今日は非VRゲームの『DEATH STRANDING』について書いていくよ。VRゲーム以外には興味のない俺なんだけど、この作品には惹かれるものがあったから買ってプレイしてみた。
俺が『DEATH STRANDING』に惹かれるきっかけとなったのは、小島秀夫が語った"棒ではなく縄で戦う"というコンセプトだね。たしかに、これだけグラフィックが進化したにも関わらず、多くのゲームは未だに剣や銃で殺し合いをしている。そういう意味では、ゲームは30年前からほとんど変わっていない。
俺自身も、既存のゲームジャンルを一通りプレイして飽き始めていたところだから、こういう全く新しい概念を持ち込んだゲームが遊びたかった。VRの世界もけっこう偏りがあって、中々斬新なゲームには出会えないのよ。
というわけで、色々語っていきます。まだ3時間ぐらいしか遊んでいないから、感想というよりは印象だね。早速いってみよ~
DEATH STRANDING
概要
購入先:国内ストア
ジャンル:3DCG映画+アドベンチャー(?)
言語:日本語対応
コントローラー:デュアルショック専用
視点:三人称視点+一部一人称視点
移動方式:-
印象
ゲームを起動するとメインメニューへ。メニューは【ニューゲーム】【オプション】【オープンソース】の3つだけ。シンプルでいいね。
【オプション】ではカメラの操作とか色々変えられるんだけど、今回は難易度とオンライン状態だけを変更。難易度はベリーイージーで、オンライン機能はOFFにした。
(戦闘が無いのに難易度設定があるのか…、謎だね)
【ニューゲーム】を選択すると、長いムービーシーンがスタート。普段だったらこの手のムービーシーンはスキップするんだけど、映画秘宝にランキングが載るぐらい映画通の小島秀夫の作品だから通しで観賞。
ここでわかったのは、映像や編集だけではなく、ストーリーテリングや構成や演出の面でも映画からの影響が強いということだね。冒頭の"詩的"な反復一つとってみても、他のゲームとは描き方が全然違う。「ライアン・マークス リベンジミッション」が芋っぽく見える。
ムービーシーンが終わると、プレイヤーに操作の自由が与えられる。まぁ、左スティックでキャラクターを動かすという意味では普通の三人称のゲームだね。
主人公は"荷物センサー"と呼ばれるマシンを装備していて、それを発動させることで、地形やイベント発生ポイントの確認が可能。「Edebn Tomorrow」や「No Man’s Sky」に出てきたセンサーと同じような役割。
因みに、カメラの挙動は普通かな? 2Dのゲームをほとんどやらないからわからないんだけど、特に問題は感じない。地形自体が複雑だから、頻繁に角度を変える必要はあるね。
(VRプレイヤーの俺には三人称が珍しい。VRでも三人称をもっとやればいいのに)
んで、雨宿りのために逃げ込んだ岩陰で、再び長いムービーシーンが始まる。
ん~、これは2Dの大作ゲームでは普通のことなのかな? 操作している時間より映像を見ている時間の方が長い(笑)
ただ救いなのが、このムービーシーン自体がめちゃくちゃ面白いのよ。謎が謎を呼ぶ感じで、「涙は何を意味しているんだ?」「追跡者の足跡が人形なのは何故だ?」みたいな、色んな考察をしてしまう。
あと、メカのデザインなんかも好きだね。特に女の人の使っている傘は最高。あんな形でどうやって雨を防ぐんだ?(笑)
(この傘が超お気に入り。雨の日にこれをさして歩いていたら笑うわ)
ムービーシーンが終わると、いよいよ『DEATH STRANDING』のゲーム性が顔を見せ始める。
主人公の"サム"はこの世界で配達人と呼ばていて、その名のとおり物を運んで届けるのが仕事らしい。プレイヤーは道中落ちているアイテムを拾って、それを背負い、特定の場所へ届けるのが最もベーシックなゲーム性になってくる。
ここでの特徴として、荷物の重さとバランスの概念が挙げられる。重い荷物を持っているとバランスを崩しやすくなって、サムが転んでしまう。それを防ぐために、センサーを使って安全なルートを探したり、L2R2ボタンを駆使してバランスを取ったり、移動そのものがちょっとしたアクション性を含んでいる。
厳密にはもっと細かいルールがあるんだけど、今回はそのへんはあまり意識せずに、なるべく転ばないように歩くことに集中した。
(荷物が多くなると、一歩進むごとに転んでしまう。当然荷物破損の概念もある)
正直、このシステムが『スーパーマリオ』のジャンプ踏みつけや、銃ゲーのエイミングに取って代わるほどの発明だとは思えないんだけど、ただ戦うよりはまだこっちの方が楽しいかな。なんかやってること自体はミニゲーム的だよね?
