LIVE「#東京花魁物語 浅草 2024.4.16」 | PSYCHO村上の全然新しくなゐ話

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発売より時間が経過したアルバム、シングル、DVD、楽曲等にスポットを当て、当時のアーティストを取り巻く環境や、時代背景、今だから見えてくる当時の様子などを交え、作品を再検証。

#東京花魁物語「Last Episode」 浅草VAMPKIN 2024.4.16

大都会 東京に咲いた4つの花は、散ることなく美しい花のまま伝説となった。#東京花魁物語のラスト・エピソード。ライヴのひとつひとつに命を懸け、最後までグループの物語を描き続けた4人が辿り着いた場所、そしてその先は・・・。

 

解散を発表した#東京花魁物語の最後のライヴが浅草VAMPKINで開催された。この日は、グループの歴史を統括した特別な1日となった。まず「前章」と銘打って行われたプレミアム・ライヴは、先に卒業した桜咲結美氏と霜月霞氏を含む6人編成でパフォーマンスが行われた。

 

昨年(2023年)末までは、この編成がレギュラーであったが、今となってはグループの歴史であり懐かしさを感じさせる顔ぶれに。そして、解散ライヴ本編は20時から。平日であるにも関わらずスタンディング・フロアは満員。後方は関係者エリアらしく、グループに縁の深いアイドルの方々が集結していた。

 

対バン形式のライヴとは異なり、この日は#東京花魁物語のロゴをはじめとする、ワンマンらしいステージの装飾が印象的。20時になるとBGMの音量が上げられ、場内は暗転。大きな歓声と拍手があった。

 

SEとして「花魁節」が大音量で流れ、椿莉飴氏、愛藍花恋氏、桃乃わかば氏、夜宵月華咲氏が登場。本公演における「花魁節」はロング・ヴァージョンで、各メンバーを紹介するキャッチ・フレーズの語りが導入されていた。これもワンマンだからこそ見られる演目だ。

 

登場SEだけで、既に観客は狂喜乱舞の盛り上がり。メンバーが定位置に就き、オープニング・ナンバーとして据えられたのは「エビバデ」。リズム・インすると観客が一斉にジャンプする。後方から見るとフロアに大きな波ができているのが判る。

 

熱い盛り上がりでありつつ、これらの楽曲を生で見聴きするのは最後かも知れないという気持ちが、1曲1曲への想いを強くさせる。「ええじゃないか」になると、フロアでは2ステを披露する観客の姿も多くあった。

 

ステージではメンバーがパフォーマンスを披露し、フロアではファンがパフォーマンスを披露する。ある意味、見所2倍の演目であった。満員でありながら曲が始まると観客が前に押し寄せて後方に隙間が出来る光景は、このライヴの凄まじい盛り上がりを如実に物語っている。

 

「一緒に巻き起こして行きましょう!」という煽りと共とに「KAMIKAZE」を開始。桃乃氏の艶やかなヴォーカルが映える1曲だ。空まで、いや宇宙までも突き抜ける桃乃氏の歌声は、無限に広がるスケール感がある。

 

「KAMIKAZE」に続き、メンバーが次の楽曲の定位置に就くと、どよめきにも似た歓声が沸い起こる。愛藍氏が「東京は大手町からやって来ました。#東京花魁物語です」と馴染み深い語りを行う。「東京」である。観客のどよめきは、ハイライトに来ると予想していた本曲が早くもここで来たという どよめきだろう。

 

リズム・インするとステージとフロアが明るく照らされ、拳を突き上げるファンの姿が多く見られた。どの位置に来ても「東京」は爆発的な盛り上がりを見せる1曲である。サビではメンバーと共に観客も肩を組んで横に揺れ、一体感を作り出す時間となった。

 

そのムードから一転し、「#NUM!」は幻想的な空間を作り出す1曲。グリーンのレーザー・ライトが放射されて場内を美しく彩る。桜散り、そして土となる、土から新しい芽が出る・・・輪廻転生とでも言うべきか。スピリチュアルな歌詞でありながら、最後のライヴで歌われる本曲は、歌詞の一語一語に特別な意味を感じさせる。

 

そこからアップテンポ且つダンサンブルな「夜乃炎」が続く。メンバーがステージを左右に移動し、観客も同じように動く光景は、まるでメンバーが放つ強力な磁力に人々が吸い寄せられているかのようだ。

 

「FUJIYAMA」を経て、ラストは「さくら」。ここまで爆発力のあるパフォーマンスを披露して来たが、本曲のように聴かせる楽曲は聴き手を感慨に浸らせる。花が咲いたら思い出して、最後の時まであと少し。「さくら」は本公演のために書かれた楽曲ではなかろうか。そう思うほど、この時間に溶け合う歌詞である。

 

涙涙で演目を終え、メンバーがステージを去る。ファンが先導し「東京」の冒頭パートを歌い、フロアでは大合唱が沸き起こった。数分が経過したところで、ファンの熱意に応えるかのように「東京」のアカペラ・パートが流れ、Tシャツに着替えたメンバーが再登場。「東京」が歌われた。

 

「本当にラストの曲です!」の曲リフで「FUJIYAMA」を披露。しかしながら、フロアからアンコールが沸き起こり、メンバーが「時間は大丈夫ですか?」とPA卓にいる偉い方々に確認。運営の方の選曲によって「さくら」が再度スタート。

 

これはメンバーにとってイントロ・ドン状態であり、流れからするに予定外の歌唱と見受けられる。曲が始まると、メンバーが「泣いちゃうよ~」と言いながら歌パートに入っている。本編最後にも歌われた「さくら」であるが、本当にラストの曲として歌詞の一語一語がファンの心に刺さる。

 

「ずっと、この景色を見ていたい」・・・誰に取っても名残惜しい時間の中、メンバーはステージを去り、#東京花魁物語のエピソードは完結した。この浅草VAMPKINでのライヴは、メンバーが進むべき4通りの道に、それぞれが歩き始めたステージとなった。

 

セット・リスト

 

SE(花魁節)

①エビバデ

②ええじゃないか

③KAMIKAZE

④東京

⑤#NUM!

⑥夜乃炎

⑦FUJIYAMA

⑧さくら

 

アンコール

・東京

・FUJIYAMA

・さくら(予定外)