さいこみゅ劇場「いぬとねこ」#29 | サイノーコミュニケイション&THEファクトリー

サイノーコミュニケイション&THEファクトリー

サイノーコミュニケイションの最新情報をお届け!
キャスト、キャラクター紹介や動画リンク。
様々な企画の報告、キャストオーディション。
全てをテーマごとに表示!!

茜川莉奈
 ふふ~ん・・・そっかぁ・・・なるほど・・・
七條純夏
 ・・・・・・
茜川莉奈
 あれ?・・・今日って祝日だっけ?
七條純夏
 ああ、祝日だ

 

茜川莉奈
 あぁ!?しまった!!終電!!
七條純夏
 ・・・・・・
茜川莉奈
 あ、あれ?・・・電車止まってる?終電は?どうなってるの?
七條純夏
 今日、大型台風が来ている。まぁまぁな規模のやつだ。
 そのせいで各電車会社がダイヤが乱れていると言っていたが?
茜川莉奈
 え・・・そうなの?
七條純夏
 天気予報とかニュースとか、見ないのか?
 いや、見るタイプではないか
茜川莉奈
 えっへっへ・・・じゃなかった!!
 ってことはわたし・・・帰る方法がないってことじゃん!!
七條純夏
 ・・・そうなるな
茜川莉奈
 し、しまった・・・どうしよう・・・
七條純夏
 ふむ・・・では泊まっていくか?
茜川莉奈
 うぇ!?・・・こ、ここにですか?
七條純夏
 君の布団セットもあるし(犬と猫が支配しているが)、
 炬燵にみかんまであるわけだし、そこで寝てもいるだろう?
茜川莉奈
 あ、そっか・・・それもそうだね~・・・あははは~

 じゃあ、お言葉に甘えて~♪
七條純夏
 ・・・では、食事の問題が出てくるか
茜川莉奈
 す、すみません・・・
七條純夏
 明日の朝は問題ないだろう。
 この時間に腹が減るということもない・・・よな?
茜川莉奈
 うん。さっき食べたもん
七條純夏
 では、朝の用意だけしておこう

 

茜川莉奈
 うわぁ・・・すごい風・・・雨もすごくなってきた。
 そうか・・・これなら終電前に帰ってたら電車、

 途中で止まってたかもしれないわ。

 あっぶね~・・・ある意味よかった・・・うむ?よかった?
 ・・・七條くんの家でお泊り?・・・よよよ、よか、よかった!?
七條純夏
 なんだ?独り言がしたいなら

 もう少し小さくしゃべった方がいいぞ
茜川莉奈
 うにゃっ!?・・・は、はひっ!!
七條純夏
 朝の用意は済んだぞ。これで問題はなくなったな
茜川莉奈
 は、はいっ!!
七條純夏
 しかし、最近の天気予報は中々の的中率だな
茜川莉奈
 そ、そうだねっ!?
七條純夏
 ・・・・・・
茜川莉奈
 ・・・・・・

 

七條純夏
 『僕の友人の話なんだが・・・』
茜川莉奈
 なんでよっ!?

 なんでこのタイミングで怪談を始めちゃうの!?
七條純夏
 なんというか体が勝手に・・・
茜川莉奈
 ダメ!絶対ダメ!!

 わたし、怪談、ニガテ!!
七條純夏
 『それでな・・・』
茜川莉奈
 聞いて!!人の話!!

 わたし、嫌がってますよっ!!
七條純夏
 小学校の頃、

 人が嫌がることを率先してやれと習っただろう?

茜川莉奈
 意味が違うっ!!
七條純夏
 まぁ、いいじゃないか。

 こういう天気でしか話せないし、趣もある
茜川莉奈
 やーめーてー(;T∀T)
七條純夏
 君も知ってる通り、

 僕は謎があると解かないではいられない変態だ
茜川莉奈
 そ、そうですね・・・変態かどうかはわからないけど、

 おかしな人ではあるよね
七條純夏
 僕がこの話を聞いたとき、猛烈に解きたい衝動にかられた。
 しかし、だいぶ昔でその場に居合わせてないこともあり、

 現場検証も出来ない。
 それ故に、この謎を解くことはかなわない
茜川莉奈
 ・・・はい?

 なんだか怪談の初めの部分らしくないですね
七條純夏
 あらかじめ言っておかないと、僕がこの謎を解かずに

 放置していると思われたら気分が悪いからな

茜川莉奈
 なんだそのプライド・・・
七條純夏
 僕の友人の幼少期の頃の話だ
茜川莉奈
 ああ・・・怪談の冒頭に合流した・・・
七條純夏
 ある夏の日、彼は近所に住む

 ガキ大将的な友人の家に遊びに行った
茜川莉奈
 ・・・わたし、黙りますね(;´・ω・)
七條純夏
 登場人物が多いから僕の友人をA、

 ガキ大将の彼をBとしておこうか。
 Bはライオンがモチーフの集合住宅に住んでいた。
 しかし、AはBとそれほど仲良くなかったそうだ。
 理由はBがガキ大将故に、少々性格が荒くれていて、