因みに、荷物を届けると、配達の内容に応じた報酬が貰えて、ランクが上ったりもする。
(配達完了。このオネーチャンが今回一番のお気に入りだね)
(配達の内容を様々な視点で評価。やり込みがいがありそう)
んで、ここからまた長~いムービーシーンが始まる。
ん~、ムービーシーンのクオリティーは高いし、物語も面白い。ただ、この頻度ならゲームではなくネットフリックスとかでシーズンもののドラマとして作った方が…
いや、うそうそ(笑)
そんなこと思ってないです。
(巨大なモンスターが現れたね。こいつの正体も含め、とにかく謎が多い)
そんなこんなでムービーシーンを観賞していると、なんともギレルモ・デル・トロ監督が現れてびっくり。『パンズ・ラビリンス』の人だね。
ギレルモ・デル・トロの依頼は、病気のアメリカ大統領の下にアンプルを届けるというもので、マップを確認するとわりと近い場所に配達先がある。
うん、出来るだけ良い評価が欲しいから、早速目的地にダッシュ。ドミノピザより早く届けてやる!!
と思っていたらさ…
荷物を忘れてないか?(笑)
慌てるあまりに手ぶらで配達先に向かっていたよ。まぁ、Sランクが貰えたから良しとしよう。
因みに、このゲームは文字がかなり小さい。PSVRのシネマティックモードだと、ギリギリ読めるぐらいのサイズ。まぁ、全てはPSVRの解像度が悪い(笑) 『DEATH STRANDING』に罪はないです。
(左側の文字はギリギリ読めるって感じ。解像度がもっと高ければな~)
大統領の下へ着くと、様々な新事実が明らかに。その中でも特に重要なのが、主人公サムが大統領(女性)の子供だったという事実だね。小汚いオッサンだと思っていたから、これは意外な展開。
ただ、もっと意外な展開だったのが…
母親の遺体運び(笑)
結局、大統領である母親は死んでしまうのよ。んで、その遺体を焼却炉まで背負って運ばなくてはならない。
これは…、小島秀夫流のギャグなのか? いや、物語のトーンはシリアスだし、本来笑っちゃいけないところなんだろうけど、母親の遺体を背負ってふらふらと山道を歩く姿はどうしてもシュール。
(何これ? 母の遺体袋を地面に置き、体育座りで休憩する最高のショット)
そんなこんなで、マップを見ながら焼却炉を目指して歩き出すんだけど、けっこう通れない道が多いね。バリアのようなもので進めなかったり、段差がきつくて登り下り出来なかったり、ある程度ルートが決まってしまう。
個人的には自由度が高い方が配達というゲーム性が活きると思うから、これは残念だね。まぁ、今後もっと自由になる可能性もある。
(ここをショートカットした方が近いのに。戻って正面ルートからやり直し)
道中、カメラが極端に引いて曲が流れるという演出が用意されている。このへんは賛否が分かれるところだと思うけど、俺はかなり好きだね。
たしかに、作り手側のエゴを感じる手法。でも、映画の1シーンのような魅力的な映像になっているし、オリジナリティーも高い。ムービーではなく、こういう方法でゲームのシーンを見せるというのは新しい発見だった。
(これがやりたかったからルートを限定したのか? まぁ、アリな演出)
焼却炉まで残り半分の地点で、サムの前に流れの強い川が現れる。
ん~、普通の道でもグラグラしているのに、川の中に入って本当に大丈夫なの? 出来れば他のルートを探したいところ。
ただ、周囲は高い山に囲まれていて、どう考えても登ることは不可能。
これは…、川を横断するしかないね。意を決して踏み出すと…
母ちゃんが流される~!!!!(泣)
川の半分の地点でスタミナゲージが切れて転倒。そのまま流されていく主人公サムと、母親の遺体。
結局、再び川にダイブして遺体の回収に成功したものの、母ちゃんずぶ濡れです。まさに三途の川でした(上手くない)。
(あの山の先に焼却炉が。途中ロープや梯子を使う場面もあったね)
うん、そんなこんなでどうにか焼却炉へ到着。無事(?)火葬に成功するものの、再び追跡者がサムを襲う。
ここでも戦闘のようなものはないんだけど、タールの海で敵から逃げ回るという新要素が現れる。まぁ、あまり面白いゲーム性だとは思わないものの、こういうのもありつつ…って感じなのかな?
