LIVE「ハロウィン 東京 2018.03.24」 | PSYCHO村上の全然新しくなゐ話

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発売より時間が経過したアルバム、シングル、DVD、楽曲等にスポットを当て、当時のアーティストを取り巻く環境や、時代背景、今だから見えてくる当時の様子などを交え、作品を再検証。

ハロウィン 「ワールド・ツアー2017-2018 パンプキンズ・ユナイテッド」  ZEPP TOKYO 2018.03.24

ハロウィンのZEPP TOKYO公演2日目は土曜日の開催という事もあり、お台場の会場周辺は開場数時間前から多くのファンで賑わっていた。今回もチケットは既に完売の公演。グッズの先行販売には長蛇の列ができ、スタッフも人の誘導や列の整理に忙しそうだった。平日の開催分は18時開場、19時開演の公演が多いが、この日はそれより1時間早い17時開場、18時開演の設定に。前日23日のライヴは場内の気温湿度共に上昇し、蒸し風呂状態となっていたが、この日は1740分、即ち開演20分前辺りから既に上着は着ていられないほどに暑くなっていた。

 

ステージ・セットなどは前日23日の公演と同様で、開演前はバンド名とツアー・タイトルが書かれた幕で舞台は覆われている。18時前になるとBGMの音量が上がり、18時過ぎには暗転。「ハロウィーン」にてライヴはスタートしている。この日の公演では23日に演奏されていない楽曲がセット・リストに1曲あった事が特筆点だ。24日のメニューは次のようになっている。

 

ハロウィーン

Dr. Stein

マーチ・オブ・タイム

イフ・アイ・クッド・フライ

アー・ユー・メタル?

キッズ・オブ・ザ・センチュリー

パーフェクト・ジェントルマン

メドレー(スターライトライド・ザ・スカイ

ジューダスヘヴィ・メタル(イズ・ザ・ロウ))

テイル・ザット・ウォズント・ライト

アイム・アライヴ

パンプキンズ・ユナイテッド

-ドラム・ソロ-

リヴィン・エイント・ノー・クライム

 ア・リトル・タイム

ホワイ?

パワー

ハウ・メニー・ティアーズ

 

アンコール1

インヴィテーション

イーグル・フライ・フリー

守護神伝

 

アンコール2

フューチャー・ワールド

アイ・ウォント・アウト

 

初日の六本木公演から毎回演奏されていた「ライズ・アンド・フォール」がセットから外され、その位置で「キッズ・オブ・ザ・センチュリー」が演奏されている。昨年(2017年)の海外公演では既に披露されていたこの曲だが、日本では演奏されておらず、24日のZEPP TOKYOでのライヴが今期の日本国内で初演奏となった。しかも、これが日本で演奏されるのは25年ぶりぐらいではなかろうか。賛否両論のアルバム「ピンク・バブルズ・ゴー・エイプ」(1992年)に収録された本曲ではあるが、今回の奇跡的なツアーを前にそのようなネガティヴな面はひれ伏し、演奏陣がイントロのリフを弾き始めると大歓声が上がった。

 

今ツアーは舞台後方のスクリーンに各楽曲の内容に合わせたイメージ映像が放映されており、「キッズ・オブ・ザ・センチュリー」でもその楽曲専用の映像が制作されている。スクリーンにはアルバムのデザインと同じく、魚にくちづけする女性の姿や、顔に目玉焼きが貼り付いたスーツ姿の男がイメージ映像として流れていた。合間にゴリラのような動物も登場しているが、「ピンク・バブルズ・ゴー・エイプ」からの曲という事で、ゴリラでは無く類人猿であると解釈できる。

 

中盤のギター・ソロは、かつてローランド・グラポウが弾いていたパートをサシャ・ゲルストナー(g)が独自のフレーズを用いて弾き、マイケル・ヴァイカート(g)のパートは御本人がそのまま担当。カイ・ハンセン(g.Vo)は御自身が参加していないアルバムの曲という事もあってか、余り前には出ずバッキングに専念している。「キッズ・オブ・ザ・センチュリー」はマイケル・キスク(Vo)が全てのパートの歌を担当しているので、喉の休息をとるためか、この日の「パーフェクト・ジェントルマン」内コール&レスポンスのコーナーに、キスクは合流していなかった事も付け加えておきたい。

 

また全体的な流れとして、この日のライヴはハロウィンらしいユーモアが随所に登場したステージだった。例えばアンコールで「守護神伝」を開始する前に、サシャがブルージーなリフを弾き始め、それに乗ってキスクが歌う即興セッションのような場面があった。また「守護神伝」でのツイン・ギターのパートでは、ソロ開始直前にカイとヴァイキーが花道前方まで子どもが競い合うように走る動きを見せ、観客の笑いを誘っていた。

 

極めつけは2度目のアンコールでの「フューチャー・ワールド」。オフィスなどに置いているローラー付きの椅子に乗ってサシャが舞台に登場し、イントロの間に舞台上を滑ったり、椅子を回転させる動きを見せていた。こういった場面は見る方によって様々な意見があるはずだが、これも昔からバンドが持っている要素のひとつである事は間違いない。見方によっては同じ会場での2回目のショウという事もあり、メンバーも緊張感が取れていたとも受け取れる。24日のライヴも場内の気温は上昇し、蒸し風呂状態。そんな中、観客はラストの「フューチャー・ワールド」「アイ・ウォント・アウト」を大合唱し、大盛況のうちにライヴは幕を閉じた。