サイケデリック漂流記 -37ページ目

2月~4月発売予定のCD

Hell's Angels 69
O.S.T.
Hell's Angels 69

Reel Timeから、恒例となった60sバイカー映画のサントラ再発です(2月29日発売予定)。前回の"Hells Angels on Wheels"同様、ヘルズ・エンジェルス・オークランド支部がモデルで、リーダーのSonny Bargerらが出演しているのですが、こちらでは実際のメンバーたちが俳優としてセリフもしゃべっているという異色作(邦題「大暴走・地獄のライダー 」)。

音楽を担当しているのはTony Brunoという人で、バイカー映画のサントラにしてはかなりソフトな印象。ジャズ~ソフトロックな感じのグルーヴィ・インストと、歌入りの曲はR&Bポップチューンがメインとなっていて、サイケ度は高くありません。ただ、Stream of Consciousnessという謎のバンドによる2曲が異色で、なかなかカッコいいカントリー(フォーク)ロックをやっているのですが、どうやらこれはスタジオグループのようです。

追記:Stream of Consciousnessの"Till You're Through"(前述の2曲のうちのひとつ)が、フォークロック系ガレージコンピの"The Electric Coffee House"に収録されていて、ライナーノートによると、Butterscotchというバンドがこのサントラのみで名乗った変名だそうです(フロントマンは元Renegades, Floating OperaのChuck Maultsbyというカリフォルニア出身のボーカリストとのこと)。



Engelchen Macht Weiter
O.S.T.
Engelchen Macht Weiter

これはまったく知らなかったのですが、ドイツのエロコメディ映画(1969)のサントラだそうです(Reel Timeから2月29日発売予定)。音楽を手がけているのはジャーマンサイケバンドのImproved Sound Limited。(→動画



The Love Circle
The Crome Syrcus
The Love Circle

Crome Syrcusはシアトル出身で、のちにサンフランシスコに移って活動した、オルガンポップサイケ5人組。1968年の"Love Circle"は、LPのB面を占める17分超のタイトル曲を含む唯一のアルバム(ファズギター入り)。数年前にスウェーデンのレーベルからCDが出ていましたが、こちらは英Auroraからのリイシューです。3月12日発売予定。(→動画



Inner Dialogue
Inner Dialogue
Inner Dialogue

ソフトロックのガイド本でお馴染みのInner Dialogueは、二人の女性ボーカルを擁する西海岸のスタジオプロジェクト(Jim GordonやJerry Scheffらがバッキングに参加している)。本作は1969年の1stで、少し前に日本盤紙ジャケが出ていました。Free Designをクール&ミスティックにしたようなカッコいいソフトロックサウンドです。Auroraから3月12日発売予定。(→動画



Cold Turkey
Big Boy Pete
Cold Turkey

Gear FabからのコンピCDで知られる、英国(マイナー)フリークビート野郎の新譜コンピ。50年代末から活動しているベテランで、60年代(サイケエラ)に膨大な数の録音を残しながら、ほとんどの作品が近年まで世に出ることはなかったという変り種です。Gear Fabから4月17日発売予定。(→動画



Lucifer-Black Mass/Ataraxia-Unexplained
Mort Garson
Lucifer-Black Mass/Ataraxia-Unexplained

こちらは、"The Zodiac: Cosmic Sounds"制作の中心人物で、シンセ音楽のパイオニアMort Garsonが、LuciferおよびAtaraxia名義でリリースした2作をカップリングしたもののようです(4月17日発売予定)。前者の"Black Mass"(1971)は「悪魔崇拝と黒ミサ」がテーマで、後者の"Unexplained"(1975)は当時ブームとなっていた「オカルト」をテーマにしたコンセプトアルバム。ジャケ画像はAtaraxia/Unexplainedのアナログ盤のものです。(→動画

Wizards From Kansas 再発

Wizards From Kansas
Wizards From Kansas
Wizards From Kansas

以前、ヘヴィサイケ特集で取り上げたカンサス出身の5人組、Wizards from Kansasの唯一作がSunbeamからオフィシャル・リイシューされます。(2月23日発売予定。ボーナストラックが収録されるとのことですが、まだ詳細は不明なので、トラックリストはわかり次第、こちらに追記しておきます。)

1970年の夏にサンフランシスコで録音された本作は、同年の秋にメジャーのMercuryからリリースされましたが、レコード発売の直前になってリズム隊の二人が「ジャズをやりたい」と言い出してバンドを脱退。実体のなくなったバンドのレコードはプロモートされることもなく、そのまま埋もれてしまったのでした。しかし、その後サイケファンの絶大な支持を受け、レココレ・サイケ号でも「サイケデリック・ムーズ」でも取り上げられるような「基本アイテム」となったのです。

