いま、ここに、いきる、おと -18ページ目
雨が降る
ざぁざぁと傘を打つ
跳ねる
たたく
その振動が
頭に
胸に
足に
伝わって
雨がわたしの中に
入ってくる
わたしの中で
跳ねる
打つ
遊ぶ
ぼつぼつ
ふつふつ
この途方もなく大きな
雨の中に立つ
途方もなく高い空から
途方なく広い大地に
降り注ぐ
雨を受けている
夜の光の中で
雨の線が光ってる
切れ目なく
切れ目なく
降り注ぐ
光の線の中で
わたしの呼吸が
白い蒸気となって
立ちのぼる
怪しくうねり
消えてゆく
あぁこんなにも
大きく密やかに
うっとりとする
雨の夜
頭がぎゅうぎゅうのときは
体にいられないときは
頭のなかの
思考をみてみる
思考の中身じゃなくて
うごきと
エネルギー
今日は
ジグザグした
思考の流れに気づく
上に下に
右に左に
ジグザグ
あっちこっち
動きまわる
行き場なく
答えもなく
とりとめなく
思いついては
悩み
消えて
また現れる
ジグザグ
ぎゅうぎゅうに
詰め込まれ
力の入った
私の頭
喉もぎゅーぎゅーしてる
腕も胸も
ぎゅーぎゅー
それならそれで
仕方ない
世界をのぞく
雲が流れていくのをみる
立ち止まって
じっと待たないと
そのわずかな動きは
分からない
雲が動いていく
その
ゆっくりとした
流れ
じっと
それを
見続けていくと
その動きに
少しずつ
呼吸がなじんでいく
この時間の流れに
からだがとけていく
あぁ
そうだった
こんな時間があった
ずいぶん
久しぶりに
この流れに触れている
「見るべきもの」や
「考えるべきもの」が
多過ぎて
離れていた世界
雲と一緒に
吹き抜けてゆく
かすかな
風
お日さまの光を浴びた
あたたかな
やわらかい粒を
たくさん含んだ
風が
ふわふわと
頬を抜けていく
風と一緒に
ふわふわと
呼吸する
頭がとろんと
とけていく
あぁ
このまま
この
雲と
風と
空の
時間に
とけていよう

