国内ストアに「ホラー SENSE ~だるまさんがころんだ~」という新作が並んだね。
これは、アーケードからの移植かな?コーエーテクモが運営している"VR SENSE"っていう筐体で体験出来るゲームみたいだね。
しかし、コーエーテクモか…
「エロバレー」ですね。わかります。
(HMDはPSVRを採用しているのかな? PCVRの方が体験の質はいいはずなのに)
うん、これはとても興味深い内容だね。以前から「アーケードではどんなゲームが体験出来るんだろう?」と気になってはいたのよ。
ほら、施設でVR童貞を捨てる人も多いわけじゃん? そんな人達に糞みたいなゲームをプレイさせてガッカリされるのは、VRファンとして辛い。初めてのVR体験はスペシャルなものであって欲しい。
そういう意味でも、「だるまさんがころんだVR」の完成度は重要だね。チェックしておかねば。
というわけで、感想をまとめていきたいんですが…
スクショが超真っ暗です(笑)
このゲームね、明るいシーンがほぼ全くないのよ。ずっと暗闇。だからスクショは気にしないでおくれ。
よし、それじゃあいってみよ~
概要
購入先:国内ストア
ジャンル:だるまさんがころんだ
言語:日本語対応
コントローラー:デュアルショック対応(Moveは未確認)
視点:常時一人称視点
移動方式:直進移動&方向転換なし
タイトル画面
ゲームを起動してメーカーロゴの表示が終わるとタイトル画面へ。背景にはいかにもホラーといった薄暗い廊下が伸びていて、早くもちょっと怖い。
画質は…、暗くてよくわからないんだけど、実写系としては普通以上のレベルだと思うね。背景の作り込みもシッカリしているみたいだし、初めてVRを体験する人がガッカリするようなクオリティーではないと思う。
("VR SENSE"ではPSVR版より遥かに高品質な体験が出来ると思う。一安心)
このゲームにはモード選択やオプションのようなものは存在しない。あるのはステージ選択のみで、初回プレイ時は決められたステージしかプレイ出来ない。
因みに、カーソルの移動は目線で行う。"VR SENSE"のコントローラーがどういうものかはわからないけど、目線操作を取り入れているのはいいね。
(全3ステージだね。一応ストーリーのようなものもあるみたい)
こんなゲーム
最初のステージを選択すると、ストーリーパートが始まる。5人(主人公含む)の若者が肝試しをするために廃校に忍び込んでいるらしい。会話の端々から察するに、メンバーの中にはこの学校の卒業生もいるみたいだね。
このシーンで素晴らしいと感じたのは、キャラクター達のデザインとサイズ感。VRゲームで現代的な日本の若者が現れるのは珍しいからね。クオリティーも高いし、同時に4人のキャラクターが動き回るのは見ていて楽しい。
そしてサイズ感。小さ過ぎず大き過ぎずでちょうどいい(瞳孔間距離を実測値より10mm狭めている状態)。
(やっぱ暗いな~。VR空間ではシッカリ見えるんだけどね)
操作は○で直進移動、タッチパッドでポーズ。これだけだね。
直進移動は…、一応酔いに繋がる要素だけど、初めてVRを体験する人は大丈夫なのかな? 一応、背景は暗いし、速度も相当遅いから、大丈夫なんだと思う。ただ、俺は生まれて初めてVRを体験する人に、移動があるゲームは絶対に薦めない。
まぁ、それはいいや。若者達が廃校の奥に進んでいくと、謎の少女が現れて、メンバーを一人、また一人と襲っていく。
とここで、ゲームがスタート。タイトルの通り"だるまさんがころんだ"が始まる。
(廊下の奥には少女の姿が。やっぱグラフィックは頑張っているね)
ルールは基本的に普通の"だるまさんがころんだ"と一緒。鬼が「だ~るまさんが~」と唱えている間に○で前進。振り向いたら止まる。
ただ、鬼が振り向いている間でも頭は動かしていいという、独自ルールが存在している。初プレイ時はこのルールが存在している意味がわからなかったんだけど、後に「ああ、こういう理由なのね」と納得した。
んで、実際に遊んでみての感想なんだけど、さすがに考えられていると感心した。
まず、ターン毎に展開される様々なホラー演出だね。コウモリが飛んできたり、ゾンビになったメンバーが目の前に現れたり、ムカデが視界の前を這って歩いたり、ボタンを押して離すという、ともすれば退屈になりかねないゲーム性を映像でカバーしている。
そしてシッカリ怖い(笑)
(物語のキーとなる巨大なクリーチャー。これはゾッとするわ)
(視界を這う巨大なムカデ。VRではこういう悪趣味な演出が多いよね?)