私も大好きなアルバムで、いま久しぶりに回しているんですが、やめられずに何度もリピートして聴いている次第です。特にシスコサイケ好きにはツボが満載で、Grateful Dead, Quicksilver Messenger Service, Charlatans、そして女性ボーカルはいないもののJefferson Airplaneといったグループへのオマージュを容易に聴き取ることができます。それは、先頭の"High Flyin' Bird"(JAのライブの定番曲で、オリジナルはBilly Edd Wheeler)や、"Codine"(QMSやCharlatansのバージョンが有名。オリジナルはBuffy Sainte-Marie)といったカバー曲からもうかがえます。

ギターオリエンテッドなヘヴィネスとダンディズム。それと対比する繊細なボーカルハーモニーとメロウさ、そしてカントリー風味のアコースティックな側面。それらのアンサンブルが絶妙・・・というか、奇妙な整合感と、クリスチャン系に通じるような不思議な美しさを湛えたアルバムです。

ある意味では、本家シスコのデッド、JA、QMSの「御三家」による70年代の作品よりもむしろ、60sシスコサイケを70年代に「正しく」伝承したアルバムといえるかもしれません。それは、1970年という微妙な時代を背景にした、一瞬の奇跡的な化学反応が生み出したものだったのでしょうか・・・。

ちなみに、バンドは2011年に再結成アルバム、"Reunion"(→MP3 ダウンロード)をリリースしています。また、Sunbeamからは、これもサイケ基本アイテムの"Morgen"もリイシューされる模様です。詳細はまたのちほど・・・。


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ジャニスの未発表ライブ発売

Live at the Carousel Ballroom 1968
Big Brother & The Holding Company
Live at the Carousel Ballroom 1968

Big Brother & the Holding Company時代のジャニス・ジョプリンの未発表ライブがColumbia/Legacyからリリースされます(3月13日発売予定。3月21日発売予定の日本盤はこちら)。

収録されているのは1968年6月23日のCarousel Ballroom(サンフランシスコ)公演で、時期としては"Cheap Thrills"がリリースされ(68年8月)、ジャニスがホールディングカンパニーとの決別宣言をする数か月前に当たります。

録音はアシッド製造者にしてグレイトフルデッドのサウンドエンジニアだったOwsley "Bear" Stanley。昨春、不慮の交通事故で亡くなる前に、彼自身がマスタリングを監修したものだそうです。

Track Listing :
1. Combination Of The Two
2. I Need A Man To Love
3. Flower In The Sun
4. Light Is Faster Than Sound
5. Summertime
6. Catch Me Daddy
7. It's A Deal
8. Call On Me
9. Jam - I'm Mad
10. Piece Of My Heart
11. Coo Coo
12. Ball & Chain
13. Down On Me
Bonus Track :
14. Call On Me (Saturday Show-June 22, 1968)



また、Janis Joplinのドキュメンタリーフィルム、「ジャニス」("Janis", 1974)の廉価盤DVDが再発される模様です(4月13日発売予定)。内容については過去記事をご覧ください。

ジャニス [DVD]
ジャニス [DVD]

Cosmic Michaelが2on1で再発

Cosmic Michael / After a While
Cosmic Michael
Cosmic Michael / After a While

謎のヒッピー、Cosmic Michaelが世に残した2枚のアルバム、"Cosmic Michael"(1969)と"After a While"(1970)をカップリングした2on1CDがGear Fabからリリースされます(3月20日発売予定)。

1stをNYで録音したのち、LAに移って制作された"After a While"は、以前RadioactiveからCD化されていて、サイケ本「サイケデリック・ムーズ」でも取り上げられていたので、すでにそのヘンテコリンなアルバム作品に親しんだ(あるいは眉をひそめた)方も多いことでしょう。でも、レココレ・サイケ号の巻頭カラー頁に(誤って2ndのタイトルで)ジャケが載っていた69年のデビュー作は、これが初CD化ではないかと思います。

2ndは「サイケデリック・ムーズ」で、「サイケと呼ぶのもはばかられるアウトサイダー・ミュージック」と評されていたように、ピアノの弾き語り?+鍵盤ハーモニカ?という楽器編成のみの、似たようなブギーチューンが延々と繰り返されるという、サイケファンでも聴く者を選ぶような「ど変態」アルバムでした。

