マオウのユウウツ | ☆ 俺たちにはつきがある!☆彡

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  ~ The Moon is always with us ~


 

「おまえの絶望を俺に捧げろ!」

マオウは人々に絶望を捧げさせ、
自分より不幸な人間を見つけて満足していた。


「おまえの絶望を俺に捧げろ!
 よし、おまえは俺よりも不幸だな! ハッハッハーッ!」

「次!」

「おまえも俺よりも不幸だな! ハッハッハーッ!」

「よし次!」

「ハッハッハーッ!おまえも俺より…お、おまえ!
 お前は俺より幸福だな!許さん!」
 
「お前も俺と同じ苦悩を味わえー!」

「引きずり下ろせー!」

「不愉快だ!次!早く次連れてこい!」

「次!」

「よし!ハッハッハーッ!お前は…」



マオウは「慢性的不安症候群」に陥っていた。
他者との優劣でしか自分の価値を測れない。

自分よりも不幸な人間を見つけては、
相対的に自分の価値が上がったと勘違いしている。
実際には何にも変化してないのに。

また、自分よりも幸福な人間を見つけては
自分の価値が下がったと勘違いしている。
実際には何にも変化してないのに。

マオウはマオウでしかない。
実際にはマオウのカチは何にも変化してない。
しかし自分の価値基準が自分の外に
置かれてしまっているから、
それに気がつかない。

自分の外にある要因で、自分の価値が決めるなんて、
何てもろい自己基盤だろう。

自分の価値の減少を感じさせる何かが訪れる度に、
自分の存在の基盤が崩れる恐怖に

怯えるはめになっている。

マオウは世界は、
「富というパイの奪い合い」だと思っている。
椅子取りゲームだと思っている。
取らなきゃ取られる。
出し抜かなきゃ出し抜かれる。

「お、俺の取り分が減る!」

そんな殺伐とした世界に我々は住んでいるのか?

 

マオウは未だ知らない。
共創の世界を。
自分もこの森羅万象、自然世界の一部であることを。
実に完璧な宇宙にいるということを。
この宇宙の完璧性が見えていない。

「マオウよ。
あのお前たちがそう名づける「ナマケモノ」が
他の生物に引け目を感じて生きていると思うか?
他所に頼らねばならないほどに、
自分に価値がないと思っていると思うか?
アリにしてもそうだ。ただ在るだけだろう。
人間に生物の価値が決めれるのか?」

「今のお前はマオウという程でもない。
単なるコアクマだぞ。」

「キャッキャッキャー。おまえの絶望を俺に捧げろー。」


「マオウよ。お前はそのままで完璧なのだ。
その存在性がお前の宇宙の在り様なのだ。」

「お前はそんな、誰かにカチを認めてもらわなければ
精神的に立ってさえいられない、自信ない存在なのか?
この宇宙に存在しているのに?」

お前もこの完璧な宇宙の存在物としてあることを思い出せば、
その背中に隠れたエンジェルの羽で、
堂々と大空に羽ばたけることを知るだろう。」