雨が降る

ざぁざぁと傘を打つ
跳ねる
たたく

その振動が
頭に
胸に
足に
伝わって

雨がわたしの中に
入ってくる

わたしの中で
跳ねる
打つ
遊ぶ

ぼつぼつ
ふつふつ

この途方もなく大きな
雨の中に立つ

途方もなく高い空から
途方なく広い大地に

降り注ぐ
雨を受けている

夜の光の中で
雨の線が光ってる
切れ目なく
切れ目なく
降り注ぐ

光の線の中で
わたしの呼吸が
白い蒸気となって
立ちのぼる

怪しくうねり
消えてゆく

あぁこんなにも
大きく密やかに
うっとりとする
雨の夜




頭がぎゅうぎゅうのときは

体にいられないときは

頭のなかの
思考をみてみる

思考の中身じゃなくて
うごきと
エネルギー

今日は
ジグザグした
思考の流れに気づく

上に下に
右に左に

ジグザグ
あっちこっち
動きまわる
 
行き場なく
答えもなく
とりとめなく

思いついては
悩み
消えて
また現れる

ジグザグ

ぎゅうぎゅうに
詰め込まれ
力の入った
私の頭

喉もぎゅーぎゅーしてる
腕も胸も
ぎゅーぎゅー

それならそれで
仕方ない

ジグザグの
小さな隙間から
世界をのぞく



雲が流れていくのをみる

立ち止まって
じっと待たないと
そのわずかな動きは
分からない

雲が動いていく
その
ゆっくりとした
流れ

じっと
それを
見続けていくと

その動きに
少しずつ
呼吸がなじんでいく

この時間の流れに
からだがとけていく

あぁ
そうだった

こんな時間があった

ずいぶん
久しぶりに
この流れに触れている

「見るべきもの」や
「考えるべきもの」が
多過ぎて
離れていた世界

雲と一緒に
吹き抜けてゆく
かすかな

お日さまの光を浴びた
あたたかな
やわらかい粒を
たくさん含んだ
風が

ふわふわと
頬を抜けていく

風と一緒に
ふわふわと
呼吸する

頭がとろんと
とけていく

あぁ

このまま

この
雲と
風と
空の
時間に

とけていよう