 支配欲が強かった。「剛田」感があったんだ。
 遊ぶとその性格が災いして、不快で終わるそうだ。
 それでもAがBの元に遊びに行ったのは、

 Bの持っている飛行機のおもちゃが
 Aの好みを刺激する優れたデザインだったからだそうだ。
 いつか、その飛行機が自分のものになったのなら、

 とも考えることがあったらしい
茜川莉奈
 (; ・`д・´)
七條純夏
 そして、その夏の日もAはその飛行機目当てに

 Bの家に遊びに行ったんだ。
 Aはドアを開け、中に入った。

 ドアにはカギがかかってなかったそうだ。
 そして、リビングに向かう途中に何度か、

 Bの名前を呼んだんだが、誰も返事をしなかった
茜川莉奈
 (;´・ω・)
七條純夏
 リビングにつくと、異様な光景がAの目に飛び込んできた。
 包丁を持った男がリビングにいて、赤ん坊を抱えていたそうだ
茜川莉奈
 え?・・・ええぇ!?
七條純夏
 Bには妹が居たそうで、その赤ん坊は恐らくその妹だろう
茜川莉奈
 え?・・・だろう?
七條純夏
 そこいら辺は記憶が曖昧らしい
茜川莉奈
 あ、そうなんですね・・・
七條純夏
 Bはその場にいたのかいないのかがはっきりしないのだが、
 奥の部屋で倒れていた様な記憶らしい。
 Aによると、包丁を持った男の印象と衝撃が強く、

 部屋中を物色する暇もなかったそうだ
茜川莉奈
 ま、まぁ・・・子供心にそんなのに遭遇したら

 そうなりますよね・・・え?これって怪談?

 なんかよくわからなくなってきたよ?わたし
七條純夏
 プラスチック製の白い籠がリビングにあって、

 その中に子供用のおもちゃが乱雑に詰められていて、
 一瞥した際、Aが好きな飛行機が入ってるのを確認したらしい。

 その時にBが倒れているのを見たかもと言っていた。

 Bの母親を探そうとした時、包丁を持った男がAにこう言った。

 『黙ってここから出ていけ』と。
 Aはその言葉に従い、家から出ようとしたんだが、

 どうしても飛行機が気になり、
 その飛行機をもらってもいい?と男に言ったそうだ
茜川莉奈
 なんという神経。

 子供らしいけど、なんだか・・・
七條純夏
 物欲がすごいというのは同感だ。

 ある意味、肝も据わっている。
 結果として、その飛行機を持って外に出たらしい。
 家を出て、後を振り返ることなく全力で帰宅したそうだ
茜川莉奈
 は、はぁ・・・
七條純夏
 その後、Aに奇妙な現象が起こる。
 それほどの事件だ。実際、被害者がいたかどうかは不明だが、
 リビングにBが倒れていたとしたら、間違いなく他殺。
 赤ん坊だって、どうなったかは考えるまでも無かろう?

 何より母親はどうなったんだ?となるだろう
茜川莉奈
 う・・・まぁ、そうですよね・・・
七條純夏
 翌日。それ以降も警察が来るような騒ぎにならなかったそうだ

茜川莉奈
 え?・・・なんで?
七條純夏
 あまりに静かすぎる現状に、

 たまらなくなってAは母親に聞いたそうだ。
 『Bの家、どうなった?警察とか・・・事件とか?』
茜川莉奈
 うん
七條純夏
 だが、彼の母親はこう答えた。

 『そんな子、いた?』
茜川莉奈
 (´_ゝ`)
七條純夏
 だろう?僕も同じ顔をした
茜川莉奈
 え?どういうこと!?なんだそれ!?

 意味わからないっ!!
七條純夏
 その母親が知らないという可能性もある。
 念の為、他の友人たちにも聞いて回ったそうだ。
 しかし、全員回答は一緒で「そんな人知らない」だったそうだ
茜川莉奈
 えーっ・・・どうなってんのよぅ・・・
七條純夏
 僕が気に喰わないのは箇所個所の記憶がはっきりしている。
 それなのに何故、結末がこんな有り得ない形なんだ?

茜川莉奈
 ちっがーう!!!七條くん!!

 違うよ!!そういうことじゃない!!
 そんな友人居なかったなんて結末、怖すぎて嫌すぎる!!

七條純夏
 ・・・そうなのか?
茜川莉奈
 怪談でしょ?怪談だよね?

 本当にあったなんちゃらの話じゃないよね?
七條純夏
 本当にあった「結末に納得がいかない」話だ
茜川莉奈
 うおーい・・・七條くん、怪談とか怖い話とか信じてない?
 幽霊とか?そういった怪奇現象全般。
 そのお話は恐らく、多分ですが、怪談ですよぉ~
七條純夏
 そんなものこの世にあるわけないだろう?
茜川莉奈
 あ~・・・七條くんならそういう感じしますよね~
七條純夏
 だろう?
茜川莉奈
 では、七條くんはこの謎をどう考えてるんでしょうか?
七條純夏
 わからん
茜川莉奈
 え~・・・なにこの不安定な結末・・・
七條純夏
 同じ気分になってもらえて光栄だ
茜川莉奈
 ひどい~。

 なんか意味なく怖い、後味の悪い話だよぉ~

 

七條純夏
 ただ、Aの手には飛行機は確かにあった。
 引っ越しの際になくなったそうだが、『確かに持っていた』。

 それゆえにAには事実だという認識があるのだそうな。
 では、なぜ周囲の人はその家の人間を誰も知らないんだろうな
茜川莉奈
 うぐっ・・・やっぱ怖い話だよぅ・・・

 

#30に続く