今日は北米ストアに並んだ新作、「FORM」の感想を書いていくよ。
これは…、前情報の全然無かったソフトで、ジャンルすらわからないまま購入してプレイを開始した。
ほら、普通のソフトって、サムネイルでなんとなく世界観がわかるじゃん? ところが「FORM」の場合は、黒い背景に"FORM"と書かれているだけ。タイトルも淡白だし、とにかく謎が多い一本だった。
概要
購入先:北米ストア
ジャンル:パズル系アドベンチャー
言語:日本語非対応
コントローラー:Move専用
視点:常時一人称
移動方式:移動&方向転換なし
のっけから飛ばします
ゲームを起動すると、"CHARM GAMES"という初めて目にするメーカーロゴが。ロゴをスキップすると、林の中のような薄暗い空間に、メニューが表示されている。画質は普通だね。
メニューは【ストーリー】【コルテックス】【セッティング】【クレジット】の4つ。
【セッティング】は音量と身長の変更だけだったから、デフォルトの状態で、いきなり【ストーリー】に挑戦。
(雰囲気はホラーっぽいね。手の先から伸びるレーザーでカーソルを動かす)
【ストーリー】を選択すると、研究所のような空間へ。プレイヤーを囲むように"コの字型"のテーブルが置かれていて、その上には様々なオブジェクトが並んでいる。ベーシックなグラフィックのレベルも高いね。
とここで、通信の指示に従ってオブジェクトをスキャンしたり、ボタンを押したりするんだけど、次々と空間に表示される情報がとても面白い。たとえば画像データなんかは、全てレイヤーが付いていて、立体を活かした表現になっている。
(未来を感じる映像だな~。早くこれがデフォルトの時代が来ないかな~)
英語に戸惑いつつも作業をこなしていくと、奇妙な球体が現れる。球体の周囲を文字が幾何学的に動いていて、なんとも言えない不思議な映像になっている。俺が「このゲームはもしかしたら凄いかも…」と思い始めたのは、ここからだね。
これまでにも、球体を使った面白い立体表現はたくさんあった。「XING:The Land Beyond」の水晶玉なんかはその際たる例なんだけど、「FORM」もそれに負けないぐらいインパクトがある。これは一見の価値ありだね。
(立体&動かないとわからないだろうな~。未来を感じる不思議な映像)
その後フェーダーを動かして波形を合わせる作業があるんだけど、ここでも強烈な映像が現れてビックリ。
これは…、「テトリスエフェクト」のダウンタウンジャズとファラオコードと同じ技術を使っているのかな? 幾何学的な模様が回転しながらこちらに向かって飛んでくるような不思議な映像。
さらにその後、空間がガラスの破片のように飛び散る映像が展開されて、マジで息をつく暇もない。
とまぁ、こんな感じで、一つのシーンでいくつも強烈な映像が出てくるのよ。とてもじゃないけど、全てを紹介するのは無理。自分の目で確かめてくれって感じ。
(ステージの奥に注目。黄色いグリッドが見えるかな? あれが回転しながら飛んでくる)
(次の瞬間にはパーティクルを使ったトリッキーな映像が。なんじゃこりゃ?)