ところが、1stはキーボード(ピアノ、チープオルガン)に、エレキギターやベースやドラムまで従えたバンドサウンドの、驚くほど「まっとう」なロックをやっています。ややブルース寄りながら、Country Joe & the Fishあたりを連想させるようなヒッピーサイケロック・・・。セカンドだけでは判然としなかった、彼の音楽的背景みたいなものも見えてくるので、今回の2on1は画期的なリリースではないかと思います。それにしても、69年から70年の1年間で、なんでこんなにも「退化」してしまったのか、やはり謎です。

Track Listing :
"Cosmic Michael" (1969)
1. Now That You've Found It
2. Salty Jam
3. Cosmic Michael Theme
4. Too Much
5. River City
6. People's Fair
7. Mother Earth
8. The Heavy Boogie

"After a While" (1970)
9. Woodstock Nation
10. She's My Girl
11. Feel Free
12. Rock Me
13. After A While
14. Shake It Loose
15. Fine Spaces Of Time
16. Let Me Be
17. Truckin

Total Time: 61:24


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Impala Syndrome 再発

Impala Syndrome
Impala Syndrome
Impala Syndrome

南米はベネズエラ出身の5人組、Impala Syndromeが1969年にリリースした唯一のアルバムがGear FabからCD再発されます(3月20日発売予定)。

彼らはベネズエラでLos Impalaとして結成されたのち、1965年にスペインのマドリードに渡って活動。数年後に渡米して、シカゴで本作を制作・リリースしています。ということで、USサイケとしてFuzz, Acid & Flowersにもエントリーされています。

メンバー写真には、どこのギャング団かと思うようなコワモテのお兄さんたちが並んでいるのですが、音は意外にも繊細系のボーカルをフィーチャーした、メロディアスでメロウ&メランコリックな楽曲が飛び出してきたりします。ビートチューンやヘヴィサイケナンバー、地元南米のフォルクローレをベースにした曲などもカッコイイ(「どサイケ」チューンあり)。随所に歪み度の高いファズギターが入っているのもシビれます。

全編違和感のない英語で歌われていて、演奏やソングライティングも堂に入っている・・・というと、同郷のLadies WCを連想してしまいますが、彼らに勝るとも劣らない、聴き応えのある好盤だと思います。

Track Listing :
1. Too Much Time
2. Love Grows A Flower
3. Children Of The Forest
4. For A Small Fee
5. New Love Time
6. Let The Try It
7. Land Of No Time
8. I Want To Hug The Sky
9. Leave, Eve
10. Run (Don't Look Behind)


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Jerry Coleの新譜コンピ発売

Psychedelic Guitars
Jerry Cole
Psychedelic Guitars

Ace Recordsから"Hot Rod Twangin","Guitars a Go-Go"に続くJerry Cole関連音源コンピシリーズ第三弾がリリースされます(3月6日発売予定)。

ジャケとタイトルを見て、あれ?と思われるかもしれません。以前Gear FabからCD再発されていた"More Psychedelic Guitars"のジャケ画に、タイトルはその前編の"Psychedelic Guitars"(どちらも1967?年のオリジナルの綴りはPsychedellic)とごったになっていてまぎらわしいんですが、内容はこれらのアルバムとは関係ありません。

収録されている曲は、Jerry Coleが関係した以下の4枚の「企画もの」アルバム(いずれもCustomレーベル)から集められたもので、これらはThe IdやAnimated Eggの元になった音源と同時期のレコーディングやセッションによるものと思われます。

Projection Company - "Give Me Some Lovin'" (1967)
T. Swift & the Electric Bag - "Are You Experienced?" (1968)
Generation Gap - "Up Up and Away" (1968)
Stone Canyon Rock Group - "MacArthur Park" (1968)

ということで、これまでのAceのJerry Coleコンピの中では、サイケデリック的に最も美味しいものとなっています。下のトラックリストを見ると、The IdやAnimated EggのCDのボーナストラックなどで、すでにお馴染みの曲も見受けられますね。

正直いうと、それぞれオリジナルジャケットで個別にCD再発してほしかったんですが・・・。おそらくGear Fabから再発されたT. Swift & the Electric Bagの"Are You Experienced"以外はまだCD化されていないんじゃないでしょうか?

