桜色Standard 上野飛行船シアター 2024.4.13
この春、桜色Standardに新たな「花」が咲いた。
先日、渋谷近未来会館で行われた天羽えりん氏の生誕祭の終盤で、桜色Standardは新メンバーの加入を発表。しかも、6日後のライヴで早くもお披露目という。つまり、水面下では新メンバーの加入が決まり、6人体制でのリハーサルが進行していたことになる。これを電撃発表と言わずして何と言おう。
その数日後、公式SNSで新メンバー 美波ななみ氏のアーティスト写真、及びプロフィールが公開された。情報によると昨年(2023年)の11月より加入に向けて準備を進めていたという。
今回の飛行船シアターは元々日程が発表されていた公演ではあるものの、新メンバーを迎えた6人編成でのパフォーマンスが披露される最初のライヴとなった。上野駅から徒歩10分程度の場所にある飛行船シアターは、桜色Standardが初めて出演する会場。
ライヴハウスではなくホールなので座席がある。客席の見た目や雰囲気が、奇しくもデビュー・ライヴが行われたヒューリックホール東京と重なる。この6人で新たなスタート・ラインに立った色合いを強くさせる。
イヴェントは進行し、桜色Standardの出演は15時55分から。SEが流れ、夏川くるみ氏、天羽氏、桜井瑠美花氏、星蘭実来氏、美波氏、そして七瀬あむ氏と順にメンバーが登場。ステージ中央で円陣を組み、手を頭上に掲げる動きは「新章」の幕開けを告げるようだ。
SEが終わり、ステージが暗くなった後、1曲目のフォーメーション移動にバタついているように見えたが、「希望の空」が始まり照明が点くと堂々としたパフォーマンスが繰り広げられた。
七瀬氏が「飛行船シアター!盛り上がって行きましょう!」と叫ぶ。先ごろ加入1周年を迎えた七瀬氏は、今や音楽、パフォーマンス、ライヴの進行すべてにおいて重要な役割を担っている。
注目の美波氏は、完全にグループのパフォーマンスに溶け込み、今が初ステージであると感じさせない調和がそこにあった。初々しさ以上に、昔からメンバーだったのではないかと思わせる整合性が印象的。
「希望の空」が終わり、次の楽曲へのフォーメーション・チェンジでは再びバタついているように見えた。見える所では堂々としたパフォーマンス、転換は慌ただしい動きとなるのが何とも興味深い。これも初回公演ならではと言えそうだ。
2曲目は「恋花火」。躍動感のあるリズムに乗って、和風の美しいメロディが舞う。本曲は扇子を使ったダンス・パフォーマンスが特徴であり、この日もそれが行われている。まだソロ・パートは多くないものの、星蘭氏の声はキラリと光るものがある。桜井氏のダンスも和の美しさを具現化しているようだ。
15分の持ち時間なので、次がラスト「トドケ!!!!!」でライヴは締め括られた。この辺りの楽曲は、夏川氏と七瀬氏のヴォーカル・パートが多く、これがグループの今を象徴している。全曲を歌い終え、メンバーが自己紹介と挨拶を。
本公演が初ステージと紹介された美波氏は「緊張しました」と感想を述べた。本公演は各グループがサイン・ボールを客席に投げ込んでおり、桜色Standardでは夏川氏が担当。ボールを投げた後、ライヴ予定の告知を行い、メンバーはステージを去っている。
先週までのライヴは「フローラルマジック」「片想い」「ひらりひらひら」といった定番曲を軸としたメニューだったのに対し、本公演ではそれらを敢えて外し「希望の空」「恋花火」「トドケ!!!!!」と最近の楽曲をフィーチュアしている点を見逃せない。
桜色Standardの「今」と、この6人で作り上げる「これから」を明確に表現しているかのようだ。先日、夏川氏にお話を伺うと「桜色Standardは6人でデビューしているので、楽曲のダンスは6人で踊ると美しく見えるように作られている」と仰っていた。
往年の名曲・定番曲が、この編成によってどのように生まれ変わるのか。今後どのような楽曲が発表されるのか。そしてグループの次なる展開は。あらゆる可能性を内包する、重要な節目のライヴであった。新メンバー 美波ななみ氏への期待が高まる。
セット・リスト
SE
①希望の空
②恋花火
③トドケ!!!!!