賢治が言っていた
「ほんとうのしあわせ」。
「みんなが幸せにならないと、
ほんとうの幸せにはなれないんだ…。」
…賢治のことは好きでよく読んでいたが、
本当の幸せについて、
私はよくわかっていなかった。
単に賢治がいい人だから、
そう思うのだろうと思っていた。
しかしついさっき少しわかった気がした。
悟りと慈悲心について。
智慧の彼岸に達した人というのは
世界がよく見えるから、
自分と世界との関係をよく知っている。
縁の世界をよく知っている。
すべては実在ではない。
自分自身が世界と関係的な存在
であることをよく知っている。
すべてが無関係ではない。
だから一切衆生、すべの存在物に
気をかける優しさがあり、共感する
感性を持っているのだ。
だから困っている人がいると声をかける。
「大丈夫ですか。」
知行同一なのである。
身口意が一致している。
私は知識で彼岸を垣間見た気がして
いい気になっていたが、
全く智慧が浅かったのだ。
なんで聖人はあんなにも優しいのかな
と昔から不思議に思っていたけど、
世界をよく知っている人、
小我を離れて彼岸から世界を
眺めている人は、感覚的にも心が広くて、
相手に気をかけるのは自然な結果なのだ。
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響き。
世界中の響きが聞こえる。
からだが震える。
観音様はいつでもそれを観じて
あなたのそばに。
「つらいとき、悲しいときは
いつでも私の名を口になさい。
いつでも私はあなたと共にあります。」
「南無観世音菩薩」

