過言ではありません。

当センターでは、早くからこれらのことに目をつけ、施設を作ってきました。
いまでは、日本中、世界中のあらゆる場所から患者さんが来て下さっています。

引き続き、質の高い治療を提供するとともに、おもてなしの心を忘れないよう「幸せな医療の提供」を続けたいと思っています。
先日、「ホウドウキョク」というWEB TVの祝日スペシャル「がん治療の最前線」で、初めてスタジオ生出演を果たし、陽子線のお話しをさせていただきました。

指定された時間にテレビ局に行き、控え室で簡単な打ち合わせをして、本番。
司会の女性が上手に誘導してくれたおかげで、話したいことを全て話すことができました。

家族にも出演する旨伝えていたのですが、私の連絡が悪く、「生番組を見ることができなかった」と叱られました。
WEB TVなので、翌日には私の出演分がアーカイブとして見ることができたので、それを紹介して事なきを得ました。それを見て一番喜んだのは、孫の女の子たちです。


収録後、何を話したのかを思い出そうとしたのですが、意外と思い出せませんでした。
初対面の方たちに囲まれ、目の前には数台のカメラ、秒単位での進行など、知らず知らずのうちに私も緊張していたようです。

「翌日になれば動画が見られます」と聞いていたので、夜中の3時頃に目覚め動画を探したところ、私の映像を見つけました。
喋っていることを最後まで聞きましたが、いつも言っていることを、いつも通りゆっくり話しており、安心ししてもう一度寝床につきました。

生番組は日常と全く違う世界ですが、また生番組への出演依頼があれば、二つ返事で引き受けると思います。一発勝負である生番組の緊張感、意外と癖になりそうです。

ホウドウキョク「祝日スペシャル 「がん治療の最前線」」
http://www.houdoukyoku.jp/pc/archive_play/00032015112301/7/
一つの病に対して色々な治療方法が出てくると、決まって「どの治療法が最も良いのか」という研究が始まります。がんも例外ではありません。
しかし、私は「がん治療は集学的治療である」と考えています。

即ち、そのがんを専門にしている医師が、患者さんの希望も聞きながら、治療前・治療後の検査なども含めて最良の治療法を集学的治療として考えるということです。
また、医師は自分の専門とする治療分野でなかったとしても、最先端の検査装置や治療装置を学び、自らの集学的治療に応用すべきであると考えています。

陽子線治療に携わり続けていると、「我々は陽子線治療の専門家であるが、各がんの専門家ではない」ということに気がつかされます。

「優れた陽子線治療装置の能力を最大限に発揮し、各がんの専門家が希望する治療を提供すること」こそが、我々の使命であり、難治とされているがんを治療するためには重要であると考えます。

患者さんの利益につながる「価値ある治療」を提供するためには、我々と同時に、各がんの専門家も進化し続けている陽子線治療のことを知っていただき、「自分達が専門とするがん治療にどのように応用できるか」を考えて欲しいと思っています。

そして、陽子線治療の専門家に「このようなことができないだろうか」と提案していただければ、患者さんの利益につながる議論が行えるのではないでしょうか。


医療連携や医療の国際化はものすごい勢いで進んでいます。
インターネットを使えば、指先ひとつで国境を越えて、膨大な情報を交換することができます。

既に専門家同士の医療連携も行われ始めていますが、近い将来、多くの医療機関が情報を共有するのが当たり前の時代となり、患者さんにより良い治療を提供できるようになるでしょう。
10月末に地方で行った講演での一幕をご紹介します。

講演会場に着くと決まってやることは、私のパソコンとプロジェクターの接続確認です。
問題なく接続が確認され、40分後に本講演が開始されました。

講演最初のスライドはいつも通り出ていたのですが、次のスライドに切り替えた途端に画面が暗くなってしまいました。すぐに回復したので、気に留めず講演を続けましたが、また画面が黒くなってしまいました。

担当者が慌てて調整をはじめたので、私はスライドなしで話しを続けました。
参加者の表情や担当者の表情を見ながら、いつもとは少し違った講演の時間を楽しみました。

汗だくになっている担当者を見て、上手く回復することを願いながら講演を続ること約10分。担当者の努力が実り、無事にスライドが再生され、その後はいつもの講演に戻りました。


この一件の帰り、過去の講演でのトラブルを思い出していました。

パソコンが突然壊れてしまい、ホワイトボードを使って講演したこともあります。
この主催者からは、2度とお呼びがかからなくなりました。

プロジェクターの電球が切れて映写されなくなったこともあります。

飛行機に乗り遅れ、次の講演者と順序を入れ替えてもらったこともあります。
電話で平身平頭謝り、次の飛行機に乗りました。

雪国での冬の講演では、大雪でJRが止まったこともあります。
「この講演は中止だ」と思い、主催者に電話をしたところ…
「皆さんスノータイヤでいらっしゃるので大丈夫です。先生もタクシーを利用してご来場ください。」と言われ、タクシーで数時間かけて講演会場に駆けつけました。

雪国での講演では他にも、「絶対雪の降らない時期です」と言われ、飛行機でその地方に向かったところ、数十年に一度の大雪で、飛行場が閉鎖されており、帰ってきたこともあります。

先日の講演では、講演前にトイレに行ったところ、扉のノブが壊れて出られなくなりました。
慌てて関係者に携帯で連絡して、事なきを得ました。





トラブルは、「ライブ」である講演の楽しみの一部です。
私の講演でトラブルが起こったときは、普段とは違う講演を楽しんでください。