ゲーム性(映像の話中心)
ストーリーは英語だからまったく意味がわからない。とにかく、指示に従って行動していくと、新たな空間へ。
ここは…、目の前にうねる壁が表示されていて、中に文字が詰め込まれた水晶玉が浮いている。早速、水晶玉を手に取ってみると、なんと中の文字が整列して文が完成。これはめちゃくちゃ面白い表現だね。
さらに青い球体が出現して、そこから中を覗き込むと、まったく違う世界が広がっている。この日記の中で何度も書いている"空間の中に空間"のトリックだね。最早定番と言ってもいい。
(水晶玉に触れると中の文字が文章になる。左が文になる前。右が文になった状態)
(青い球体を覗き込むと、隠された世界が姿を現す。最早定番の手法)
そんなこんなで新たな空間が広がるんだけど、ここがまた凄いのよね。
クリスタルの付いた浮島のようなものがあって、その奥に巨大なピラミッドが炎に包まれて…
ごめん。言語化出来ない(笑)
ハッキリ言って、何を表現しているかはまったくわからない。ただ、スケール感のある圧倒的な映像なのは確か。
(全体的に映像の暗いゲームだから、スクショが映えないね。実際は凄いのに)
「FORM」は、上のスクショのようなベーシックな空間の凄みに加えて、派手なエフェクトやVRならではの視覚のトリックをふんだんに織り交ぜて、より強烈な映像体験を提供している。「Tilt Brush」とかで俺がよくやっている、立体空間にいきなり平面的な映像が重なる表現も出てくるね。
とにかくそのバリエーションが多いし、どれも効果的な使い方がされている。テンポ自体はまったく違うんだけど、「傷物語 VR」みたいに密度が凄い。
(急に平面的な表現が。一瞬何が起こったかわからなかったね)
うん、このへんを全部語っているとそれだけで日記が終わってしまうから、そろそろゲーム性についても語っていくよ。
「FORM」はよくあるパズル系のアドベンチャーゲームで、ステージ毎に様々なタイプのパズルが用意されている。
とはいっても、その一つ一つは珍しいものではない。たとえば、光のチェーンで繋がったアクセサリーを、チェーンが外れないようにくぼみにはめ込んだり、マークを見ながら点つなぎをしたり、どれもありきたりの内容。
厳しい言い方になるけど、映像が普通だったら、全然評価出来ない。ゲームとしては普通~微妙というのが本音だね。
※今回何故かスクショのサイズ変更が出来ませんでした。等倍で貼ります。
(パズルとしては普通過ぎてつまらない。映像に特化したゲームだと思っている)
パズルパートでもう一つ問題なのは、高さの設定だね。上下に広いスペースを使うパズルが多いもんだから、その都度設定メニューを呼び出して、高さを変える必要がある。これは面倒くさい。
因みに、パズルの難易度はかなり低め。詰まることは一回も無かった。
なんじゃこりゃ? 超強烈な映像体験(再)
そんなこんなでゲームを進めていくんだけど、最初のエリアをクリアしたところで、これまた強烈な映像が現れてひっくり返った。
これは過去の回想のようなものなのかな? ベッドに横たわる子供と、医者と母親らしき人物の石像がかなりリアルな質感で表現されている。
これまで、幾何学的で無機質な世界観がベースだったから、いきなり完成度の高い人間の石像が現れてビックリ。そういう意味でも映像の見せ方が上手いゲームだと思うね。
(ギャップって凄いね。これまでと全然違うタイプの映像が現れてビックリ)
続くステージでは、巨大な壁画を使ったジグソーパズルが。壁画の完成度も高いし、空間に浮かんでいる壁の欠片も面白い表現。
俺は以前からVRでステンドグラスを使ったジグソーパズルをやったら面白いんじゃないか?と考えていたんだけど、これはそのアイディアにかなり近いと思うね。
(これを組み立てて直していく。ゲームの中では一番マシなパズル)
ゲームの後半も、次から次へと強烈な映像が現れる。繰り返しになるけど、その一つ一つの意味はまったくわからない(笑) ただ、SF映画の中に飛び込んだような圧倒的な体験に圧倒されるばかり。もう意味なんてどうでもいいと思ってしまう。
因みに、全クリまでの時間は2時間弱だね。短いけれど、密度が高いからけっこうグッタリする。
(これは実際にVRで体験しないと何の意味もない。トリッキーな映像の総合商社)
個人的な満足度:星5★★★★★
圧倒的な映像体験。
この手のパズル系アドベンチャーのレベルが上っているのはわかっているつもりでいたけど、ついにその決定版が現れたって感じ。
それ以上のことは…、どれだけ言葉で語っても意味がないね。とにかく自分の目で確かめて欲しい。
まぁ、今更感があるんだけど、やっぱVRは映像だよな~。正直ゲームとしてはなんのオリジナリティーも無いのに、満足感が半端ない。
というわけで、ヤバいのがきたって感じです!! 言葉では伝わらない、VRでしか味わえない未来の映像体験。超お薦め。