LIVE「REVOLDIA 吉祥寺 2019.01.20」 | PSYCHO村上の全然新しくなゐ話

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発売より時間が経過したアルバム、シングル、DVD、楽曲等にスポットを当て、当時のアーティストを取り巻く環境や、時代背景、今だから見えてくる当時の様子などを交え、作品を再検証。

REVOLDIA 吉祥寺PLANET K  2019.01.20

魔界からやってきた魔族のバンド、REVOLDIA4回目となる宴を開催した。昨年(2018年)の10月に初めて人類の前に姿を現したREVOLDIAは、初登場となった渋谷を皮切りに、新宿、横浜と月一回のペースで宴を行い、今回の吉祥寺プラネットKの公演へと辿り着いている。吉祥寺駅の北口から徒歩5分ぐらいのところにあるプラネットKは、この日「ANYTHING ALL RIGHT FESTIVAL Vol.11」と銘打ったイヴェントを行っており、REVOLDIAはその中で今回の宴を行った。

 

14時から開始されたイヴェントは、そのタイトル通りジャンルに限定されない様々なスタイルのバンドが入れ代わり立ち代わりステージを行っており、歌謡系の音楽からロックン・ロールまで幅広かった。REVOLDIA1710分からの出演予定であったが、長丁場のステージという事もあってか進行が若干押しており、準備が整ったのは1720分頃だったのではないかと思う。REVOLDIAの準備が整い、ステージが始まる直前になると司会の女性の方がREVOLDIAの紹介を行った。勇者の出現によって魔界を追われる事になったREVOLDIAのメンバーの経緯が紹介されるが、壮絶な話の内容とは反対に場の空気は明るいという何ともアンバランスなノリに。

 

それを経て場内が暗転すると、映画のサウンド・トラックを思わせる壮大なSEが流れる。勿論、REVOLDIAのこれまでの歩みを紹介するナレーション入りのSEである。それが場内に流れている間に舞台向かって右側にレヴ氏(g)、左側にサーラ氏(Key)、その後方にベルダー氏(b)がスタンバイ。ドラムセットには、REVOLDIAのステージではお馴染みとなっているAKANE氏(ds)がスタンバイ。AKANE氏は単なるサポート・ドラマーでは無く、魔族に協力する人間という重要な人物だ。

 

SEが終わったところでAKANE氏がドラム・フィルを叩き、サーラ氏がクラシカルなメロディを鍵盤で奏で始める。それと当時に舞台も明るく照らされた。オープニング・ナンバーはREVOLDIAのオリジナル曲「RAGE~地球(こきょう)からの警鐘~」で、クラシカルなイントロからすぐさま戦闘的なビートへと発展。レヴ氏とベルダー氏が低音弦で規則正しくリフを刻み、AKANE氏が重低音を響かせる。クロア氏(Vo)も登場し歌パートに入った。REVOLDIAはこれまで3曲のオリジナル曲をステージで披露しているが、本曲はその中でもプログレ的な風味もあり、1曲を通してリズムも変化して起伏に富んだ展開が設けられている楽曲である。

 

演奏が終わると風が吹きすさぶようなSEが流れ、クロア氏が月を題材にした語りを行う。そして、レヴ氏がソリッドなリフを弾き「SCARLET MOON」がスタート。AKANE氏が叩き出すファストなビートを柱として演奏が始まると、場内にも拳を突き上げる観客の姿も見られた。とにかく本曲におけるAKANE氏の素早いバスドラさばきは素晴らしい。シャープ且つソリッドなギター・リフが前に出るが、そのバックでサーラ氏が弾くシンセの音色も楽曲をよりシンフォニックな印象を与えるために重要な役割を果たしていると言えそうだ。

 

中盤ではベルダー氏のベースをフィーチュアしたパートも設けられており、スラップを駆使した派手なプレイを決め、そこからレヴ氏のギター・ソロに突入。テクニカルなフレーズから抒情的なフレーズまで、起承転結のドラマがあるかのようなソロを披露した。そして本曲が持つ歌詞の世界観と、ステージ上に構築される妖術的な色合いを司っているのはクロア氏だ。紅い月の光、それによって掻き立てられる闇に生きる者の本能・・・聴き手に様々なイマジネーションを与える本曲は歌い手、表現者としてのクロア氏の存在感あってこそと言えまいか。

 

SCARLET MOON」終了後、再びクロア氏の語りとなり「RELEASE YOUR SOUL!」へ。今回の公演はREVOLDIAのオリジナル曲の3曲を冒頭から連続で演奏し、以降はカヴァー曲を演奏するというメニューだった。とは言え、ただ棲み分けをはっきりさせるために双方の楽曲を分けたのでは無く、クロア氏の曲前の語りの内容を聴くとオリジナル曲のブロックはストーリーが連動しているとも解釈でき、物語を完結させるために今回のようなメニューになったのではないかとも思えてくる。オープニングから3曲披露したところで、最初の挨拶&トークに。

 

クロア氏が「吉祥寺!寒さに負けず盛り上がっているか!」と観客に挨拶。ここで魔族の紹介が行われ、クロア氏がサーラ氏、ベルダー氏、レヴ氏、AKANE氏の順で紹介。中でも名前を呼ばれたレヴ氏が速弾きフレーズを披露すると客席からは「スゲ~!!」と声が上がっていた。最後にレヴ氏がクロア氏を紹介し「ここからはカヴァー曲で攻めて行くぜ!」の言葉をきっかけに「ブラック・シープ」を開始。ソナタ・アークティカのアルバム「サイレンス」(2001年)収録の本曲は、これまでのREVOLDIAの宴でも演奏されているので馴染み深い。

 

カヴァー曲で新たに加わったのがイングヴェイ・マルムスティーンのアルバム「エクリプス」(1990年)からの「ディーモン・ドライヴァー」だった。これは10月、11月のステージでは演奏されておらず、終演後メンバーの方に訊くと12月のステージより追加されたようだ。スタジオ・ヴァージョンよりもテンポが少々上げられ、ライヴらしいエネルギッシュなヴァージョンとなった。2曲演奏したところでトーク。ライヴ告知を行うコーナーであるが、REVOLDIAとしての次の予定が今のところ決定していない事もあり、メンバーにそっくりの人間が近々行う予定のライヴが告知された。

 

ここからは、以前の宴でも披露されているストラトヴァリウスの「パラダイス」を演奏。アルバム「ヴィジョンズ」(1997年)に収録された楽曲だ。最後に「この世を征服した悪魔たちに敬意を込めて」とクロア氏が述べ、聖飢魔Ⅱの「FIRE AFTER FIRE」を演奏し、この日のステージは終了した。昨年10月から月一のペースでステージを行ってきたREVOLDIAは、今回の吉祥寺での宴の後、暫し、エネルギーを蓄える期間に入るとの事だ。蓄えられたエネルギー、即ち魔力は音楽とステージに昇華され、我々を新たな魅力の世界へ誘ってくれる事は間違いない。魔族が戻って来るその日まで待ちたいところだ。

 

吉祥寺プラネットK 2019.01.20 メニュー

 

RAGE~地球(こきょう)からの警鐘~

SCARLET MOON

RELEASE YOUR SOUL!

BLACK SHEEP

DEMON DRIVER

PARADISE

FIRE AFTER FIRE