Track Listing :
1. OUR MAN HENDRIX - The Projection Company
2. HARD TIMES - The Generation Gap
3. WHAT'S YOUR BAG? - T Swift & The Electric Bag
4. WILD TIMES - The Stone Canyon Rock Group
5. KIMEAA - The Projection Company
6. FOOL'S LUCK - The Generation Gap
7. TUNE OUT OF PLACE - The Projection Company
8. HIGH ON LOVE - The Generation Gap
9. FREE FORM IN 6 - T Swift & The Electric Bag
10. BOIL THE KETTLE - The Projection Company
11. STRANGE SHADOWS - The Generation Gap
12. ARE YOU EXPERIENCED- T Swift & The Electric Bag
13. THE STRUT- T Swift & The Electric Bag
14. EXPO IN SOUND - T Swift & The Electric Bag
15. I LOVE YOU, I DO - The Stone Canyon Rock Group
16. GIMME SOME LOVIN' - The Projection Company
17. RED EYES - T Swift & The Electric Bag
18. WOMAN OF MINE - The Generation Gap
19. I CAN'T STAND IT - The Stone Canyon Rock Group
20. A JET (THE LETTER)- T Swift & The Electric Bag
21. THE STINGER - T Swift & The Electric Bag
22. LISA - The Generation Gap
23. WHAT ELSE. - The Projection Company
24. MACARTHUR PARK - The Stone Canyon Rock Group


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Exkursions 再発

The Exkursions
The Exkursions
The Exkursions

シカゴのクリスチャン系ヘヴィサイケトリオ、Exkursionsが1971年にリリースした唯一の自主制作アルバムがCD再発されます(2月20日発売予定)。本作は1998年に米国のHidden VisionというレーベルからCDが出ていましたが、近年は入手が難しくなっていたようです。

スタイルとしてはクリーム~エクスペリエンス系統のブルースベースのヘヴィロックサウンドで、ところどころにジャズっぽいフレーズが飛び出してきたりします。全曲オリジナルのほとんどの曲が、リズムギターはディストーションしないペナペナな感じの音なのに対して、途中に入るリードギターは60sヘヴィサイケ風に歪んだファズギターサウンドになるのが特徴(下の動画のようなリフからリードまで全編歪んだファズギターチューンはむしろ例外的)です。

Track Listing :
1. Picture Woman
2. Dry Ground
3. Baby You Lied
4. What Happened to Me
5. Third Eye
6. You and Me
7. It's Been Set Down
8. Would You Believe


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Roky Erickson & the Aliens 再発

Five Symbols
Roky Erickson & the Aliens
Five Symbols

13th Floor ElevatorsのRoky Ericksonが1980年にRoky Erickson & the Aliens名義でリリースしたソロアルバムがCD再発されます(2月21日発売予定)。

本作は彼が70年代半ばに精神病院から帰還したのち、新譜アルバムでの復活を遂げた記念すべきソロ第一作。でも、内容やタイトルやジャケットが微妙に異なるリリース(再発)があって、かなりややこしいことになってます。

まず、最初にリリースされたのは1980年の英国CBS盤。オリジナルのタイトルは、なんと読んだらいいのかわからない(英字タイプ不能な)5つのルーン文字が描かれていて、通称"Five Symbols"と呼ばれています。本国アメリカでは、その翌年の1981年にサンフランシスコのインディレーベル415 Recordsから、"The Evil One"というタイトルでリリースされましたが、多くの曲は重複しているものの、少々曲目や曲順が異なっています。

その後、1987年にEdselからアナログ再発された際には、英国バージョンのA面とB面の最後に1曲ずつボーナスが追加され、タイトルも"I Think of Demons"に変更されています。私が持っている1997年のEdsel盤CDでは、その再発LPと同じ曲順になっていて、ボーナス曲が6曲目と12曲目に収録されています。今回の再発ではその2曲が末尾にまわされて、より1980年のオリジナルに近い形でのリリースとなっている模様です。

内容は、フックに富んだ親しみやすいリフやメロディを持ちながら、60年代以来のパンキッシュさを失っていない良質な楽曲が詰まった佳作(プロデュースはCCRのStu Cook)。あらためてRokyのボーカルとソングライティングの才能に気づかされます。Elevatorsの巨大な幻影がなければ、もっと持てはやされていたかもしれません。

ちなみに、その後ふたたび精神を病んだRokyは、ジャンクメールと音響機器からの騒音に埋もれて引きこもり、廃人同様となってしまいます。そのショッキングな姿はDVDの"You're Gonna Miss Me"に描かれています。これは、宗教を信仰して精神科医や薬物治療を否定し、彼の病を悪化させている母親と、彼女のもとからRokyを引き離して再生させようとする兄弟たちが対立し、最後には裁判で争うという、一大家庭争議(Rokyの母・父・兄弟・子供・元妻等総出演!)を克明に描いた、驚くべきドキュメンタリーでした。このフィルムは、裁判に勝った弟がRokyの後見人となり、しだいに彼が回復していくところで終わっています。2010年には15年ぶりとなるアルバム"True Love Cast Out All Evil"で復活を遂げたことは記憶に新しいところです。

