S氏への会社へ

契約書の取り交わしと

人事担当役員である常務取締役との

顔合わせのため

 

 

前回訪問してから

約1か月後に訪問することになった。

 

 

トド先生から色々と助言を受け

 

契約書はレーザープリンターで印刷し、

 

給与計算等の業務フローを

説明するための資料も

先日購入したばかりの

カラーレーザープリンターで

印刷した。

 

 

そして、訪問日当日を迎えた。

 

 

以前、トド先生から

 

1人で行くよりも

2人で行く方が印象がいい

 

とアドバイスをもらっていたので

 

 

パンダは妻と一緒に

会社を訪問することにした。

 

 

 

初めてお会いする常務がどんな方か

想像がつかないので

パンダは少し緊張していた。

 

 

しかし、それ以上に

妻の方が初めての会社訪問ということで

ガチガチになっていた。

 

 

 

電車を乗り継ぎ

2人は会社に到着した。

 

 

 

受付でS氏とアポがある旨伝え

しばらくすると

S氏がやってきた。

 

 

 

そして、前回とは違う

オフィス内にある広い会議室に

通された。

 

 

 

「常務を呼んできますので少しお待ちください。」

 

 

といって、S氏は一旦

会議室を出ていった。

 

 

S氏が会議室を出たのを見て

妻がパンダに話しかける。

 

 

「どうしたらいい?」

 

 

かなり緊張している様子。

 

 

 

パンダは、

”とりあえず、名刺交換をするから

 常務が入ってこられたら

 挨拶して、名刺を渡そう”

と妻に言った。

 

 

この日のために

妻の名刺も事前に作成していた。

 

 

パンダの事務所で特別何か業務を

しているわけではなかったが

一応、名刺には「経理担当」と

記載した。

 

 

5分ほどしてS氏が常務と一緒に

会議室に戻ってきた。

 

 

 

初めて常務と顔を合わせ

独特のオーラを感じる。

 

説明するのは難しいが

大企業の常務取締役

というのが雰囲気で伝わってくる。

 

 

少し緊張しつつも

委縮しないようなるべく大きな声で

挨拶し、とりあえず名刺交換を行った。

 

 

そして、それぞれ

着席し、S氏が簡単にパンダのことを

紹介した。

 

 

そして、パンダは準備してきた資料を

カバンから取り出し、

常務とS氏に渡した。

 

 

12月から給与計算業務をスタートするにあたり

事前に社員情報や会社情報を

提供してほしいということや

 

毎月の給与計算のスケジュールや

納品するデータ・書類の内容、

使用する給与システムの概要を

説明した。

 

 

パンダが説明する内容について

時折、S氏が質問する場面はあったが

常務は一言も発しなかった。

 

 

 

一通り説明が終わり

”何かご質問はございますか”

と尋ねても、常務からは

返事が返ってこなかった。

 

 

 

パンダは

ほんまに決裁下りてるんやろか?

と少し不安になりつつも

 

 

用意してきた契約書を取り出し

S氏と常務の前に差し出した。

 

 

 

すると、常務は席を立ち

 

「では、私はこれで失礼します。

 あとはS課長にお任せします。」

 

と言って会議室を出ていった。

 

 

 

何が起きているのか分からず

呆然としていると

 

 

S氏から

 

「少しこのままお待ちいただけますか?」

 

と言って、会議室を出ていった。

 

 

 

 

パンダの説明に問題があったのか?

 

それとも、パンダを見て頼りないと思われたのか?

 

 

 

会議室に取り残された2人は

どうしたらいいのか分からず

只々S氏が戻ってくるのを

待つことしかできなかった。

 

 

 

 

⇒ 第54話へ続く