Emilia Ambrosini, et al:Cycling Induced by Electrical Stimulation Improves Muscle Activation and Symmetry During Pedaling in Hemiparetic Patients
.IEEE TRANSACTIONS ON NEURAL SYSTEMS AND REHABILITATION ENGINEERING, VOL. 20, NO. 3, MAY 2012

目的:
機能的電気刺激を併用したペダリング(FESサイクリング)による4週間の治療は運動機能回復を促進することを実証した。
本研究の目的は取得された追加データを分析し、運動機能回復は筋力や運動の協調性の変化に関連していたかどうかを調査することである。

研究デザイン:
RCT、二重盲検

対象:
35人の亜急性期片麻痺患者(無作為にFESサイクリングとプラセボFESサイクリングに割り付けた)





介入:
各セッションは25分間実施した(内訳:それぞれ5分間のウォームアップ・クールダウン、15分間のFESサイクリングとプラセボFESサイクリング)。期間は4週間、週に5日を適用した。
各セッションの開始前に、表面電極は麻痺脚と非麻痺脚の大腿四頭筋、ハムストリングス、大殿筋と前脛骨筋に貼った。刺激強度は、筋収縮が目視できる程度とした(口頭で刺激を感じないことがあると伝えている)。

アウトカム:
Motricity index(MI)、歩行速度、大腿直筋と大腿二頭筋のEMG、および随意的なペダリング時の各脚によって生成された力学的な仕事とした。正常値との比較を提供するために、健康な成人もペダリング試験を行った。評価は訓練前後とフォローアップ来院時に実施した。

結果:
歩行速度の違いは有意差はなかった(ANCOVA)、一方FESで治療した患者で有意な治療効果は、MIスコアと力学的仕事の不均衡な点(Unbalance(%))であった。麻痺筋の賦活化における有意な改善は、プラセボ群ではみられず、FESグループで認められた(Friedman検定)。

我々の調査結果は、FESサイクリングのトレーニングによる運動機能の改善は両脚の対称性と運動協調性に関連していたことが示唆された。





生野 公貴・他:回復期脳卒中患者における歩行障害に対するペダリング運動と電気刺激の併用治療の効果 多施設間ランダム化比較対照試験の中間解析.第 49 回日本理学療法学術大会.2014

【はじめに,目的】 脳卒中後の歩行能力再獲得は,リハビリテーションの重要な目標である。近年,歩行能力獲得への介入として,ペダリング運動や電気刺激,それらの併用による効果が報告されている。先行研究ではペダリング運動に機能的代償として電気刺激を併用する報告が多いが,特殊な装置が必要なため臨床で簡便に用いることが困難であった。また適切な対照群を設定していないため,併用治療が各治療単独より効果的かどうかは不明であった。我々は,回復期脳卒中患者を対象として,ペダリング運動中に簡便に使用可能な感覚刺激強度の電気刺激を併用することが歩行能力改善に有効かどうかを多施設間ランダム化比較対照試験で検討することを目的とした。本報告はその中間解析として臨床効果と目標症例数の確認を行った。

【方法】
対象は 7 施設の回復期リハビリテーション病棟入院中の脳卒中患者である。参加基準は,発症後 6 か月以内である初回発症の脳梗塞および脳出血患者,監視レベル以上で 10m 以上の歩行が可能なものとした。研究デザインは多施設間単一盲検ランダム化 シャム統制試験とし,対象者をペダリング運動と電気刺激併用(P-ES)群,ペダリング運動と偽刺激併用(P-Sham)群,電気刺激単独(ES)群の 3 群に無作為に割り付けた。ランダム化には単純ランダム化を用い,割り当ては中央登録性とした。介入は, 標準的リハビリテーションに加えて 1 日 1 回 15 分の治療介入を週 5 回 3 週間実施した。ペダリング運動には,リカンベントエルゴメーターを用い,負荷は 25W とし,快適な回転速度にて 15 分間実施した。電気刺激には低周波治療器(Trio300,伊藤超 短波社製)を用いた。刺激部位は大腿四頭筋と前脛骨筋とし,対称性二相性パルス波にて周波数は 100Hz,パルス時間は 250μs とした。刺激強度は感覚閾値の 1.2 倍とし,ペダリング運動と同時に 15 分持続的に刺激した。P-Sham 群は「非常に弱い電気を 流します」と伝えて刺激強度を 0mA とした。ES 群は電気刺激のみとし,椅子座位にて 15 分実施した。主要評価項目は 10m 歩行速度とし, 副次的評価項目は 6 分間歩行テスト, modified Ashworth scale, Fugl-Meyer Assessment 下肢, 膝伸展筋力, Functional Independence Measure,Stroke Impact Scale とした。評価は介入前,3 週後,6 週後に測定した。統計解析は介入前の群間比較に一元配置分散分析またはカイ二乗検定を行った。3 週後および 6 週後の 3 群間の多重比較には,Bonferroni の補正 を行った t 検定を実施した(α=0.017)。3 週後の主要評価項目の結果から効果量およびパワーを算出し,必要症例数を求めた。

