ハロウィン 「ワールド・ツアー2017-2018 パンプキンズ・ユナイテッド」 六本木EXシアター 2018.03.16
・・・続き。
この曲を演奏して盛り上がらないはずがないと言える「マーチ・オブ・タイム」は大歓声を持って終了。アンディが登場してキスクを紹介し、今度はキスクが退席。ヴォーカリストはアンディのみが舞台に残った。アンディが「今のは「守護神伝」からの曲。今度は2000年「ダーク・ライド」からの曲だ」といった感じに話し始める。ピアノから始まる曲と言って「イフ・アイ・クッド・フライ」を紹介し、ピアノのメロディが場内に響いた。
スクリーンには本曲のビデオ・クリップと同じく凛々しい鷲の姿が映し出され、観客はリズムに合わせて手拍子を打つ。今ツアーの特徴と言えるのは、キスクやカイは、自分が在籍していた時代の曲のみを演奏するのでは無く、アンディ期以降に発表された楽曲でも演奏に参加している事。本曲もアンディの楽曲だが、ギターはカイを含むトリプル・ギター編成での演奏だった。ソロは近年のライヴ通りサシャが担当。唸るようなヴィヴラートを鳴らしつつ、抒情的なメロディを弾いていた。
エンディングからそのままバンドの音は続き、アンディが「Are You Metal?」と観客に問う。そして「アー・ユー・メタル?」冒頭のシンセ・フレーズが流れ演奏に突入。スクリーンには、アルバム「7シナーズ」(2010年)のジャケットをモチーフにしたアニメーションが流れていた。この時代の楽曲を演奏する際は、基本的にカイはバッキングに徹し、サシャのギターが全面に出された演奏になる。つまり、それぞれに見せ場が設けられていると解釈できる。
カボチャのアニメーションVTRを経て、ダニが高速でビートを叩き出す。曲は「守護神伝-第二章-」(1988年)からの「ライズ・アンド・フォール」だった。これがハロウィンのライヴで演奏されるのは25年ぶりぐらいではなかろうか。アンディとキスクが入れ替わり、本曲はオリジナル・ヴァージョン通りにキスクのヴォーカルで進行。サビ前のオペラティックな歌メロは、舞台側にセットされている2本のマイクスタンドに並んで、カイとヴァイキーがコーラスの声を発していた。間奏はカイとヴァイキーがツイン・リードを弾き、サシャはバッキングに徹す。キスクが最後のフレーズを歌い、カイがコミカルな感じにギターの指板に指をスライドさせギュイ~ンと音を発し曲は終了。
VTRを経て、場内には抒情的なピアノのフレーズが響き渡った。アルバム「ストレイト・アウト・オブ・ヘル」(2013年)収録「ウェイティング・フォー・ザ・サンダー」である。スクリーンのバンド・ロゴが同アルバムの時代のデザインへと切り替わり、ジャケットに描かれた世界観を表現したイメージ映像が放映される。本曲では、アンディのヴォーカルがフィーチュアされ、キスクは一旦舞台を去った。やはり「守護神伝」時代の楽曲に思い入れが強いファンも多いと思うが、観客はどの時代の楽曲にも熱い反応を示し、本曲でもサビで大合唱が沸き起こっている。
しかしながら、ここ数年のうちに発表された楽曲を演奏する際、カイもコーラスで参加しているため、カイの声で「ウェイティング・フォー・ザ・サンダー」の歌メロが聴こえてくるのは何とも面白い。ある意味、絶対に一致する事は無かった時代の組み合わせが、ここに実現している事を実感するひと幕だ。ダニのカウントからリフが弾かれ、それがやがて「パーフェクト・ジェントルマン」のリフへと発展。観客は引き続き熱い反応を見せ、サビでは大合唱が沸き起こる。
中盤ではアンディと観客とのコール&レスポンスが挟まれ、「Yes I am」と問うと観客が「Perfect!」と叫ぶ。そしてメンバーをひとりずつ指差しながら「He is」と言うと観客は「Perfect!」と返す。この間に舞台上にキスクが登場し歓声が上がる。アンディ期に発表された中でも、最もアンディらしい楽曲にキスクが参加しているのは、本ツアーだからこそ実現した光景だ。コール&レスポンスを経て、最後のサビの繰り返しに突入。曲はエンディングを迎えた。
今度は、アンディとキスクが舞台を去り、カイが舞台中央にセットされたマイクスタンドの前に立つと歓声が上がる。「ロンドン橋おちた」メロディに乗ってHappy! Happy! Helloweenコールが沸き起こった後、ダニのドラムを合図にバンドがイントロダクションを鳴らすと舞台が明るく照らされた。カイがシャウトを響かせ、1986年頃のライヴのオープニングを思わせるリフを弾き始める。「スターライト」だ。
カイがヴォーカル&ギターを担当するこのブロックはメドレー形式になっており、「スターライト」のツイン・ギターのパートが終わると「ライド・ザ・スカイ」「ジューダス」「ヘヴィ・メタル(イズ・ザ・ロウ)」が続いた。「ライド・ザ・スカイ」「ジューダス」辺りの楽曲は、「守護神伝-第一章-」に従う1987年のツアーでキスクのヴォーカルで披露されており、今回もそういったヴァージョンもありだったかも知れないが、ここはオリジナルに忠実にカイのヴォーカルで披露される事になったようだ。
カイがヴォーカルを担当していた時代の楽曲メドレーは、エネルギー全開で駆け抜けるように終了。アンディがカイを紹介し、キスクと共に登場。花道前方で並んだ両名が暫しトーク。アンディは「リラックス・タイムだ。1996年の「タイム・オブ・ジ・オウス」から」と紹介し、「フォーエヴァー・アンド・ワン(ネヴァー・ランド)」が開始された。本曲はアコースティック・ヴァージョンと書くと語弊があるが、サシャがクリーン・トーンで弾くエレクトリック・ギターの伴奏のみで、アンディとキスクが歌う。1番を主にアンディ、2番をキスクが担当。最後のサビではバンドも加わって、スタジオ・ヴァージョンと同様にエンディンを迎えている。
両名のハーモニーで曲が締め括られると、暖かな拍手が鳴り響いた。今度はキスクが「Tokyo!」と観客を煽る。そして「自分がまだ髪が長かった頃に歌っていた曲」といった感じに曲紹介に入ると、場内からは笑いの声もあった。次に演奏されたのは「テイル・ザット・ウォズント・ライト」で、ヴァイキーが泣きのフレーズを弾き始める。本曲の1番はキスクがメインで歌い、2番をアンディという割り振りで歌われている。両名の声が聴こえてくる本曲は、まるで「守護神伝-第一章-」の1987年ツアーと「守護神伝-新章-」の2006年ツアーが同時にやってきたかのような仕様だ。
続く・・・。
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