こんにちは、パーソナルトレーナーの佐藤公治です。
「食事制限をしても、体重や体脂肪が減らないのはなぜ?」
ダイエット時は摂取カロリーを消費カロリーよりも少なくすることが基本。ただしリバウンドを抑え、効果を長続きさせるにはいくつか押さえておきたい要点があります。
この記事では、体脂肪減少に影響を与える要因と対策を解説していきます。
摂取カロリーを減らすと体も適応する
「摂取エネルギーを7200cal減らすと、体重は1kg減少する」といわれています。
ところが食事を制限するだけでは、中~長期的には体脂肪を減らすことは困難です。
例えば、1日の総摂取エネルギーを2000kcalから1500kcalに減らしたとすると、7200÷500=14.4日で体重は1kg減ることになります。
計算上では、最初の2週間で約1㎏、4週間で約2kg、6週間で約3㎏の減量ができることになります。
ですが食事制限を続けていると、体はそれに適応して消費するエネルギーの量も減少させるようになります。
(次にいつエネルギー⦅食事⦆が入ってくるかわからないので、体は代謝を低下させ、エネルギーを使わないようにして体脂肪をため込むようになります)
この影響で、ダイエットの停滞が起こるようになります。
体脂肪として蓄えられやすい栄養素
糖質・たんぱく質・脂質のうち、もっとも体脂肪として蓄えられやすい栄養素は脂質です。
どの栄養素をとった場合も、体はそれを消化するためにエネルギーを消費します。
脂質は、消化に使われるエネルギーがもっとも少なく、糖質の半分から3分の1、たんぱく質の10分の1程度といわれています。
脂質は他の栄養素に比べ、実際に食べたエネルギーから、消費に使われるエネルギーを差し引いた量が多いということになります。
筋肉の消費を防ぐたんぱく質
食事制限をすると、落ちた体重のいくらかは(体脂肪ばかりではなく)筋肉量になります。
筋肉量が減少してくると体形が崩れるほか、代謝が落ちてエネルギー消費が悪くなり、体力や免疫力も低下する恐れがあります。
そこで筋肉がエネルギー源として分解されないように、ダイエット時も(鶏肉やプロテインパウダーなど、脂質の少ない)十分な量のたんぱく質を摂る必要があります。
1日に必要なたんぱく質の摂取量の目安
1日に必要なたんぱく質の量は、体重1kgあたり1~1.6g(筋トレなどハードに筋肉を使う場合は2g強)。
摂取カロリーが同じ場合でも、食事でたんぱく質を多く摂っている人のほうが、筋肉をつくるホルモンであるインスリン様成長因子(IGF)が多いことが知られています。
筋肉の成長が刺激されると、食事制限をしている期間でも体内の代謝速度・脂肪燃焼の効率は高まります。
食品のGI値(グリセミック指数)が低いと太りづらい
GI値(食べた糖質が、血中に取り込まれるまでの速度を指数化したもの。グリセミック指数ともいいます)の低い食品のほうが、体脂肪を減らすのに優位なことが確認されています。
代表的な食品はオートミール・そば・全粒粉のパンなど、精白されていないもの。
これらは消化・吸収がゆっくりと進むので、腹持ちを良くし、食欲を抑える効果も期待できます。
たんぱく質の量を多く保ち、主食をGI値の低い穀物を中心にすれば、筋肉など体の組織を維持しながら、体脂肪減少を進めていくことが可能になってきます。
(ただし、筋肉量を増やしたい場合や筋トレ後の食事などは、消化・吸収が速い精白された穀物、白米・食パン・パスタ・スポーツドリンクなどのほうがエネルギーの補給に向いています)
食事回数は減らさない
1日の総摂取カロリーが同じであれば、食事回数が多いほうが体脂肪を減らすには優位になります。
食事(とくにたんぱく質)を摂ると、そのたびに体は熱を帯び、代謝はわずかに上昇します。
また食事の回数を増やせば、コルチソル(筋肉の分解に働く異化ホルモン)の分泌を抑え、筋肉量を維持しやすくなります。
筋肉量を多く保っていれば、代謝速度を高く保つことができ、体脂肪の燃焼を促すことができます。
就寝前の糖質の摂取を減らす
1日の後半は、インスリンの感受性(働き)が低下してきます。
インスリンの感受性が低下すると、食後に体内に栄養素を取り込むため、インスリンそのものの分泌量を増やす必要が出てきます。
ただ、インスリンには体脂肪を貯蔵を進める働きもあるので、ダイエット時は夕食は早めに摂るか、食物繊維の多い糖質を少量とたんぱく質を中心に摂ることが指針となります。
(ただし夜に筋トレをするなど、ライフスタイルによって例外もあります)
まとめ
体脂肪を減らすには、摂取エネルギーを消費エネルギーよりも少なくすることが基本となります。
その他にも、
・脂質の少ないたんぱく質とGI値(グリセミック指数。精白されていない糖質)を増やす
・食事回数を増やす
・とくに1日の前半にしっかりと食事を摂る
(体脂肪の燃焼を効率よく進め、筋肉を維持できるように体内のホルモンの状態を整える)
などが効果を上げるためのポイントとなります。
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