北米ストアに3本の新作が並んだね。今日はその中から「Prison Boss VR」をピックアップするよ。
これは…、サムネを見ると「Accounting+」の裁判シーンを思い出すね。アニメ調で"卵型"のキャラクターが可愛らしい。ただ、どんなゲームかはいまいちよくわからない。Moveを使って物を作るゲームなのか?
(今後の感想日記には公式PVを貼るようにするよ。チェックしてみて)
んで、実際に5時間ぐらいプレイしてみたんだけど、かなりいい作品だね。「Star Trek Bridge Crew」なんかと同じで、昔よくあったゲームの現代的な解釈って感じ。個人的にはとても懐かしい気持ちになるゲームだった。
うん、というわけで感想を書いていくよ。いってみよ~
概要
購入先:北米ストア
ジャンル:脱獄シミュレーション
言語:日本語対応
コントローラー:Move専用
視点:常時一人称
移動方式:移動なし&カクカク方向転換
掴みどころがない世界
ゲームを起動してキャリブレーションを済ませるとタイトル画面へ。背景が「GNOG」を思わせる立体的な映像だね。プレイヤーの手は線がクッキリ描かれているアニメタッチな感じ。
そして、日本語のテキストがなんか変(笑) 「…そして俺を掴んでみろ」ってどういう事だよ。
(ギャグ要素の強いゲームみたいだね。ツッコミどころが多い)
プレイヤーの前に置かれている人形をつかむと、映写機の置かれた部屋へ。ここでボスと名乗る怪しい人物からタバコの作り方を教わるんだけど、驚いたのはその操作。親指とその他の指に別のボタンが割り当てられていて(親指がMボタン、その他がトリガー)、それぞれを個別に動かすことが可能。これはもしかしたら初めての操作方法かな? 記憶にない。
(投影される映像を見ながら紙巻きタバコを作る。紙にタバコの葉を落として…)
(口元に運んで唾をつけて巻き取る。中々面白い作業だね)
紙巻きタバコが完成すると、タイトルにもある監獄の中へ。○×で方向転換をして周囲を見回すと、引き出しのついたテーブルや金庫のようなものが置かれている。タバコを作るための材料も用意されているね。
画質はやや良いって感じかな? この手のアニメ調のグラフィックは画質の良し悪しが判断しづらいのよね。
あとね、このゲームはBGMがシャレオツでとてもいい。カクテルジャズってやつだね。
(「ねこあつめVR」みたいな輪郭線が太いグラフィック。かなり好みな映像世界)
とここで、タイトル画面に現れた人形に関する説明が始まる。この人形はボビーという名前らしく、売ってお金にしたり、メインメニューに戻るために使うみたい。
因みに、このボビーが空中をふわふわ飛び回るシーンで、吹き出しの中が別空間のように見える演出が現れる。これは「Rick and Morty:VR」や「AIR TONE」なんかでお馴染みの演出だね。どんどん応用した使われ方がされている。
(「これはボビーだ」と言われましても…。何かがおかしい)
(吹き出しの中に立体の世界が。実は色を変えた向こう側が見えるだけ)
新感覚SLG
ボビーの説明が終わったところで、プレイヤーに行動の自由が与えられる。早速用意されている材料でタバコを作り始めるんだけど…
「捕まった!」っていうか、
もう捕まってると思うんですが…(笑)
なんかアイテムも片っ端から没収されちゃったし、色々とよくわからん。
混乱していると、こちらの気持ちを見透かしたかのように説明が表示される。どうやら、監獄の中を看守が巡回しているらしく、彼らに見つからないように作業を行わないといけないらしい。引き出しや金庫は警備員から材料を隠すために存在していたのか。
(看守が近づいてきたら、材料を隠さないといけない)
とここで、看守とは別のキャラクターが独房の前へやってくる。おそるおそるコンタクトをとってみると、何やらメニュー画面のようなものが表示される。
始めはその意味が全くわからずに困っていたんだけど、徐々に「Prison Boss VR」のゲーム性が見えてきた。
これはシミュレーションゲームだ。
(歩み寄る謎の男。実は彼がゲームのキーマンでした)
順を追って説明していきましょう。このゲームには時間の概念があって、昼と夜ではやるべき事が違ってくる。
昼は材料のトレードや仕事の請負、夜は警備員の目を盗んで材料の加工。
この2つのパートを繰り返して刑務所内での評判を高めていって、最終的に脱獄までたどり着ければステージクリア。次の刑務所で新たな生活が始まるという流れ。
(これがトレード画面。紙や布といった材料の他、収納用の家具も用意されている)