【結果】
研究期間中,P-ES 群に 10 名,P-Sham 群に 14 名,ES 群に 15 名の計 39 名が割り当てられた。ES 群の 1 名が脱落した。介入実施中の有害事象はなかった。介入前評価において,全評価項目で 3 群間に有意差はなかった。3 週後評価では,10m 歩行速度 において P-ES 群は P-Sham 群と比較して有意な改善を示し(P=0.016),ES 群とは有意差がなかった(P-ES 群:0.77±0.18 m/s,P-ES群:0.53±0.24m/s,P-ES 群:0.71±0.34m/s)。その他の評価項目に有意差はなかった。6 週後では,10m 歩行速度 において P-ES 群は P-Sham 群と比較して有意な改善を示し(P=0.001),ES 群とは有意差がなかった(P-ES 群:0.85±0.19 m/s,P-Sham 群:0.53±0.18m/s,ES 群:0.72±0.34m/s)。その他の評価項目に有意差はなかった。3 週後の 10m 歩行速度の結果から,効果量は 0.4,パワーは 0.56 であり,必要症例数は 66 名と計算された。

【考察】 本研究はペダリング運動と電気刺激を併用することでペダリング運動単独よりも歩行速度の改善が有意に大きいことを明らか にした。電気刺激単独との有意差はなかったが,併用治療がもっとも改善度が大きい傾向にあった。これは,電気刺激と随意運 動の併用が最も皮質脊髄路の興奮性を増大させる,あるいは相反神経抑制を増大させることに起因するかもしれない。本研究は先行研究よりも簡便に実施することが可能であり,脱落率も低いことから歩行速度改善に対して臨床有用性が高い治療であると考えられる。今後目標症例数に到達することで,より正確な結果を示すことが可能である。

以前投稿したペダリングの文献と近い内容ですが、今回はアウトカムに歩行速度を持ってきています。個人的には歩行速度に関与するどの因子が改善したのか、まで知りたいものです。
Bauer P, et al.Functional electrical stimulation-assisted active cycling--therapeutic effects in patients with hemiparesis from 7 days to 6 months after stroke: a randomized controlled pilot study. Arch Phys Med Rehabil. 2015

目的:
本研究の目的は、機能的電気刺激(FES)使用したペダリングがFESなしでのペダリングより歩行とバランスに関して効果的かどうかを検証することである。具体的には、歩行能力は歩くために必要な介助量として分類し、バランス能力は静的および動的なバランスタスクを評価した。

デザイン:
RCT、単盲

参加者:
脳卒中による重度片麻痺(N = 40)を有する患者とした。

介入:
FESの有無に関わらず、サイクリングは20分間(3回/週、4週間)実施し、麻痺側の内側広筋と大腿直筋および大腿二頭筋と半腱様筋に適用した。

主なアウトカム評価:
FACとPOMAを主要なアウトカム指標とした。 2番手のアウトカムとしてmotricity index(MI)およびmASとした。評価は介入前後と2週間後で実施した。

結果:
介入後では、両介入群にてFAC、POMA、およびMI(P <0.016)が有意に改善した。 コントロール群のFACは1カテゴリの中央値増加し、FES群のFACは2カテゴリー増加した。 POMAにおける中央値の変化は、コントロール群とFES群ともに2~4ポイントであった。マン・ホイットニーのU検定群間比較は、利得がFAC(U = 90; Z = -2.58; P = 0.013; R = - 42)とPOMA( U = 60; Z = -3.43; P <0.0004; R = - 56)の両方ともFES群で有意であった。不足しているデータがわずかにあるため、フォローアップ間に効果の大きさを減少し(FAC、R = - 33;POMA、R = - 41)、違いは統計的に有意なP値に達しませんでした。 MIは両群ともに有意な改善を示しましたが、任意の時点で群間に有意差はなかったです。mASでは明らかな変化がなかった。

対象者が重度片麻痺患者であること、アウトカムがPOMAやMIを用いていることから
天井効果があるかなと感じます。
軽度片麻痺患者では、異なるアウトカムで検証しないとわからないですね。