(大地がタールに覆われて、形なき化け物が襲ってくる。とにかく逃げまくる)
ゲームの途中から、"BB"と呼ばれる赤ちゃんの入ったカプセルとサムが繋がるようになる。BBはサムがダメージを受けたりするとストレスを感じて不機嫌になってしまうから、定期的にあやす必要があるんだけど、これが中々面白い絵面になっているし、自分の身体は自分だけのものじゃないという妙な責任感が生まれていいね。
(物語の鍵を握るBB。ここは一人称になっていて、デュアルショックを振る操作もある)
ブリッジと呼ばれる施設に戻ると、プライベートルームがアンロックされる。ここは装備品を確認したり、シャワーを浴びたり、ホームのような役割になっているみたいだね。
ここで、サムがカメラに向かってメタ的なアクションをするんだけど、これが単なるお遊びなのか、物語上の意味があるのか、現時点では不明。俺は前者だと思うね。
(やたらカメラを意識するのよね。もしかしたら意味があるのかも)
母親は亡くなったものの、彼女の世界を"繋ぐ"という志は消えていない。新たな大統領としてサムの姉のアメリが候補に挙がる。ただ、彼女は囚われの身で、それを救出するべくサムは世界を繋ぐ旅に出ることに。
おそらく、ここから本格的にゲームが始まるんだろうね。ここまではプロローグ。
因みに、このムービーシーンではVR映えしそうな映像や演出がたくさん出てくる。ホログラムやミニチュアを使った映像は圧倒的にVRの方がいいからね。
(VRもこのぐらいカメラを切り替えてくれればな~。未だにフィックスに拘っている)
(積荷の位置変更も可能になった。ここから本格的にゲームが始まるはず)
うん、とりあえず今日はここまでだね。VRゲームの合間をみてちょいちょい遊ぶかもしれない。
んで、個人的な現時点でのまとめなんだけど…
ストーリーが超面白い!!
まだ謎をばらまいている段階で、今後どういう展開になっていくかは読めないものの、情報の出し方が絶妙で、見えそうで見えない、繋がりそうで繋がらない、ストーリーテリングが最高。シーンを切るタイミングや、音の入れ方も映画的で、物語に没入出来る。
おそらく、今後語られるメッセージは俺みたいな繋がり大嫌い人間には刺さるものになるんじゃないかな? この日記の中でも「今のネット社会は繋がり依存症で気持ち悪い!!」みたいな愚痴ばっかり言ってるじゃん?(笑) 正直、サムには共感するよ。
因みに、俺は「Accounting+」みたいなメタ視点を取り入れたオチになるんじゃないかと予想している。へその緒がLANケーブルのメタファーに見えなくもないしね。引きこもりの脳内の話かもしれない。
ただ、こうなってくると、ゲームである必要性が…
今の所ゲームパートはそこまで楽しくないし、2Dゲームなのに背景の作り込みや情報量がそこまで多いと感じない。まぁ、VRゲームのクオリティーが上ってきたっていうのもあるんだけど、最高峰の2Dゲームならもっと凄いことになってると思っていたからさ。その点は残念だった。
ん~、もしかしたらこのゲームの構造自体が物語とリンクしているのかな? ムービーシーンとムービーシーンの間を"繋ぐ"ゲームパート。そこに変化が生じてくる。
なんにせよ、影響力のある人が新しいことに挑戦してシーンを引っ張るのはとても大切なことだよ。他の大手メーカーも、つまらない銃ゲーばかり作ってないで、どんどん新しいゲーム性を生み出すべき。
というわけで、明日からはまたいつものVR日記です。どうぞ宜しく。