(これが仕事の請負画面。加工品を渡して評判を高めていく)
(評判が上がるとたくさんのご褒美が。映像も派手で超楽しい)
材料や作れるものは評判を上げていく事で徐々にアンロックされていく。最初は紙巻きタバコから始まって、エロ小説、ロープ、水タバコ、ジュース、アルコール…
加工の手順は毎回違ってくるから、その都度チュートリアルが挟まれるんだけど、相変わらず説明がフザケていて笑える。
(拡大して読んでみて。何言ってんだ?コイツ。って感じ)
(俺の渾身のエロ小説を見よ。これが高レートで取引されるんです)
これだけでも十分に面白い内容なんだけど、さらにゲーム性を深くしているのがレートの変動と在庫数だね。
これは『大航海時代』とかのシミュレーションゲームでもお馴染みのシステムで、売買するタイミングによって物の価値が変わってしまう。安い時に材料を仕入れて高い時に売る。これによって脱獄までに掛かる時間が大幅に短縮出来る。
(材料費3.5Gで作ったタバコが8Gでトレード出来る。こうやってお金を増やしていく)
エロ小説家デビュー
そんなこんなでしばらくプレイしてみるんだけど、実に懐かしい気持ちになるゲームだね。昔はこういう貿易ゲームみたいなものがたくさんあった。
最初は必死にタバコを作っていたんだけど、鉛筆が半永久的に使える事が判明。作業工程も少ないし、延々とエロ小説を執筆していたよ(笑)
(安部譲二には負けない。黙々とエロ小説の執筆を続ける日々)
あと、面白いと感じるのは物資を隠す収納用品の買い替えだね。サイズや扉の開閉スタイルが違うだけじゃなくて、設置場所によっても作業効率が変わってくる。途中、ロープを作ったものの、サイズが大き過ぎて看守に見つかったりもしたよ(笑)
この辺を試行錯誤しながら、なるべく早く脱出する方法を探すのはマジで楽しい。
(整頓しながらプレイしないと収納スペースの扉が閉まらない)
(脱出まであと一歩。金色のボビーが手に入る)
うん、VRを活かしたゲームだと思うし、細かい演出にも力が入っている。
ただ一つ残念なのは、方向転換の度にキャリブレーションが少しずつズレてしまう事だね。夜のパートは看守がリアルタイムで迫ってくるから大慌てで作業をしないといけないのに、位置がズレて収納の扉が閉まらなかったりする。これは「ISLAND TIME VR」にもあった問題だね。
(看守達がそこまでトリッキーな動きをしないのはありがたい)
そんなこんなで、脱獄用のハンマーの入手に成功。壁をぶっ叩いて脱獄するんだけど、ブロックが崩れる時のエフェクティブな映像も面白くていいね。
因みに、脱獄後に評価が発表されるんだけど、目標の経過日数を達成するのはかなり難しいと思う。繰り返しプレイして、無駄を徹底的に省かないと無理。
(フォトリアルじゃなくても面白い映像は作れる。脱獄のシーンは最高)
(目標経過日数を倍以上オーバーしてしまった。難しい)
その他モード
今日は2つ目の監獄を脱獄するところまで進めたね。監獄毎に違う背景が用意されているのもいいし、徐々に作るものが大掛かりになってくるのもステップアップが表現されていていい。
2つ目の監獄ではりんごジュースを10個も作る必要があるんだけど、かなり大変な作業だったよ。
(りんごジュース10個は超大変。収納が大きくなっているのにも注目)
(作業途中に謎のテキストが表示されるのが笑える。変なゲーム)
他のモードについても軽く書いておこうか。材料を調達して物を作るという基本部分はそのままに、スコアアタックに挑戦するモードや、スキルカードを使ってアイテムをアンロックするモードが存在している。
どちらも通常モードより難易度が高いから、やり込み用だろうね。俺はプレイしないかもしれない。
(4つの監獄が用意されている。一番右は【ボスモード】)
(ボスモードはルールが若干異なる。今日は最初の3日だけプレイした)
(3分の間に出来るだけ多くの加工品を作るモード。これは難しいと思うな~)
現時点での感想まとめ
とても良いと思うね。ゲームとして面白いし、演出も頑張っている。BGMも素敵だね。
進行状況に合わせた映像の変化が若干足りてないけど、作業自体が楽しいからあまり気にならないし、数字とにらめっこするVRゲームも斬新。実はかなり野心的な一本だと思うよ。
今後新たな要素が現れる可能性もあるし、もしかしたら満足度星5も狙えるか?
なんにせよ、またまた素晴らしい作品が増えてしまいました。遊んでいる時間が全く足りなくて困るよ。
というわけで、かなりお薦めです!! 日本語にも対応しているから、是非遊んで欲しいね。