LIVE「ハロウィン 東京 2018.03.27」 | PSYCHO村上の全然新しくなゐ話

PSYCHO村上の全然新しくなゐ話

発売より時間が経過したアルバム、シングル、DVD、楽曲等にスポットを当て、当時のアーティストを取り巻く環境や、時代背景、今だから見えてくる当時の様子などを交え、作品を再検証。

ハロウィン 「ワールド・ツアー2017-2018 パンプキンズ・ユナイテッド」  ZEPP Diver City TOKYO 2018.03.27

 316日より始まった「パンプキンズ・ユナイテッド」の来日ツアーは、全国各地でライヴが行われ、遂にこの27日のZEPP Diver City TOKYOで最終日となった。ツアーの日程が発表された当初の東京公演は、23日と24日のZEPP TOKYOのみだったが、追加公演として16日のEXシアター六本木での公演が決まり、そのチケットも瞬時に売り切れたために、今回行われたZEPP Diver City TOKYOでの公演が決定した経緯を持っている。結果的にこれが日本ツアーの最終日となった。

 

先頃、ライヴが行われたZEPP TOKYOの向かい側に位置するZEPP Diver City TOKYO。最寄り駅は同じ東京テレポートだが、歩くとDiver Cityの方が距離があり時間を要す。この日のライヴは、東京公演4回の中で最後に決まった公演で、平日の火曜日という事もあり、唯一チケットは売り切れになっていなかった。しかし、スタンディング・フロアに入ると8割は満員状態で、後方のブロックも売り切れの公演に比べると、人と人の間にややスペースがあるといった程度。当日券で入場した方も多く居られたようで、もう満員と言っても過言では無い来場者の人数だ。

 

この日の開場は18時、開演19時という平日の時間設定。19時を少々過ぎた頃に場内BGMの音量が上げられ、195分頃よりライヴがスタートした。最終日のメニューは次の通り。

 

ハロウィーン

Dr. Stein

イフ・アイ・クッド・フライ

アー・ユー・メタル?

キッズ・オブ・ザ・センチュリー

⑥パーフェクト・ジェントルマン

ホェア・ザ・シナーズ・ゴー

メドレー(スターライトライド・ザ・スカイ

ジューダスヘヴィ・メタル(イズ・ザ・ロウ))

テイル・ザット・ウォズント・ライト

アイム・アライヴ

パンプキンズ・ユナイテッド

-ドラム・ソロ-

リヴィン・エイント・ノー・クライム

 ア・リトル・タイム

ソウル・サヴァイヴァー

パワー

ハウ・メニー・ティアーズ

 

アンコール1

インヴィテーション

イーグル・フライ・フリー

守護神伝

 

アンコール2

フューチャー・ワールド

アイ・ウォント・アウト

 

毎回、少しずつ変化を持たせたセット・リストが組まれていたが、27日はこれまで3曲目に演奏されていた「マーチ・オブ・タイム」がメニューから外されており、以降の「イフ・アイ・クッド・フライ」からの楽曲が前倒しで演奏されている。その分、追加された楽曲が7曲目「ホェア・ザ・シナーズ・ゴー」である。この曲は本ツアーの海外公演において不定期にセット・リスト入りしており、今回の来日公演では最終日にしてその曲が組み込まれる事となった。勿論、これが聴けたのは27日のライヴのみ。

 

「パーフェクト・ジェントルマン」が終わると、ダニ・ルブレ(ds)が低音を駆使した重量感のあるリズムを叩き始め、アンディ・デリス(Vo)が「非常にダークな曲だ」と紹介し、「ホェア・ザ・シナーズ・ゴー」に突入。この際、マイケル・キスク(Vo)は舞台裏へ掃けており歌はアンディのみが担当していたが、ギターはマイケル・ヴァイカート(g)、サシャ・ゲルストナー(g)、カイ・ハンセン(g,Vo)のトリプル・ギター編成による演奏。御自身が参加してないアルバムからの曲という事もあってか、カイはバッキングに専念し、間奏でのギター・ソロはサシャが花道まで歩み出て来てスポットを浴びている。

 

舞台後方のスクリーンで放映されるイメージ映像は、アルバム「7シナーズ」(2010年)の歌詞カードの中に描かれた世界観が、そのまま映像として投影されたかのようなシリアスな内容だった。合間に血と思われる赤い液体が無数に流れ、画面が真っ赤に染まる演出もあった。さて、24日から加わった「キッズ・オブ・ザ・センチュリー」は、この日も引き続きセット・リスト入り。また、これまでレギュラーでメニューに入っていた「ホワイ?」が外され、その位置が「ソウル・サヴァイヴァー」に変更されている。この曲は初日の六本木以来の登場だ。

 

アンコールで、キスクが「守護神伝」のタイトル・コールをするも、サシャがブルーズ調のリフを弾き始め、キスクが即興で歌を被せる。ここまでは24日のZEPP TOKYOでも見られた光景だったが、この日はカイまでもセッションに加わり、部分的にヴォーカルも聴かせていた。最後にキスクとサシャがハグをして場内からは歓声が上がっている。ラストの「アイ・ウォント・アウト」が終わってメンバーが舞台を去っても、この日は客席から手拍子がずっと続いており、名残惜しさを感じさせた。

 

キスクは長きに渡りヘヴィ・メタルから距離を置いた音楽活動をしていた時期もあり、ハロウィンのメンバーとの人間関係の課題も含め、例えば2005年ぐらいなら、このようなツアーが実現しているとは誰も想像できなかったはず。様々な問題を乗り越えて実現した「パンプキンズ・ユナイテッド」ツアーは、ファンが思い描いていた夢が現実となった奇跡的なツアーだった。ハロウィンもキスクもカイも、それぞれが第一線で音楽活動を継続し、また数年に一度ぐらいは、こういったツアーを行って欲しい。それを誰もが望んでいるはずだ。