"だるまさんがころんだ"をコンピューターゲームとして成立させる場合、いくつものハードルがあると思うんだけど、やっぱ真っ先に考えなくてはならないのは、どう「だるまさんがころんだ」を唱えさせるかだよね。「だ~~~~~るまさんがころんだ!!」みたいな早口を使われても理不尽に感じるだろうし、ホラーの雰囲気が台無しになりそう。
「だるまさんがころんだVR」では、その部分にいくつものアプローチを重ねていて、見事にゲームとして成立させている。
たとえば音だね。鬼の声にエフェクティブな処理を施して、さらに他の環境音を混ぜて、プレイヤーを混乱させている。
正直、「ちゃんと聞こえねぇよ!!」って感じる時もあったんだけど、鬼の声がクリアに聞こえるとゲームとしてだいぶ単調になっただろうし、音に集中させることで世界への没入感を高める効果があるんだと思う。
他にも、鬼が後ろを向くまでの短い"間"を見て進んだり、後方からプレイヤーを急かす声が掛かったり、きちんとゲームとして楽しめるようになっている。
(ごめん。胸の谷間が気になる。変な性癖に目覚めそう)
結局、始めのステージは一度もゲームオーバーにならずにクリア。すると今度は男の子が現れて、「僕と遊ぼう」と誘いをかけてくる。これによって、新たなステージがアンロックされたね。
因みに、クリア後には"通知表"という形で成績が発表されるね。こういう演出がゲームを面白くする。
(この子自体はそんなに怖くないね。やっぱあのデカいのがおぞましい)
(この時点では、赤字の性格にしか注目していなかった。後にやり直す事に)
見落とし
続けてステージ2をプレイ。ここでは新たに赤い目をした少女が現れる。少女と目を合わせるとやられてしまうから、他の方向を見て目をそらさないといけない。
さらに後半からは、ステージが異界へ変化。肉塊の壁からたくさんの目玉がこちらを睨んでいて、ただただ気持ち悪い(笑)
(タイポグラフィは立体映像との相性が抜群。もっと活用されるべき)
(プレイヤーのまさに目の前に現れる少女。いや、化物や…)
(悪趣味だな~。全クリしたら「キングダムハーツVR」で癒やされよう)
うん、このステージも難易度は高くない。慎重に進めば鬼に捕まることもないし、時間切れにもならない。一発で問題なくクリア。
ただですね…、クリア後に重要な見落としをしていた事に気付く。
回収アイテムがあるな~
なるほどね、鬼がこちらを見ている間も首が動かせる理由がわかったよ。ステージに隠されている"綴られた記憶"というアイテムを探さないといけないのか…
まぁ、一回のクリアは2~3分で終わるし、全クリ後に回収しよう。そう思って、3番目アンロックされたステージに挑戦。
(最後のステージ。楽勝楽勝と思っていた…)
3番目のステージの鬼も、最初のステージと同じ少女みたい。ただ、今回からは新たなルールが追加される。
首も動かしてはいけない。
うん、けっこう大きい音で驚かしてくるゲームだから、全く頭を動かさないのは難しいかもしれない。
早速プレイしてみると…
これ無理じゃね?
時間制限が厳し過ぎるだろ…。絶対に間に合わないわ。
とここで、思い出したのが"綴られた記憶"の存在。もしかしたら、それを回収しないとクリア出来ない仕様かもしれない。
というわけで、ステージ1を再プレイ。今度はキョロキョロと周囲を見回しながら進んでみる。
すると、普通に"綴られた記憶"が落ちている。一周目で気付きそうなもんだが…、全然気付かなかった(笑)
(なるほどね~、こんなものが落ちていたのか。完全に見落としていた)
ハッピーエンド
うん、そんなこんなで記憶を回収していく。これによってストーリーが見えてきたね。ホラーではよくある話なんだけど、オマケみたいなもんだし、このレベルでいいんじゃね?
全ての記憶を集め終わると、ステージ2のラストに変化が。
まさかの浄化エンド(笑)
いや、でもさ、最後の写真に主人公が写っていないのはおかしくね? 白い女が先生で、もう一組のカップルの子供を殺ったのか? んで、その未来を主人公が改変したのか? よくわからん。
とにかく、浄化エンドを確認した後に、もう一度最後のステージに挑戦。どうやら、記憶の回収とは関係なく、床に落ちているアイテムを拾えば制限時間が増える仕様みたい。これまた気付かなかった。
ただ、それが判明してからも攻略は難航。制限時間を伸ばすアイテムがランダムで落ちてくるみたいだし、頭を動かさないのはやっぱり難しい。コウモリが飛び出してくると、ビビって頭が動いてしまう(笑)
どうにかクリアしたものの、結局15回もゲームオーバーになったね。リトライ時のムービーシーンをスキップ出来ないのがストレスになった。
(時間を伸ばすアイテムがランダム発生なのが辛いね。何度もタイムオーバーになった)
個人的な満足度:星3★★★
まぁまぁいいと思うね。もちろん人生初のVR体験をこのソフトで済ませるっていうのは、ちょっと疑問が残るけど、クオリティーはそれなりに高いから、体験した人をガッカリさせることはないと思う。
ただ、これをプレイした後に「VR買おうかな~?」とはならないよね?(笑) やっぱもう少し実用的というか…、「自宅でも楽しみたい!!」「繰り返し遊びたい!!」という体験とセットで提供するべきだと思うね。
なんにせよ、VRホラーはこのぐらいライトに遊べる方がいいね。ゲームとしての側面が強いから恐怖感も緩和されるし、尺もちょうどいい。
というわけで、中々オススメの一本です。