Track Listing :
1. TWO-HEADED DOG (RED TEMPLE PRAYER)
2. I THINK OF DEMONS
3. I WALKED WITH A ZOMBIE
4. DON'T SHAKE ME LUCIFER
5. NIGHT OF THE VAMPIRE
6. WHITE FACES
7. COLD NIGHT FOR ALLIGATORS
8. CREATURE WITH THE ATOM BRAIN
9. MINE MINE MIND
10. STAND FOR THE FIRE DEMON
Bonus Tracks :
11. THE WIND AND MORE
12. BLOODY HAMMER


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Heaven & Earth, Sandstone 再発

載せるのが遅くなってしまいましたが、米Lion Productionsから1月16日発売予定のCD再発2タイトルです。


Refuge
Heaven & Earth
Refuge

シカゴの女性デュオ、Heaven & Earthによる唯一のアルバム"Refuge"(1973)は、「サイケデリック・ムーズ」でも紹介されていたフィーメールサイケフォークの傑作。昨春、日本盤紙ジャケCDがリリースされていましたが、今回はノンアルバムシングルや未発表音源を含むボーナス15曲+豪華ブックレット付属の、見開き紙ジャケ仕様での再発です(2011年新規マスター)。

バンドサウンドをバックにしたフォークロックやファンキーなソフトロック、Linda Perhacsにも通じるアシッドフォークなど、どの曲もふたりの美しいハーモニーに聴き惚れてしまいます。楽曲は彼女らによるオリジナルが中心ですが、ディラン、エルトン・ジョン、スティーヴン・スティルス作のカバー曲も違和感なくアルバムに溶け込んでいます。

バッキングは当地の一流セッションマンとハイブラウなストリングアレンジによるメジャー感あふれるもので、なぜ近年までCD化されなかったのか不思議に思える完成度の高い作品(逆にいうと、似た構図のジャケから連想されるThe Sound of Feelingのような変態っぽさはありません)。

Track Listing :
1. Jenny
2. Voice in the Wind
3. To a Flame
4. Tomorrow is a Long Time
5. Refuge
6. Sixty Years On
7. Song for Craig
8. Tell Me How to Know You
9. A Light Is Shining
10. Feel the Spirit
Singles :
11. Voice In The Wind (single mix)
12. Jenny (single mix)
13. Home For Christmas (single A-side)
14. Country Women (single B-side)
Unreleased :
15. We All Need A Friend
16. You’re The Reason
17. Unknown
18. Joy
19. Jenny (alternate take)
20. Voice In The Wind (alternate take)
21. Refuge (alternate take)
22. Song For Craig (alternate take)
23. A Light Is Shining (alternate take)
24. Country Women (alternate take)
25. Hawg For You Baby



Can You Mend A Silver Thread
Sandstone
Can You Mend A Silver Thread

Sandstoneは米国ペンシルバニアの男性2人+女性1人の3人組。本作はディスクガイド「アシッド・フォーク」でも取り上げられていた、1971年の唯一の自主制作盤(ジャケットの絵もメンバーの兄弟の手によるもの)です。

これ、覆面で聴かせたら、みんな英国トラッドフォーク系だと思うんじゃないでしょうか。メンバー3人によるアコースティックギター&ボーカルに、ゲストのストリングス(バイオリン、ビオラ、チェロ)、ハープシコード、フルート等のバッキングは的確で過不足なく、自主制作とは思えないクオリティ。録音時は全員18歳未満だったという、(痛々しいまでの)ナイーブ&イノセントな感覚と、それに相反するような音楽的早熟さを併せ持った、忘れがたい印象を残す一枚です。

今回の再発は数年前の韓国Bella Terra/Rivermanからのリリースと同内容で、2曲のボーナス入り。

Track listing :
1. Can You Mend A Silver Thread?
2. Lovely Hunters
3. The Tattered Drum
4. Asking Life
5. What If You Could Love The Flute Player
6. The World Is Around Us
7. Again
8. Farewell Valley
9. Jamie's Song
10. Can You Mend A Silver Thread? (Coda)
Bonus Tracks :
11. Black Cat Paw Print
12. Bright Morning


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Happy New Year!

$サイケデリック漂流記


明けましておめでとうございます。

本年もよろしくお願いいたします。